2017年03月18日 11時30分

今話題の“イデコ”とは? 「個人型確定拠出年金」の特長を解説!

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【図表】個人型確定拠出年金に加入できる人

 ここのところ注目を集めている「個人型確定拠出年金(=愛称はiDeCo:イデコ)。実は、制度自体は2001年に日本に登場しており、すでに15年以上が経過しているのだが、なぜ今になり話題を集めているのだろうか。そもそも「iDeCo」とはどういう制度なのか。今回は確定拠出年金の基礎知識を交えながら、これらの疑問をわかりやすく解説していく。

■自分でつくる、自分だけの年金

 老後の生活資金として軸となるのは「公的年金」だ。日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人なら、外国籍でも国民年金への加入義務があり、保険料を払わなければならない。公的年金の仕組みは「賦課方式」と呼ばれ、支払った保険料は、将来自分が受け取る年金になるのではなく、今の受給世代への年金の財源となる。現役世代が高齢者の生活を支えているのだ。さらに、自分が障害を負った場合に給付される障害給付、亡くなった場合は遺族に給付される遺族給付の財源にもなる。高齢者のみでなく、自身の万一の時にも給付がある制度なのだ。

 一方「個人型確定拠出年金」は、その名の通り、自分で貯めて自分で受け取る“自分のための年金”だ。自分で金融機関を選び、貯めたお金は自分で管理(運用)し、自分自身で受け取り方法や時期を決めることのできる、100%自分のための年金というわけだ。そのため公的年金に対し、私的年金に分類される。

■「401k」「DC」「iDeCo」呼び名は違うが、どれも“確定拠出年金”

 確定拠出年金には、以下のように複数の呼び名がある。

(1)401k:ヨンマルイチケー
 もともと確定拠出年金はアメリカの税に関しての法律「内国歳入法401条項」の制度をモデルとして日本に導入されたもので、確定拠出年金は当初「日本版401k」とも呼ばれていた。

(2)DC:ディーシー
 【Defined Contribution pension plan】の略で、こちらも確定拠出年金を指す。確定拠出年金には企業型と個人型があり、それぞれ「企業型DC」「個人型DC」とも呼ばれている。

(3)iDeCo:イデコ
 【individual-type Defined Contribution pension plan】の略で「個人型」確定拠出年金のみを指す。愛称である「iDeCo」は、2017年からの加入者資格の拡大に伴い公募で選ばれた。

 上記の個人型確定拠出年金「個人型DC」ないし「iDeCo」の加入資格の範囲が拡大されたことが、誕生から15年以上経過した最近になって急激に注目を集めている理由につながる。

■今年から“現役世代のほぼ全員が加入対象者”に

 今までの個人型確定拠出年金は、公務員や専業主婦、会社員でも企業年金制度がある人など、一部の人は加入できないという制約があった。2017年1月からは、制約があった人たちでも加入できるようになり、現役世代のほぼ全員が加入できるように範囲が拡大された(図表参照)。間口が広がったことで、離・転職時の職業間の持ち運び(ポータビリティ)の弊害がなくなった点も注目だ。

 例えば、企業型確定拠出年金のある会社から、公務員や主婦になる場合や、企業型確定拠出年金はないが他の企業年金(確定給付企業年金や厚生年金基金)がある会社へ転職する場合などは、個人型確定拠出に加入できず、そこで掛金の拠出が途絶えしまっていた。そのため、運用はできるものの追加の拠出ができず、手数料のみが引かれ続けるという事態が発生していた。

 2017年からは、資産を個人型確定拠出年金に移換できるようになり、拠出を続けられるようになった。雇用体系が多様化し、転職が当たり前となった現代にマッチした、利便性の高い制度になったといえる。

■老後資産を貯めるほど節税できる

 また個人型、法人型問わず、確定拠出年金は以下の3段階で優遇税制が用意されている。

(1)拠出時の所得控除
(2)運用時の運用益非課税
(3)受け取り時の公的年金等控除と退職所得控除

 特に(1)は毎月の掛金に上限はあるものの、全額が所得控除される。つまり、確定拠出年金は老後資産を積み立てるほどに節税効果が高まり、効率良く資産形成ができる。まずは、確定拠出年金の大きな仕組みの理解からスタートしていこう。

(マネーライター・永井志樹子)

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