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利回りが良く、株式よりも価格変動がない!? 企業が発行する「社債」とは

 「社債」とは、企業が事業資金を集めるために発行する債券のこと。高額投資家向けに発行されることが多かったが、最近では最低購入金額を下げた「個人向け社債」や投資信託でも買えるようになってきている。
 そこで「社債」の概要や「株式」との違い、また社債の種類や特有のリスクを含めたメリット・デメリットなどをみていこう。

株式とはどう違う? 「社債」の概要

 「社債」とは一般の企業が発行する債券のこと。企業は設備投資などの事業資金を調達するために社債を発行し、投資家から資金を募る。そして期間中は利息を払い、一定期間後に現金で戻すことになる。つまり社債とは“会社の借金”であり、投資家は社債発行企業に対してお金を貸すという点で株式と大きく異なる。

<表1>社債の概要

売買

いつ買える

各企業の発売期間内に発売されるが、すぐに売り切れることが多い

どこで買える

証券会社、金融機関

いくらから買える

商品によって異なる
(普通社債:1億円、個人向け社債:10万〜100万円など)

売買時チェックポイント

発行体の信用度を確認する(格付をチェックする)

売買コスト

なし

途中解約(中途売却)

解約は不可だが売却は可能

保有

保有期間

1年〜20年

保有コスト

投資信託の場合は、信託報酬と監査報酬がかかる

利率

商品により異なる
(クレディセゾン:0.75〜1.35%、小田急電鉄:0.08〜0.38%など)

性格

使い勝手

中途売却の場合、買い手がつかない可能性あり

リスク

社債発行会社が倒産した場合、元金が戻らない可能性あり

リターン

株式転換・新株購入でハイリターンの可能性あり

利益が出る条件

満期まで待つ、市場に売る、株式に転換する

損が出る可能性

株式に転換した場合や社債発行会社が倒産した場合可能性あり

こんな人が買い

・満期まで待てる人
・株式転換・新株購入でハイリターンを狙いたい人

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 社債は明治末期頃から発行が行われてきたが戦後は発行が厳しく統制され、一部の大手優良企業しか社債の発行ができなかった。現在のシステムが完成したのは1996年の金融ビッグバンによる規制緩和以降である。

 社債と株式は、どちらも一般企業が資金調達のために発行する点では共通している。しかし、株式は「返済義務のない出資証券で自己資金扱い」になるのに対し、社債は「返済義務のある借用証券で負債扱い」になるという違いがある。

 社債にはない株式の特徴として、株主には株主総会に出席して、企業経営に対する意思表示をする議決権が与えられる。また企業の経営状態によって配当金の額面が増える場合もあれば、全くもらえない場合もある。社債は決まった利子が支払われ、満期になれば全額返ってくる仕組みである。ほかにも下記のような違いが挙げられる。

≪中途売却する場合の価格≫
株式:値動きが大きく売却益が期待できる分、損失を被るリスクも大きい
社債:株式ほど大きく値動きすることはなく、もし値下がりしたとしても満期まで待てば全額返ってくるため損失を被るリスクは小さいと言える
≪会社が倒産した場合≫
株式:出資金を諦めるしかない
社債:投資額の一定割合は戻ってくることが多い

普通社債、担保付、無担保…「社債」の種類と仕組みを知ろう!

 社債は種類が幅広く、一般的な「普通社債」から、社債を発行している企業の株式に転換できる権利が付いているもの、新株購入の権利が付いているものなど、ほかの債券にはない仕組みが組み込まれている。

【普通社債(ストレートボンド/SB)】
 普通社債とは固定金利付き社債のこと。普通社債は満期(償還期限)が設定されており、満期までの間は一定期間ごとに利子を受け取ることができる。利率は発行する企業の信用リスクや、発行時期の市場の金利動向などによって変わるが、原則として信用度の高い企業は利率が低く、信用度の低い企業は利率が高くなる。
 このうち、特に個人投資家向けに発行されるものを「個人向け社債」と呼ぶ。

【転換社債型新株予約権付社債(コンバーチブルボンド/CB)】
 転換社債型新株予約権付社債とは所有する社債を株式に転換する権利が付いた社債のこと。株価が値下がりしたときは、そのまま所有していると利子を受け取ることができ、反対に株価が値上がりしたときは、株式に転換すれると売却益を得ることができるため、投資家にとって大変有利な社債であると言える。また株式に転換する際に追加の資金が不要な点も転換社債型新株予約権付社債のメリットである。

【新株予約権付社債(ワラント債)】
 新株予約権付社債とは発行会社の新株を購入する権利が付いた社債のこと。新株予約権付社債を持っていると、有効期間内であれば好きなときに、一定の価格で、一定数の新株を買い付けできる。転換社債型新株予約権付社債と違い、株式を買い付けるために新たな資金を必要とするが、新株予約権を行使しても社債の権利が残る。
 新株予約権付社債は株式の買い付けによって大きな利益を得ることができる可能性がある一方で、権利行使期間を過ぎると“新株を購入する権利”の部分が無価値になるリスクがあり、また価格変動幅が大きいためハイリスク・ハイリターンの商品であると言える。

【担保付社債】
 担保付社債とは社債の債務に対して担保が設定されている社債のことで、「一般担保付社債」と「物上担保付社債」に分類される。
 一般担保付社債は、社債発行会社が倒産した際などに、優先的に配分を受けられる権利が付いた社債である。いざというときに債券額の回収を保証する非常に強力な社債であるため、NTTやJT、電力会社など特定の法律で認められた企業のみが発行できる。NTT発行の社債は「NTT債」、JT発行の社債は「JT債」などと呼ばれ、その他の会社が発行する社債は「一般事業債」と呼ばれる。
 物上担保付社債とは、社債の発行会社が保有する土地、工場、機械設備などを担保とする社債のことである。物上担保付社債の発行会社は、万が一、利子や元金の支払いが滞った際には担保物件を処分するなどして支払いに充てることになる。

【無担保社債】
 無担保社債とは担保が設定されていない社債のこと。担保付社債以外の総称で、債務不履行になった場合、債権額や利払いは保障されない。現在発行されている社債の多くはこの無担保社債である。

社債のメリット・デメリット

 すでに述べたとおり、社債には「普通社債」、「転換社債」、「ワラント債」などさまざまな種類がある。多くは最低購入単位が1億円程度で発行されるため個人で購入することは難しいが、最低購入単位を10〜100万円程度に小口化した「個人向け社債」という社債も発行されている。また投資信託を利用すれば1万円程度から購入することも可能であり、様々な社債へ同時に投資した場合、リスク分散することも可能である。

 社債の一番の魅力は定期預金や国債よりも利率が高めなことである。大手銀行の定期預金(5年満期)の利率が0.03%、国債の利率は0.09〜0.48%なのに対し、「クレディセゾン」の個人向け社債は0.75〜1.35%、「SBIホールディングス」の個人向け社債は1.52%などとなっている。一方で、「小田急電鉄」の個人向け社債は0.08〜0.38%、「東武電鉄」の個人向け社債は0.32%など、中には個人向け国債の利率と変わらない、または下回る社債も存在するので注意が必要である。

 個人向け社債は証券会社で購入することが可能だが、証券会社によって取り扱っている社債が違い、また人気のある社債はすぐに売り切れてしまう。したがって、複数の証券会社のサイトをチェックして、いつどんな社債が売り出されているかを調べる必要がある。「個人向け社債ウォッチ!」という社債発行情報のブログも存在するので、参考にするとよいだろう。ただし「個人向け社債ウォッチ!」はあくまで一般の方が書かれているものなので、社債購入の際は証券会社のサイトで商品内容をしっかりと確認しよう。ほかにも、決まった利子が約束されており、満期になれば全額償還されるため、株式よりも安全性が高いこともメリットとして挙げられる。

 社債のデメリットは国債と違い一般企業が発行しているものであるため、社債を発行した会社が倒産・破たん・経営不振に陥ってしまうと社債の投資元本や利子を払ってもらえなくなる(債務不履行=デフォルト)リスクがある点だ。

 過去には「武富士」や「JAL(日本航空)」といった有名企業でも社債のデフォルトが発生しているので、社債購入の際には社債発行会社の経営状態や格付けをよく調べることが重要である。

 また社債の多くは証券取引所に上場されていないため、売買は基本的に証券会社との間で行われる(相対取引)。したがって購入・売却できる銘柄は少なく、売買したいときに必ずしも購入・売却できない可能性がある。

「社債」のメリット・デメリットまとめ
≪メリット≫
・利率が定期預金や国債よりも高め
・投資信託の場合、1万円程度から購入でき、様々な社債へ同時投資することでリスク分散になる
・満期になれば全額償還され、株式よりも安全性が高い
≪デメリット≫
・有名企業であってもデフォルトが発生しているので注意が必要
・購入・売却できる銘柄が少なく、売買したいときに購入・売却できない可能性がある

※今回の特集内で紹介している情報やデータは2014年1月現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。

●ご利用の際のご注意事項(必ずお読みください)

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