2015年04月07日 07時00分
2014年度『株価下落率』ランキング 「エナリス」が粉飾決算で80%下落
2014年度版『株価下落率ランキング』の上位10社を発表!(オリコンDサイエンス調べ) (C)oricon ME inc.
オリコンDサイエンスは先ごろ、2014年度版の『株価下落率ランキング』を発表した。企業株価の変動率に注目し、2014年4月1日の始値と2015年3月31日の終値を比較したうえで、株価の下落率をもとにランキング化。上位10銘柄を下落理由として推測できる要因と併せて紹介する。表記は銘柄(下落率)【上場市場/銘柄コード】の順。
1位
エナリス(-80.2%)【マザーズ/6079】
エネルギー流通情報事業を展開する企業で、2013年10月9日に上場。2014年10月、一部報道により粉飾決算が指摘され、22億円の巨額の赤字を計上した。また、この粉飾決算には「石山Gateway Holdings」の不正取引とも関わっているとの報道もあり、混迷を極めていることが下落につながったか。12月19日には社長が辞任し、元グーグル日本法人代表を務めた村上憲郎氏が就任している。
2位
スリー・ディー・マトリックス(-75.5%)【JASDAQグロース/7777】
バイオベンチャー。止血剤の製造販売承認を見込んでいたが、審査において止血効果の有効性について、「より精度の高い検証が必要」との結論に至ったことから申請を取り下げた。これを受けて、売上高を従来予想の104億1800万円から一転して5100万円、営業利益は44億8300万円の黒字から19億8400万円の赤字へと大幅な下方修正を行ったことから、失望売りが広がったと考えられる。
3位
石山Gateway Holdings(-71.7%)【JASDAQグロース/7708】
2014年10月30日、発電事業において複数の取引先との間で不正な取引があるということで、証券取引委員会から粉飾決算の疑義で強制捜査が行われた経緯がある。
4位
みんなのウェディング(-71.7%)【マザーズ/3685】
「ディー・エヌ・エー」から会社分割し、結婚式場クチコミサイト「みんなのウェディング」を運営。2014年3月24日に上場したが、同年7月30日の第3四半期決算発表翌日に急落して以降、徐々に売られていた。その後、社長の指示による不正売上の計上が報じられ、社長が辞任する事態になった。
5位
江守グループホールディングス(-70.9%)【東証1部/9963】
化学品や電磁材料部品などを扱う企業グループ。中国における事業で462億円という巨額の貸倒引当金が発生。これに伴い、15年3月期第3四半期の連結最終損益が439億円の赤字、234億円の債務超過に陥ったと発表したことが、急落につながったようだ。
6位
エンバイオ・ホールディングス(-68.8%)【マザーズ/6092】
土壌汚染対策事業を展開する企業で、2014年3月12日に上場した。業績が悪化しており、2014年10月に15年3月期の経常利益予想を89%下方修正したことが悪材料になっているか。
7位
NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN(-66.7%)【東証ETN/2038】
原油価格に連動するETF(上場投資信託)のため、米国のシェール革命(地下にあるシェール層からオイルやガスを採掘し、原油生産量が増加している状態)により、米国の原油輸入量が激減した影響を受け、下落。従来、原油価格はOPECにより生産量を調整することで価格維持をしていたものの、シェールオイルのシェア拡大を懸念し、減産しなかったことが原油価格の急落を引き起こしていると思われる。
8位
アライドアーキテクツ(-66.1%)【マザーズ/6081】
2013年11月に上場した、ソーシャルメディアマーケティング企業。2014年8月8日にアメリカの「Facebook社」がポリシー変更を行い、景品の引き換えやサービス利用などに対する「いいね!」の要求行為を禁止したことから、同社が行う「モニプラFB」が影響を受け、下方修正を行った。
9位
サニックス(-66.0%)【東証1部/4651】
太陽光発電事業の設備施工を展開。同社が予想していた、15年3月期第2四半期の累計経常損益35億円の黒字を11億円の赤字に下方修正し、さらに太陽光発電の新規参入凍結や太陽光の買い取り価格引き下げなど、太陽光に対する需要不安のニュースが相次ぎ、売りが進んだと考えられる。
10位
カイオム・バイオサイエンス(-64.9%)【マザーズ/4583】
理研発のバイオベンチャー企業。独自の抗体作製技術『ADLibシステム』で研究開発を行っており、2014年3月の株式分割で急騰した。しかし、同月31日に14年3月期の業績予想を赤字拡大に下方修正したことで失望感が広がったようだ。
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