猫も鼻血を出すことがある?原因と対処法を解説

猫も鼻血を出すことがある?原因と対処法を解説

 猫が鼻血を出しているところを見たことはありますか?

 人間は鼻を強くかんだり、のぼせたりといった、ささいなことで鼻血が出ますが、猫も人間よりは少ないものの、鼻血を出すことがあります。

 本記事では獣医師監修のもと、猫の鼻血の原因鼻血が出ているときの対処法について解説します。
ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

mokuji目次

  1. 猫の鼻血の原因
    1. 鼻炎
    2. 鼻腔内腫瘍
    3. 血液凝固異常
    4. 歯周病
    5. 高血圧
    6. 外傷や異物
    7. 骨軟骨異形成症
  2. 猫が鼻血を出したときの対処法
    1. 鼻血は両方からか片方からか
    2. 出血量はどのくらいか
    3. 鼻血の出方・出血の期間
  3. 猫が鼻血を出しているときは、すぐに動物病院へ

猫の鼻血の原因

 猫は、人間ほど簡単に鼻血を出すことはありません。ですが、ケガや病気など何らかの問題を抱えているときに、鼻血を出すことがあります。主な猫の鼻血の原因としては、下記のようなものがあります。

鼻炎

 猫の鼻血の原因として代表的なもののひとつに、鼻炎があります。鼻炎とは、細菌・ウイルスの感染やアレルギー症状などで、鼻の粘膜に炎症が起きている状態のこと。鼻炎になると、くしゃみやサラサラとした鼻水と共に、鼻粘膜から出血することがあります。

 また、鼻炎が悪化して副鼻腔炎になると、ネバネバした鼻水のほか、膿のような黄色や緑の鼻水に血液が混じることがあります。

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鼻腔内腫瘍

 鼻腔内に腫瘍ができることで、腫瘍からの出血が鼻血として出てくることがあります。通常は、腫瘍があるほうの鼻孔だけから出血しますが、腫瘍が大きくなってもう片方の鼻腔まで浸潤すると、両方の鼻孔から出血することもあります。

血液凝固異常

 血液凝固異常は、血液に含まれる血小板の減少や機能障害により、血が固まりにくくなって出血しやすくなる状態です。血液凝固異常が起こる原因としては、骨髄や肝臓などの病気、免疫系の異常、遺伝的な要因、殺鼠剤(ワルファリン)の誤飲など、さまざまなものがあります。

 また、鼻血だけでなく、血尿、血便などの症状が見られることもあります。

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歯周病

 歯周病も、鼻血の原因のひとつです。歯周病菌によって鼻と口のあいだにある骨が溶けてしまい、口腔と鼻腔がつながって、鼻から出血することがあります。

高血圧

 高血圧によって、鼻血が出ることもあります。血圧が高いと血管に負担がかかり、血管の壁がもろくなって、鼻の中の毛細血管が切れやすくなるのです。

 なお、猫の場合、心臓病慢性腎臓病甲状腺機能亢進症などの病気によって、高血圧になるケースが多く見られます。

外傷や異物

 猫同士の喧嘩や事故による外傷、鼻に入った異物などにより、鼻の中が傷ついて出血する場合もあります。室内一頭飼いの猫でも、高い所から落下したときに鼻を打って鼻骨を骨折することもあるので、注意が必要です。

骨軟骨異形成症

 骨軟骨異形成症とは、軟骨や骨の構造に異常が起こる病気です。鼻の軟骨に異常があって変形している場合、鼻血が出やすくなります。発症は遺伝的な要因が大きく、猫種としてはスコティッシュ・フォールドでよく見られます。

猫が鼻血を出したときの対処法

猫が鼻血を出したときの対処法

 猫が鼻血を出した場合は、体に何らかの異常がある可能性があります。猫の鼻血に気がついたときは、すぐに動物病院で診察を受けてください

 なお、動物病院を受診するときは、下記のポイントを観察・記録しておくと、獣医師が状況を把握しやすくなり、原因のすみやかな特定につながります。

鼻血は両方からか片方からか

 猫の鼻血が両方の鼻孔から出ているのか、片方の鼻孔から出ているのかを確認してください。両方の鼻孔から出血している場合、血液凝固異常をはじめとする、全身的な問題である可能性があります。

 一方、片方の鼻孔からのみ出血している場合は、腫瘍や異物による外傷のほか、歯周病が原因というケースも考えられます。

出血量はどのくらいか

 猫の鼻血の出血量も重要な情報です。大量の出血が見られる場合は、鼻骨の骨折外傷などが疑われます。少量の出血であれば、軽度な外傷一時的な鼻炎かもしれませんが、継続的に少量の出血がある場合は、腫瘍などが原因の可能性もあります。

鼻血の出方・出血の期間

 鼻血がどのように出ているのか、また出血が始まったのはいつで、どれくらいの期間続いているのかも記録しておきましょう。例えば、くしゃみや鼻水と共に断続的に出血している場合、鼻炎感染症が原因の可能性があります。

 一方、継続的に出血している場合は、腫瘍や血液凝固異常などが原因かもしれません。また、食欲不振、血尿、吐血など、鼻血以外の症状があればそれも獣医師に伝えてください

猫が鼻血を出しているときは、すぐに動物病院へ

 猫が鼻血を出している場合は、すぐに動物病院を受診することが重要です。愛猫が鼻血を出すと驚いてしまうかもしれませんが、鼻血の様子や量、出血の仕方を確認し、食欲不振や血尿といった症状がないかどうかも、冷静にチェックしてください。獣医師にできる限り情報を伝えることで、鼻血の原因が特定しやすくなり、スムーズな治療につながるでしょう。

 また、鼻血の原因が大きな病気だった場合に備えて、ペット保険の加入を検討することもおすすめします。

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ガイア動物病院 院長 松田唯

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯

埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
 ●ガイア動物病院(外部リンク)

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

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