世界の「自動車保険」事情(1)米国・ブラジル・英国と日本の自動車保険の違いとは?
日本では「自賠責保険」への加入を義務付け、さらに「任意自動車保険」も用意されるなど、万が一の事故に対する補償が備わっていますが、この制度は世界共通ではありません。海外の自動車保険に目を向けてみると、補償内容や補償額、加入経路などは日本とは少し異なっているようです。
米国の損害保険会社は3000以上! 補償内容や保険料は州ごとに異なる
米国の保険市場の特徴は、州ごとに制度が異なる点。自動車保険においても、州によって補償の内容や補償額に差があり、保険料も大きく異なっています。また、米国には、日本の自賠責保険のような国の制度はありません。ただし、自動車を運転する条件として、ほとんどの州で最低限度の対人・対物賠償責任保険を購入するよう、自動車所有者に法律で義務付けています。
ところが、自動車保険の保険料をみてみると、日本の年間平均6〜7万円程度に比べ、米国は平均9万円程度とやや高め。ニューヨーク州やニュージャージー州、ワシントンDCなどでは10万円を超えるといった、高額な州もあるようです。このため、低所得者や事故・違反歴によって保険料が大幅に割増される運転者は、加入しないというケースも少なくありません。このような無保険者は10〜30%に達する州が大多数です。
・損保社数は、日本では50にとどまるが、米国では3000以上にのぼる
・米国では、州によって補償内容から補償額、保険料に差がある
・米国には自動車保険に関する国の制度はなく、州ごとに最低限度の保険の付帯を義務付けている
ブラジルの死亡・後遺障害補償は約60万円 任意保険の加入率は3割程度
一方、任意保険への加入率を見ると、わずか3割程度。しかも、自分の車の損害をメインに補償する車両保険への加入が全体の7割を占めており、第三者への賠償責任保険への加入はあまり進んでいません。その背景にあるのは、自動車盗難の発生率の高さ。ブラジル全土の自動車の盗難発生率は、米国の約4倍。首都リオデジャネイロにおいては、ニューヨークの約20倍にも達します。10万台のうち毎日7台が盗難に遭っていることになるほど発生率が高いため、車両保険への加入が進んでいるのです。
・強制保険における死亡時の補償額は、日本の3000万円に対し、ブラジルでは約60万円
・ブラジルでは、賠償責任保険ではなく車両保険への加入が全体の7割を占める
英国のダイレクト系自動車保険のシェアは50%! 一方、日本は…?
英国でこれだけダイレクト販売が拡大したのは、商品内容に各社とも差がなく、パッケージ化された商品が主流であるため、保険料を比較しやすいからとされています。日本では損保ごとに違いがあり、比較しづらく感じる人も多いかもしれませんが、「保険料の安さ」または「事故対応の良さ」などと自身の重視ポイントを明確にし、各社のWebサイトや口コミを見て比べながら加入したいところですね。
・個人向け自動車保険の販売シェアは、日本では10%・英国では50%
・英国では、各社とも商品内容に差がなく、パッケージ化された商品が主流
ダイレクト系自動車保険ランキング オリコン顧客満足度(R)>>
※掲載内容は2014年8月時点の情報です