2000万円を超える高額支払いも! 珍しい損害賠償“4事例”

 もし事故の相手が世界に数百台しかないバイクに乗っていたら…。もし美術館の展示品を運ぶトラックに追突し、世界的芸術作品を壊してしまったら…。そんなありえない高額賠償が実際に起きるのが世の不思議です。では、一体いくらの損害賠償請求をされてしまうのか。今回はそんな珍しい事故事例を4つ紹介します。

<事例 1> 損害額が購入価格を上回る!? ハーレー“限定モデル”の稀少価値とは

【発生日】 2010年8月7日夕方

【事故内容】
 京都府宮津市の道路をハーレーダビッドソン(誕生95周年限定記念モデル・生産数3000台)に乗車したAが集団走行していた。このとき、対向車がセンターラインをはみ出し、Aたちのバイクに衝突。事故原因は対向車の前方不注視で、センターライン側へ寄っていることに気づかないまま漫然と走行していたことであるため、Aたちに過失はなかった。

【判決】
 裁判において、争点のひとつとなったのが“Aのバイクの希少価値を認めるか否か”。対向車側は、「限定記念モデルであるとしても、一般的に価値があることにはならない」とし、損害額は「購入額の100万円か、高くてもせいぜい約130万円である」と主張した。

 だが、裁判所は「一般量産車と比べて、その価値は高い」とバイクの希少価値を認め、「(Aは)100万円以上の客観的価値のある物を100万円で購入しただけ」として、損害額を230万円と認定した。ただし、「原状回復以上の利益を与えたわけではなく、Aのバイクのもつ“客観的価値”を回復させたものである」としている。

 もし、Aのバイクのような“他人の財物”に対する損害について賠償義務を負った場合、自賠責保険では補償されないため、任意の「対物賠償保険」が役に立ちます。賠償額が高額になった場合に備え、限度額は無制限にしておくと安心です。
※2013年8月30日大阪地裁判決

<事例 2>交通事故で「選挙立候補」断念… “慰謝料”は認められるのか?

【発生日】 2007年3月13日朝

【事故内容】
 神奈川県横浜市で、市議会議員選挙の立候補者が政治活動のため車で駅へ向かっていた。駅前の信号機のない横断歩道にさしかかったとき、歩行者が横断中だったため、前車に続いて停止していたところを後続のタクシーに追突された。原因はタクシーの前方不注視で、候補者に過失はない。

 事故自体は軽微なものだったが、候補者は頚椎捻挫により、首の痛みがひどく、日常生活が困難になった。そのような状態では街頭演説や徒歩遊説といった選挙活動ができないことから、告示日前日に立候補の断念を余儀なくされた。

【判決】
 裁判では、「追突事故」と「立候補断念」との因果関係が認められた。そのため、ウグイス嬢のキャンセル料や選挙運動用ポスター、選挙事務所設置費用、事務機器レンタル費用など、すでに支払った(あるいは支払う予定のある)損害について賠償請求を認めた。

 立候補を断念したことに対する慰謝料として、候補者は300万円を請求したが、裁判所は「当選したかどうかは不明」などとして、50万円と認定。本件の損害賠償額は、合計で約370万円となっている。

 交通事故は、いつどんなときに遭遇するかわかりません。常に安全確認を怠らず、万一のための補償はしっかりつけておくことが賢明といえるでしょう。
※2011年12月21日横浜地裁判決

<事例 3>古美術商のワゴン車が追突され商品破損

【発生日】 2010年10月8日深夜

【事故内容】
 ある古美術商がワゴン車に商品を積み、石川県内の高速走路を走行していた。そこに、大型トラックが追突。ワゴン車は約200メートル先のガードレールに衝突し大破、多数の美術品が損害を受けた。

 事故の原因は、大型トラックの前方不注視。そのため、古美術商側に過失はない。損害額を算出するにあたり裁判が行われたが、破損した美術品価値の“判断基準”が問題となった。

【判決】
 裁判所は、「価値を客観的に把握するのは相当に困難」「個々の物品の評価ではなく、ある程度概括的な評価とならざるを得ない」として、「仕入れ額の裏付けがある物品に関しては“仕入れ額の7割”」などとした。最終的に裁判所が算定した積載品の損害額は、約465万円となった。

 今回のような“物”の損害を補償する保険は、任意の「対物賠償保険」が対象です。強制の自賠責保険のみであれば、“人”の損害のみを補償するため、今回のケースでは適用されません。万一、加害者となってしまったときのことを考え、ドライバーはあらかじめ契約している補償内容を見直しておくことが大切といえるでしょう。
※2012年8月29日京都地裁判決

<事例 4>乗用車がペットショップ衝突で約2220万円の損害額に!

【発生日】 2009年3月11日夜

【事故内容】
 東京都足立区で、乗用車が運転を誤り、アクセルを踏み込んだまま猛スピードでペットショップに突っ込んだ。店舗は大破し、店内の物品が大きな損害を受けた。

【判決】
 この事故により、ショップ側は修復工事に追われ、約4ヶ月間休業を余儀なくされた。乗用車側の任意保険会社からは、損害の填補として約1740万円の支払いを受けたが、それとは別に、修復期間中の休業損害や売れ残った犬・猫を含む商品の損害などに対して、約1265万円の賠償を求めて訴えを起こした。

 売れ残った犬・猫などの商品の損害については、裁判所は「犬・猫は生後月齢の少ないほど人気が高く、生後4〜5ヶ月を超えると売れにくくなる」としながらも、「5ヶ月を過ぎても売れた実績がある」ことなどを理由に、訴えを認めなかった。最終的に認定されたのは約480万円で、今回の事故の損害賠償額は計約2220万円となった。
※2011年11月25日東京地裁判決

 ドライバーは、交通事故を起こさないよう安全運転に気を配るのは当然のこと。だが、不可抗力で事故が起きることもあります。建物やペットに被害を与えてしまった場合、自賠責保険では補償されないため、任意保険の「対物賠償保険」へ加入しておくことが必要です。とくに、賠償額が高額になった場合に備えて、限度額は無制限の契約にしておくと安心でしょう。万一を考え、十分な補償が備わっているか、現在の保険の限度額はいくらなのか、確認しておくことも大切です。

監修/
新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

制作協力/
株式会社マイト

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任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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