高額な損害賠償請求も発生! 「スーパーの駐車場」で起きた事故事例

 駐車場では狭いスペースで車をバックさせたり、切り返したりと、道路上とは異なる運転をする必要があります。そのため、意外にもトラブルが発生しやすい場所のひとつです。今回は、日常的に訪れる人の多いスーパーマーケットの駐車場で起きた事故事例を紹介します。

<事例 1>駐車枠から突然バックし、走行中の車に衝突/賠償金額 約9万円

【発生日】 2011年7月9日夕方

【事故内容】
 愛知県海部郡にあるスーパーで、駐車枠からバックした軽乗用車が、通路を走行していたワンボックス車に衝突。両者の車両が損傷した。

【判決】
 ワンボックス車側は、軽乗用車側に過失があるとして、約17万円の支払いを求めて訴えを起こした。ところが軽乗用車側は、「停止していた自分の車にワンボックス車が衝突した」と主張し、約9万円の支払いを求める訴えを起こした。

 判決では、「ワンボックス車が軽乗用車の後方を通過していたところ、軽乗用車が突然バックしてきたために発生した」と認定。注意義務を怠り、漫然と車をバックさせたとして、軽乗用車側の100%過失を認めた。軽乗用車側は控訴したが棄却され、約9万円の支払いを命じられた。

 最近では、バックモニターを装備した車も増えていますが、車をバックさせる際は【ミラー】と【目視】による安全確認が基本です。十分に周囲を確認し、事故は未然に防ぐようにしましょう。
※2014年8月28日名古屋高裁判決

<事例 2>混雑した駐車場でバック 被害側が頭痛やめまいを発症/賠償金額 約54万円

【発生日】 2010年7月19日午前

【事故内容】
 京都府京都市内にあるスーパーの駐車場で、混雑によりワンボックス車の後ろに軽乗用車が停止していた。すると、空きスペースを見つけたワンボックス車が突然バック。右後部が軽乗用車の左前部に衝突し、軽乗用車のドライバーは頭痛や両手のしびれ、めまい等を発症した。

【判決】
 軽乗用車側は、約460万円の損害賠償を求めて訴えを起こした。判決では、「ワンボックス車が後方をよく注意せず、後続車に合図なく車をバックさせたことが原因であり、軽乗用車に違反は認められない」と、ワンボックス車側に100%過失があるとした。

 ただし、軽乗用車のドライバーは「合理的な説明ができない治療方法をとった」とされ、治療費については認められず、損害賠償額は約54万円となった。

 これは、空いた駐車スペースに気を取られてしまい、後続車に意識が向かなかった事例です。前方はもちろん、後方にも気を配ることの大切さがわかりますね。
※2014年1月14日京都地裁判決

<事例 3>駐車中に高齢者の乗る自転車に衝突/賠償金額 約1600万円

【発生日】 2007年12月30日午前

【事故内容】 
 大阪府泉佐野市のスーパーの駐車場で、ワンボックス車を運転していたAが微速で駐車枠へ車をバックさせたところ、自転車に接触。乗車していたB(当時88歳)は転倒し、後頭部を打撲して脳挫傷及びくも膜下出血等で救急搬送されて入院。その後意識障害に陥り、回復しないまま約8ヶ月後に肺炎で死亡した。

【判決】
 裁判では、Bの自転車に痕跡が見当たらなかったことなどから、衝突は軽微だったと判断。Bが頭部を強打したのは、自転車走行や体の平衡感覚が不安定だったことが原因としたが、Bが肺炎を起こして死亡したのは事故による負傷での寝たきり状態に原因があるとして、Aに約1600万円の支払いを命じた。

 Aは車をバックさせる際、ルームミラーとサイドミラーは見ていたものの、目視での確認をしていませんでした。駐車場では、道路以上に危険を予測した運転が求められるといえるでしょう。
※2011年11月25日大阪地裁判決

<事例 4>駐車場警備員に気づかず急加速/賠償金額 約4390万円・禁錮2年6ヶ月(執行猶予4年)

【発生日】 2007年6月18日夕方

【事故内容】
 愛知県名古屋市のスーパーの駐車場で、ステーションワゴンを運転していたドライバーが急いで車道に出ようとしていた。駐車場の出口付近で交通誘導をしていた警備員に気づかず、急加速して警備員を跳ね、車体の下に巻き込み死亡させた。

【判決】
 裁判では、「警備員が停止の合図をしていたのに、ドライバーは衝突の直前まで気づかず車を急加速させて死亡させた」ことなどから、ドライバーの過失を100%と認めた。また、ドライバーが遺族に不誠実な対応をしたことなども考慮し、近親者固有の慰謝料を含む約4390万円の賠償を命じた。なお、刑事裁判では、禁錮2年6ヶ月(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡されている。

 ドライバーは、駐車場から右折して出場しようとしましたが、左方から車が近づいてきていました。そのことに気をとられて警備員に気づかず、取り返しのつかない事態を招いてしまった事例です。
※2012年12月21日名古屋地裁判決

 駐車場でスピードを出すことはほとんどありませんが、死亡事故が発生するケースもあるため、十分な注意が必要です。とにかく“周囲の確認”を怠らないようにしましょう。

 軽微な事故であったとしても、警察への届け出は必須です。届け出をしないと事故証明が受けられず、保険金の請求ができなくなる可能性があります。示談については、現場で交渉すると後々トラブルになることもあるため、保険会社に任せるのが得策。最近では、各社とも事故対応に力を入れているので、あらかじめ評判のよい会社を選んでおくといいですね。

監修/
新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

制作協力/
株式会社マイト

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任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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