自動車保険のロードサービスとは?内容や等級への影響を解説

自動車保険のロードサービスとは?内容や等級への影響を解説

車を運転していると、事故や故障など思わぬトラブルが起きてしまうことがあります。そのようなときに役立つのが、ロードサービスです。自動車保険にはロードサービスが自動付帯されているケースも多く見られますが、利用する条件は保険会社によってさまざまです。

今回は、自動車保険のロードサービスの内容について詳しく解説します。また、自動車保険とは別にロードサービスを提供しているJAFとの違いや、ロードサービスが自動車保険の等級に影響するのかなどにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

車のトラブル時に支援を受けられるロードサービス

ロードサービスとは、事故や故障といったさまざまなの車のトラブルが発生した際に、支援を受けられるサービスのことです。例えば、旅行中に車が故障してしまった場合の応急処置やレッカー移動のほか、自宅・目的地までの交通費、宿泊費用、レンタカー費用などをサポートしてもらえるケースもあります。

ロードサービスは、自動車保険に付帯する場合とJAFが提供しているサービスを利用する場合があります。自動車保険とJAFのロードサービスの内容について見ていきましょう。

ロードサービスは自動車保険に付帯されていることが多い

自動車保険に加入すると、ロードサービスが自動で付帯されているケースも多く見られます。この場合、保険料にロードサービスの費用も含まれているため、ロードサービスを利用しても料金はかかりません。

保険会社によっては車両保険への加入がロードサービス付帯の条件とされていたり、ロードサービスの利用回数に制限が設けられていたりすることもあります。すべての自動車保険に必ずロードサービスが付帯しているわけではない点や、何度でも無制限に利用できるとは限らない点には注意が必要です。

なお、ロードサービスの対象となるのは自動車保険の契約車両のみです。したがって事故が起きた際に、相手方の車両を自分が加入している自動車保険のロードサービスを利用して運搬することなどはできません。

自動車保険とJAFのロードサービスの違い

ロードサービスは自動車保険のほか、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)でも提供しています。JAFはロードサービス事業に加え、モータースポーツの振興、交通安全などの車に関する社会課題に取り組んでいる団体です。
自動車保険とJAFのロードサービスには、どのような違いがあるのでしょうか。主な違いは下記のとおりです。

■自動車保険とJAFのロードサービスの特徴

自動車保険

JAF

サービスの対象

契約車両のみ

申込者が運転していた車やバイク
(「人」にかかる契約のため、保有している車以外のトラブルにも対応)

利用回数の制限

保険会社によって制限なし・制限ありの場合がある

無制限

費用

保険料に含まれている場合が多い

入会金+年会費:5,500円
(個人会員・1年+自動振替の場合)

※参考:一般社団法人日本自動車連盟「入会メリット・費用について

なお、JAFは会員制のため、会員であれば多くのロードサービスを追加料金なしで利用可能です。また、非会員でも所定の料金を支払うことでロードサービスを利用できます。

自動車保険のロードサービスは契約車両のみが対象となっているのに対して、JAFは会員自身がサービスの対象となるため、マイカーのほかレンタカーや人から借りた車であってもロードサービスを利用できる点が異なります。
また、自動車保険の場合は保険会社によってロードサービスの利用回数に制限が設けられている一方で、JAFのロードサービスには利用回数の制限がありません。

自動車保険のロードサービスの内容

自動車保険のロードサービスの内容

自動車保険のロードサービスでは、具体的にどのようなサービスを受けられるのでしょうか。保険会社によって適用範囲が異なる場合があるため、ここでは一般的なサービスの種類をご紹介します。

トラブル時のレッカー移動

レッカー移動とは、トラブルが起きている車の所在地までレッカー車を出動させ、修理工場などへ運搬してもらえるサービスです。

故障や事故発生時には、車が自走できないなどのトラブルが発生することがあります。保険会社が指定する修理工場への運搬であれば、移動距離を問わずに追加料金なしで対応してもらえることがほとんどですが、利用者側が指定する修理工場へ運搬する場合には、移動可能な距離に制限が設けられていることがあります。無料で運搬してもらえる範囲は保険会社によって異なるため、確認が必要です。

バッテリーのトラブルに対応

ロードサービスの中には、バッテリー上がりなどのトラブルに見舞われた際に、現場まで駆け付けてもらえるサービスもあります。
具体的には、出先でバッテリーが上がってしまったときに、外部のバッテリーから電力を供給して必要な電力を補う「ジャンピング」と呼ばれる処置や、バッテリーの交換などをしてもらえます。保険会社によってはジャンピングの対応回数に制限が設けられている場合もあるため、注意が必要です。

バッテリー上がりは、室内灯やヘッドライトの消し忘れ、半ドアなどで日常的に起こりやすいトラブルのひとつです。ロードサービスの内容を確認する際には、バッテリーに関するトラブルへの対応可否や、対応可能な回数について確認しておくといいでしょう。

鍵の紛失・車内へ鍵を置き忘れたときの解錠

外出先で車の鍵を紛失したり、車内に鍵を残したままドアをロックしたりすると、車のドアを開けることができません。こうしたドアの解錠に関するトラブルが発生した際のドアロック解除についても、ロードサービスで対応してもらえる場合があります。

ただし、工賃自体は無料でも、交換が必要な部品代などは実費負担となるのが一般的です。また、セキュリティ機能を搭載している車の場合、ロードサービスでは対応できないケースもあるため注意してください。ドアロック解錠の対応可否や利用可能な回数も、保険会社によって異なります。

ガス欠時の燃料補給

ガス欠時の燃料補給とは、燃料切れにより出先でエンジンが停止してしまった際に、現地へ駆け付けてガソリンや軽油などの燃料を補給してもらえるサービスです。
対応可否や利用回数の制限は、保険会社によって異なります。多くの保険会社では「保険期間中に1回」といった制限を設けているため、利用条件の確認が必要です。

スタック時の車の引き上げ

スタックとは、雪道などにタイヤが埋まったり、脱輪や落輪したりして車が立ち往生してしまうことです。ロードサービスでは、スタック時に車をワイヤーで引き出す作業を行います。
スタック時の状況に応じて、無料で対応できる範囲が限られている場合があり、特にクレーン車の出動を要するケースや、複数名の作業員を動員するケースでは、追加料金がかかることも少なくありません。

パンク時のスペアタイヤへの交換

ロードサービスの中には、タイヤがパンクしてしまった際に、スペアタイヤに交換してもらえるサービスもあります。運転していた車にスペアタイヤを積んでいれば、無料で対応してもらえるケースが少なくありません。

スペアタイヤを常備していない場合は自走できないため、修理工場までレッカー移動してタイヤを交換する必要があります。こうしたケースでは、前述のレッカー移動と同様のサービス内容になると考えてください。
また、パンクした箇所にゴム栓を詰めるなどの応急修理を行い、車を修理工場へ牽引してくれる場合もあります。

その他のサービス

保険会社によっては、「故障時に代車を無料で貸し出してもらえる」「レッカー移動時の交通費・宿泊費などを負担してもらえる」といったサービスを提供していることもあります。
サービスの内容や適用範囲は保険会社によって異なるため、「車で遠方に出向くことが多い」「近距離での車の利用が多い」など、自身の車の使い方を考慮して、必要か否かの検討が必要です。

なお、「代車貸出」「事故時諸費用の負担」といったサービスを特約として用意している保険会社もあります。付帯する特約によって受けられるサービスに差が生じることも想定されるため、自動車保険に加入する際にはロードサービスに関する特約をチェックしましょう。

自動車保険のロードサービスは等級に影響する?

自動車保険には等級が設定されており、上がると保険料が安くなり、下がると高くなります。事故を起こして自動車保険の保険金が支払われた際に、「事故あり」としてカウントされる条件に該当すると、翌年度の等級が下がる仕組みです。

自動車保険のロードサービスを利用すると、この等級が下がってしまわないか、気になっていた人もいるのではないでしょうか。結論としては、ロードサービスを利用しても等級が下がることはありません。
ただし、車の修理に車両保険を使ったり、破損物の賠償に対物賠償保険を使ったりすると、保険金の支払い事由となるため等級が下がります。

自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の等級とは? 上げ方、割引率、引き継ぎについて解説

自動車保険を選ぶ際にはロードサービスの内容も確認しよう

自動車保険のロードサービスは、事故で車が動かなくなってしまったり、車が故障したりしたときに役立つサービスです。車を運転していれば必要となる可能性は大いにあるため、自動車保険を選ぶ際にロードサービスの内容を重視するドライバーは少なくありません。
ロードサービスで対応可能な状況や対象となる範囲は、保険会社によって異なります。自動車保険に加入する際には、各社のロードサービスの内容を比較・検討しておく必要があるでしょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。ロードサービスの内容や保険料など、さまざまな視点のランキングを確認できますので、保険会社選びの参考にしてください。

自動車保険を比較する

個別or一括見積もり 違いを比較

必要な情報を入力して金額を出す「見積もり」は、契約前に欠かせないものすが、実は個別と一括で大きな違いが。自分に合う形で申し込んでください。

→ パターンで比較!個別見積もりのとり方

→ ユーザーが比較の際に重視した項目

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。