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むち打ち症とは、自動車の衝突や急停車などの衝撃が首(頚部)にかかり、むちがしなるような動きで前後に揺れて、頚部や神経に損傷を与える状態をいう。正式には「頚椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頚部症候群」と呼ばれるのが一般的だ。
むち打ちになれば、首の筋肉の痛みだけでなく、肩こりや頭痛、めまい、ふらつきといった自律神経系の症状となって現れることもあり、精神的・肉体的苦痛は少なくない。そのため、むち打ち症の被害者は、加害側に対して慰謝料を含めた損害賠償請求をすることが可能だ。
たとえば、赤信号で停車中に後方車両から衝突され、むち打ちで治療期間が60日間(実際の通院日数は32日間)に及んだAさんが、加害者の自賠責保険に請求できる慰謝料の額を見てみよう。
まず原則的に自賠責保険で定められている慰謝料の支払い基準は、入院・通院を問わず、日額4200円となっている。この日額に、実際の「入院・通院日数×2」をかけた金額が慰謝料として認定される。もし、「入院・通院日数×2」が治療期間を超えれば、慰謝料として認められるのは治療期間内までとなる。
Aさんの場合、実際の通院日数は32日間。この日数の2倍が慰謝料の算出期間となるが、この場合は64日となり、治療期間60日間を超えてしまう。そのため、Aさんが加害側の自賠責保険に請求できる慰謝料は、60日×4200円=25万2000円となる。慰謝料以外に、実際にかかった治療費や通院費、休業損害などの損害賠償を、支払い限度額の範囲内で請求することも可能なので、覚えておこう。
※事故内容により様々なケースがあるため、必ずしも上記の通りではありません。