自動車保険の長期契約を検証!3年契約は本当にお得なのか
長期契約にすることで保険料の割引を受けられるほか、事故を起こした時の保険料アップ、料率改定による保険料アップを一時的に回避することもできます。そのため、代理店型自動車保険を選ぶ際は、長期契約を検討する人も多いのではないでしょうか。
しかし、長期契約にもデメリットがあるため、知らずに契約してしまうと後悔するかもしれません。ここでは、自動車保険の長期契約のメリットやデメリット、等級や保険料の違いについて解説していきますので、自動車保険選びの参考にしてください。
1日自動車保険について
■自動車保険は1年契約と3年契約、どちらが得か
等級の進み方
保険料
■自動車保険における長期契約の4つのメリット
1.契約期間中は保険料が上がらない
2.事故を起こしても更新時まで等級が変わらない
3.更新手続きの手間が減らせる
4.一括払いで割引が適用される可能性がある
■自動車保険における長期契約の4つのデメリット
1.契約者の条件で保険料が下がる場合適用までに時間がかかる
2.複数回事故を起こすと等級が急激に下がる
3.仲介手数料により保険料が割高になるケースもある
4.インターネットからの申し込みができない
■3年契約の自動車保険を途中解約や契約変更する場合の注意点
途中解約する場合
契約変更する場合
■必ずしも3年契約がお得になるとは限らない。保険料以外のメリットにも着目しよう!
自動車保険の契約期間は1年だけではない!2年契約や3年契約、最長8年契約も
2023年5月時点では、主に東京海上日動火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険などの代理店型損害保険会社で長期契約を取り扱っています。
1日自動車保険について
1日自動車保険は、友人や家族の車を借りて運転する場合に加入できます。保険料は1日あたり500円程度となっているのが一般的で、年齢による保険料の差はありません。また、最長7日間まで継続できるほか、パソコンやスマートフォン、コンビニなどで手軽に申し込めるのも魅力です。
ただし、自分が所有する車を乗る際に加入することはできない点や、補償内容が限定される点には注意してください。ごく短期間だけ自動車保険に加入したい場合は、1日自動車保険を活用しましょう。
自動車保険は1年契約と3年契約、どちらが得か
1年契約 | 3年契約 | |
保険期間 | 1年 | 3年 |
契約手続き | 代理店・ダイレクト(通販型)両方に対応 | 代理店のみ |
補償内容 | 対人・対物賠償、車両保険など | 対人・対物賠償、車両保険など |
等級の進み方【事故なし】 | 翌年に1等級アップする | 3年後に3等級アップする |
等級の進み方【事故あり】 | 翌年から等級がダウンし、事故あり係数が適用される | 保険期間中は等級の変更なし。契約更新時に等級がダウンする |
保険料 | 事故の有無関係なく、1年間変わらない | 事故の有無関係なく、3年間変わらない |
長期契約割引 | なし | 保険会社によってはあり |
ゴールド免許割引 | 1年ごとに適用 | 3年ごとに適用 |
等級の進み方
仮に契約時の等級が「10等級」のケースで、1年契約を行った場合とします。この場合、無事故で1年経過すると次年度は11等級です。反対に、1度3等級ダウン事故を起こすと次年度は7等級になり、その後も事故がなければ2年後は8等級、3年後は9等級となります。
同様に契約時の等級が「10等級」のケースで、3年契約をした場合を見てみましょう。3年契約の場合、保険期間中の保険料は事故があってもなくても変わらないため、1年目は10等級相当の保険料、2年目は11等級相当の保険料、3年目は12等級相当の保険料となります。仮に事故があっても保険料が途中でアップすることはありません。
ただし、満期が訪れると事故があったことが次回の契約に反映されます。例えば1年目に3等級ダウン事故を起こしていた場合は、満期後に9等級となります。
このように事故があった場合は、1年契約でも3年契約でも4年目の等級に変わりません。しかし、3年契約の場合、事故の有無が等級に反映されるのが遅くなり、保険料アップを一定期間回避できます。
ただ、更新間際で事故を起こした場合(例えば契約3年目に3等級ダウン事故を起こしたケース)は、次の更新時にすぐ等級ダウンが反映される点には注意しましょう。
保険料
契約条件 | 保険料 |
1年契約を3回更新した場合 | 1年目:5万2,770円 2年目:5万1,720円 3年目:5万650円 合計:15万5,140円 |
3年契約の場合 | 1年目:5万2,770円 2年目:5万690円 3年目:4万9,640円 合計:15万3,100円 |
自動車保険における長期契約の4つのメリット
・事故を起こしても更新時まで等級が変わらない
・更新手続きの手間が減らせる
・一括払いで割引が適用される可能性がある
1.契約期間中は保険料が上がらない
ただし、保険料が安くなるなど、契約者にとってプラスとなる改定が行われた場合でも、そのメリットを享受できない点には注意してください。
2.事故を起こしても更新時まで等級が変わらない
3.更新手続きの手間が減らせる
ただし、長期契約をした場合も、記名被保険者の年齢や運転者の範囲が変わったなどがあれば必ず手続きをしましょう。完全に放置するのではなく、年に1回程度は補償内容に過不足はないかを見直しておくことをおすすめします。
4.一括払いで割引が適用される可能性がある
自動車保険における長期契約の4つのデメリット
・複数回事故を起こすと等級が急激に下がる
・仲介手数料により保険料が割高になるケースもある
・インターネットからの申し込みができない
1.契約者の条件で保険料が下がる場合適用までに時間がかかる
例えば保険期間中にゴールド免許を取得した場合や、年齢条件を変更できるようになった場合など、保険料が下がる要素がある時でも次の更新まで反映できません。1年契約であれば翌年からすぐに反映でき、割引を受けられるため、損をしたように感じることもあるでしょう。
2.複数回事故を起こすと等級が急激に下がる
例えば3等級ダウン事故を3年続けて起こした場合、1年契約の自動車保険では更新する度に3等級下がります。ところが3年契約の場合、更新時にまとめて9等級下がるため、保険料が大幅に下がることになります。最終的な等級・保険料はどちらも変わらないものの、負担が急激に増えたように感じられるでしょう。
3.仲介手数料により保険料が割高になるケースもある
しかし、これはあくまでも同じ保険会社で比べた場合の話です。そもそも長期契約を取り扱っているのは代理店型の保険会社のみであるため、代理店型の保険会社は人件費・店舗運営費などが保険料に反映されている分、ダイレクト型の保険会社と比べて割高な保険料が設定されている可能性があります。保険料だけを重視するなら、ダイレクト型の保険会社で1年契約をした方が安くなることもあるでしょう。
4.インターネットからの申し込みができない
3年契約の自動車保険を途中解約や契約変更する場合の注意点
途中解約する場合
また、途中解約する場合も乗り換える場合も違約金は発生しませんが、3年契約の2年目や3年目で解約した場合、等級が据え置かれることにより1年目の等級のままになってしまうので注意が必要です。
例えば15等級で3年契約をした場合、2年目や3年目は16等級17等級相当の保険料になりますが、途中で解約すると等級が据え置かれるため「15等級」とみなされます。
契約変更する場合
必ずしも3年契約がお得になるとは限らない。保険料以外のメリットにも着目しよう!
その反面、途中で解約する際の手続きが煩雑になるほか、等級で損をするデメリットがあります。また、代理店型自動車保険のみが取り扱っているため、もともとの保険料が割高な傾向です。
保険料の安さという点から長期契約を選ぶのであれば、ダイレクト型自動車保険の見積もりも取得した上で検討しましょう。ダイレクト型を選択した方が、保険料が安くなるケースがあります。それでも長期自動車保険を選びたいという人は、デメリットもしっかりと理解した上で、契約をするようにしましょう。