自動車保険はなぜ必要?強制保険と任意保険の違いと選び方を解説

自動車保険はなぜ必要?強制保険と任意保険の違いと選び方を解説

自動車を運転する人にとって、自動車保険選びは悩み所のひとつです。自賠責保険にだけ加入すればいいのか、自動車保険にも加入する必要があるのか、迷ったことのある人もいるでしょう。

ここでは、自動車保険の必要性や、強制保険と任意保険の違い、自動車保険の選び方や申込方法について解説します。

自動車保険とは?

自動車保険とは、自動車を運転する人が事故を起こした際、それによって発生する損害を保険金などによって補償する保険です。自動車保険には大きく分けて「自賠責保険」と「自動車保険」の2種類があります。

自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれ、自動車を使用する際に契約が義務付けられている保険です。通常、自動車を購入する際に損害保険会社または共済組合で加入します。

一方、自動車保険は「任意保険」とも呼ばれるとおり、加入するかどうかの判断が運転者の判断に委ねられている保険です。損害保険料率算出機構の調査結果によれば、全国の自動車保険(任意保険)普及率は、2022年3月末時点で約75%となっています。

損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況」

自賠責保険と自動車保険の違い

自賠責保険と自動車保険には、補償内容と種類の違いがあります。自分に必要な保険を選ぶためにも、正しく把握しておきましょう。

自賠責保険の補償内容

自賠責保険は自動車事故の被害者救済を目的とする保険のため、補償されるのは対人事故の場合のみです。自動車事故によって人を死傷させてしまった場合に、一定の金額の範囲内で保険金が支払われます。

自動車事故の被害に遭った相手方の自動車など、物に対する補償はありません。また、事故を起こした本人については、死傷・自動車のいずれも補償されない点が特徴です。自賠責保険は事故に遭った「相手」の「死傷」についてのみ補償される保険と捉えてください。

自動車保険の補償内容

任意の自動車保険は、対人事故・単独事故のいずれの場合も、保険金が支払われます。自動車事故の被害者・加害者のどちらに対しても、死傷・自動車の損害が補償される保険です。なお、補償金額や補償の範囲は加入する保険や特約によって異なります。

前述のとおり、自賠責保険では相手方の自動車や、自動車事故を起こした本人への補償はありません。自動車保険は、自賠責保険では補償が足りない分を補うための保険といえます。
自賠責保険と自動車保険の一般的な補償内容

自動車保険の種類

任意の自動車保険は、補償内容によって主に5種類に分けられます。それぞれの自動車保険の特徴について見ていきましょう。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は、自動車事故によって搭乗者が死亡したり、ケガを負ったりした場合に備えるための保険です。自動車を運転していた本人や同乗者への補償となります。死傷した搭乗者に対して、契約時の条件にもとづき一定の金額の保険金が支払われます。

搭乗者傷害保険について、詳しくはこちらにまとめています

人身傷害保険

人身傷害保険(人身傷害補償保険)は、搭乗者の死亡やケガに備えるための保険という点では搭乗者傷害保険と同じです。ただし、搭乗者傷害保険は契約車に搭乗中の事故に限って補償されるのに対して、人身傷害保険は契約車以外に搭乗していた際に発生した事故も補償の対象となる点が異なります。

人身傷害保険について、詳しくはこちらにまとめています

自損事故保険

自損事故保険は、相手のいない単独事故や相手に過失がない事故などにより、搭乗者が死傷した場合の損害を補償する保険です。例えば、運転時の操作ミスや不注意により電柱に車をぶつけてしまった、縁石に乗り上げてしまったといった事故などが補償の対象となります。

自損事故保険について、詳しくはこちらにまとめています

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険は、自動車事故を起こした際、相手方の賠償資力が不十分な場合に、搭乗者の死傷を補償する保険です。例えば、事故を起こした際、相手が任意保険に加入していなかった、対人賠償を契約していなかったなどで、十分な賠償金が受け取れないといったケースが補償の対象となります。

無保険車傷害保険について、詳しくはこちらにまとめています

車両保険

車両保険は、事故によって自分自身の自動車に生じた損害を補償するための保険です。ほかの自動車と衝突した場合や火災・台風・洪水・高潮、盗難、自損事故、当て逃げなどが補償の対象となります。車両そのものの修理代などを補償するための保険といえます。

車両保険について、詳しくはこちらにまとめています

自動車保険の特約の種類

自動車保険には、保険にプラスしてつけられる「特約」があります。必要に応じて付加できるオプションのような位置付けの契約と考えていいでしょう。
保険会社によって取り扱っている特約はさまざまですが、ここでは主なものをご紹介します。

弁護士費用特約

弁護士費用特約は、自動車事故の被害者が加害者に対して損害賠償を請求する際、弁護士への相談費用や依頼費用を補うための特約です。自動車事故に特化した特約から、自動車事故以外の幅広い用途に活用できるものまで、保険会社によって幅広い補償内容が用意されています。

弁護士費用特約について、詳しくはこちらにまとめています

個人賠償責任特約

個人賠償責任特約は、自分または家族が日常生活で他人にケガをさせてしまった場合などの損害を補償するための特約です。例えば、自転車に乗っていて歩行者に衝突し、相手にケガを負わせてしまったケースなどが該当します。保険会社や特約の種類によって、国内のみが対象の場合と国内外が対象の場合があるため、補償されるエリアを確認しておくことが大切です。

個人賠償責任特約について、詳しくはこちらにまとめています

他車運転危険補償特約(他車運転特約)

他車運転危険補償特約は、レンタカーや代車、友人が所有する自動車など、契約車以外を運転している際に起きた事故の損害を補償するための特約です。この特約を付加することで、自分の車を運転している場合と同様の補償が適用されます。

他車運転危険補償特約について、詳しくはこちらにまとめています

ファミリーバイク特約(原付特約)

ファミリーバイク特約(原付特約)は、原付(原動機付自転車)を運転していて他人にケガを負わせてしまった場合に、自動車事故と同じように損害を補償するための特約です。家族が所有する原付や、他人から借りた原付も補償の対象となります。1件の特約で家族に補償をつけられることが、ファミリーバイク特約という名称の由来です。

ファミリーバイク特約について、詳しくはこちらにまとめています

運転者限定特約

運転者限定特約は、運転者を限定することにより、保険料を抑えられる特約です。保険会社や特約の種類によってさまざまな設定があり、運転する人を「被保険者のみ」「被保険者と配偶者のみ」「被保険者と家族のみ」など、選ぶことができます。特約によっては、運転者の年齢を限定することで保険料の割引が適用されるものもあるため、付加する際には限定される範囲を確認しておくことが大切です。

運転者限定特約について、詳しくはこちらにまとめています

自動車保険の選び方

自動車保険は任意加入のため、加入者自身が必要な保険を選ぶことができます。何を重視するかによって保険の選び方が変わるため、次の3つの観点で自分に合った自動車保険を選ぶことがおすすめです。

補償内容から選ぶ

任意である自動車保険は、自賠責保険では補償が足りない分を補うために加入するものです。ですから、必要な補償が得られるかどうかをまずは十分に検討しておくことがポイントといえます。
その上で最低限の補償で良いのか、万が一の事態に備えて手厚い補償が必要なのか、あるいは自動車事故以外も補償されたほうが良いのか、自分にとって必要な補償の種類や範囲を明確にしておくことが大切です。

保険料から選ぶ

自動車保険に加入している期間中は、当然ながら保険料を支払う必要があります。年間トータルで考えると相応の金額になるため、コストパフォーマンスに優れた自動車保険を選びたいと考えている人も多いはずです。同じ補償内容でも保険会社によって保険料が異なるケースがあるため、複数の保険会社を比較することをおすすめします
ただし、保険料が安ければよいというものではない点に注意してください。あくまでも万が一の事故に備えるための自動車保険ですので、補償内容を十分に吟味した上で加入しましょう。

事故対応・ロードサービス対応から選ぶ

自動車保険を選ぶ際は、事故を起こしてしまった際の対応が充実しているか、事故以外の自動車の不具合などにも対応可能なロードサービスが利用できるかといった点も加味して検討することをおすすめします
例えば、燃料切れやバッテリー上がり、キー閉じ込みといったトラブルが起きた際にも、保険料またはオプション費用の範囲内で対応してもらえるかどうかも検討しておくといいでしょう。また、事故後の示談交渉などをサポートしてもらえる保険を選ぶと、事故に伴う精神的な負担も軽減できます。

自動車保険の申込方法は2種類

自動車保険に加入する際の申込方法は、大きく分けて2通りあります。具体的にどのように申し込めば良いのか見ていきましょう。

ダイレクト型(ネット型・通販型)

ダイレクト型(ネット型・通販型)とは、自動車保険を電話やインターネットで直接申し込む方法です。一般的に、代理店を挟む場合と比べて保険料が割安になる傾向があります。また、電話やウェブサイト経由で申込めるため、手続きが手軽にできる点が大きなメリットです。特に、ウェブサイト経由の申込みは24時間受け付けているケースが多く、自分にとって都合の良いタイミングで加入手続きを進められます。

代理店型

代理店を通して自動車保険の申込み手続きを行う方法もあります。代理店の担当者と補償内容を相談して決められる点が大きなメリットといえます。自分にとって必要な補償内容がわからない場合や、自動車保険を自分の判断だけで選ぶのが不安な場合には、代理店を通すのも一案です。
ただし、代理店を通すことで中間コストなどがかかることから、ダイレクト型と比べると保険料が割高になりやすい点を理解しておく必要があります。

自賠責保険だけでは不十分な補償を任意保険に加入して補おう

自動車保険には加入が義務付けられている強制保険(自賠責保険)と、その不足分を補う任意保険の2種類があります。任意の自動車保険に加入することで、自賠責保険だけでは不十分な補償を補えるため、万が一の事態に備えて加入しておくといいでしょう。
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