自動車保険の解約返戻金とは?計算方法と手続きの流れを解説

自動車保険の解約返戻金とは?計算方法と手続きの流れを解説

自動車保険を解約する際に、保険料がどのくらい戻ってくるか気になる人も多いのではないでしょうか。今回は自動車保険の解約返戻金の仕組みや計算方法のほか、注意点や等級への影響などについて、詳しく解説します。

これから自動車保険の解約を検討している方はぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 自動車保険の解約返戻金とは
    1. 返戻金がもらえる条件
    2. 返戻金が出ないケース(月払い・日割り不可)
    3. 保険期間中でも解約と切り替えが可能
  2. 解約返戻金の計算方法
    1. 一括払い契約の場合
    2. 分割払い契約の場合
  3. 保険期間中で解約した場合の等級について
    1. 解約のみの場合
    2. 他社の自動車保険に切り替えた場合
  4. 解約のタイミングと注意点
    1. 未加入期間は8日以上空けない
    2. 「中断証明書」の発行を覚えておく
    3. 満期でも解約手続きが必要かを確認
  5. 自動車保険の解約手続きの仕方
    1. 電話による解約手続きの流れ
    2. インターネットによる解約手続きの流れ
  6. 解約返戻金に関するよくある質問
    1. Q:途中解約のデメリットはありますか?
    2. Q:返戻金はいつ振り込まれますか?
    3. Q:満期でも解約手続きは必要ですか?
    4. Q:廃車や売却をする場合はどうなりますか?
    5. Q:解約後に新しい保険に入らないとどうなりますか?
    6. Q:返戻金に税金はかかりますか?
  7. 自動車保険の解約は慎重に判断しよう
トータルマネーコンサルタント/新井 智美

監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

自動車保険の解約返戻金とは

自動車保険の解約返戻金とは

自動車保険を途中で解約すると、支払った保険料の一部が返金されるケースがあります。ただし、返金されるのは年払い契約、かつ保険期間が残っている場合のみです。月払い契約では原則として解約返戻金発生しない点に注意しておきましょう。

解約返戻金の金額は、保険会社各社が決めている「短期率(短期料率)」を使って計算します。
仮に年払い5万円の自動車保険を5ヶ月で解約する場合で、該当する短期料率が65%の場合

5万円×(1-65%)=1万7,500円 が戻ってくるというわけです。
ただし、短期料率は保険会社によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

返戻金がもらえる条件

自動車保険の解約返戻金は、以下の条件を全て満たす場合に受け取れます。
契約が年払い(一括払い)である
解約時にまだ保険期間が残っている(満期前の解約)
そして、解約返戻金は加入している保険会社が定める「短期率(短期料率)」に基づいて計算された額です。完全な月割りではないため、解約したタイミングによっては思ったほど返ってこないケースも考えられます。

月払いで契約している場合は、解約返戻金は発生しません。なぜなら保険料は日割りで計算されないからです。

返戻金が出ないケース(月払い・日割り不可)

月払い(分割払い)契約の場合は原則として解約返戻金は発生しません

なぜなら、自動車保険は月単位の契約であり、日割りでの返金を行わないからです。

そのため、月払い(分割払い)契約で解約しようと思うなら、毎月の保険始期期に注意しておく必要があります。

仮に毎月の保険始期日が5日の場合、5日を1日でも過ぎると1ヶ月分の保険料を支払わなければならなくなるからです。月払い(分轄払い)契約の場合は解約のタイミングにも注意しておきましょう。

保険期間中でも解約と切り替えが可能

自動車保険は契約の途中でも解約ができ、解約後は新しい保険会社に切り替えることも可能です。

しかし、自動車保険を解約する場合は、満期を待ってからのほうが手続きをスムーズに行えます。

特に等級の進み具合などを考慮すると、満期日に保険を切り替えたほうがよいケースが多いのが実情です。

満期日に乗り換えると、過去1年間に事故がなければ1等級上がった状態で乗り換えが可能です。

途中解約ではその時点での等級で乗り換えることはできますが、等級の判定日が契約開始から1年後になってしまいます。

切り替えを検討する際は、解約のタイミングを慎重に判断することが重要です。

解約返戻金の計算方法

解約返戻金の計算方法

解約返戻金の計算は、基本的に保険期間の初日から解約日までの経過した期間の保険料を差し引いて、その残額を返還する仕組みになっています。

ただし、計算方法は保険料の支払い方法が「一括払い」か「分割払い」かによって大きく異なります。

一括払いの場合は短期率という係数を用いた計算が行われ、分割払いの場合は解約返戻金が発生しないのが一般的です。

一括払い契約の場合

一括払い契約の解約返戻金は「短期率」または「短期料率」と呼ばれる係数を用いて計算されます。

短期率とは、契約期間中に保険契約を解約する際、返還する保険料を算出するために用いられる係数のことです。

計算式は「年間の保険料×(1−既経過期間に対する短期率)=解約返戻金」となります。

たとえば、年間保険料が6万円で経過期間が5か月の場合、短期率65%を適用すると、60,000円×(1−0.65)=21,000円が解約返戻金として戻ってきます。

ただし、短期率(短期料率)は保険会社によって異なるため、事前に確認することが重要です。

分割払い契約の場合

分割払い(月払い)で保険料を支払っている場合は、原則として解約返戻金は発生しません

これは、自動車保険の保険料が日割り計算を行わないためです。

月払い契約では解約までの保険料を支払えば済みますが、毎月の保険始期日と同様の日を1日でも超えてしまうと、翌月分の保険料も支払わなければなりません。

たとえば、保険始期日が10日の場合、毎月10日までに解約手続きを行わないと、追加で1か月分の保険料が発生します。

そのため、分割払いで解約を検討する際は、解約のタイミングを慎重に判断することが大切です。

保険期間中で解約した場合の等級について

保険期間中で解約した場合の等級について

自動車保険を途中解約する際、これまで積み上げてきた等級は適切な手続きを踏むことで引き継げます。

引き継ぎの対象となるのは「保険会社の切り替え」、「車の買い換え」そして「同居の親族間」で、条件を満たせば同じ等級を引き継げます。

ただし、等級を引き継ぐためには、解約と新契約のタイミングが重要です。

具体的には解約日の翌日から7日以内に新しい自動車保険を契約すると、以前と同じ等級を引き継ぐことができます

解約日の翌日より起算して8日目以降に契約すると、7等級以上の等級は継承できず、原則として6等級からのスタートとなってしまいます。

そのため、他社への乗り換えを検討する際は、これまで積み上げてきた等級を無駄にしないよう解約と新契約のタイミングを慎重に計画することが大切です。

解約のみの場合

車を廃車にする場合や譲渡、海外転勤などで長期間車に乗らなくなる場合は、加入している保険会社に「中断証明書」を発行してもらうことで、10年間は等級を維持できます。

「中断証明書」があれば、再度自動車保険に加入する際に、中断した契約の等級を引き継いで契約を再開できます。

「中断証明書」の発行は無料で行われ、他の保険会社で発行されたものでも利用可能です。

また、中断証明書を発行して忘れていた場合には、解約日の翌日から起算して5年以内に申し出ることで、さかのぼって発行してもらえます。

他社の自動車保険に切り替えた場合

満期日をもって他の保険会社に切り替えれば、そのまま等級を引き継ぐことができます。

満期日での乗り換えは、等級の進行という観点からも最も好ましいタイミングです

なぜなら、保険期間の途中で解約して他社に乗り換えると、新しい契約の保険開始日から1年間同じ等級が引き継がれるため、満期日での乗り換えに比べて等級の進行が遅れてしまうからです。

1年間無事故であれば次年度に等級が1つ上がり割引率も高くなるため、等級アップのメリットを最大限に活用するには満期日に合わせた乗り換えが理想的です。

解約のタイミングと注意点

解約時に気を付けたいこと

自動車保険を解約するにあたっては、注意しなければならない点があります。また、タイミングも必ず考慮しましょう。

主に注意してほしい点は以下の3つです。

解約時の注意点

未加入期間は8日以上空けない

自動車保険を他社に切り替える場合、解約日から次の自動車保険の契約開始日まで8日以上の空白期間が発生すると、等級がリセットされてしまいます

解約日の翌日から7日以内に新しい保険契約を開始すれば等級を引き継ぐことができますが、8日目以降になると7等級以上の等級は原則として引き継げず、6等級からの新規スタートとなってしまいます。

また、空白期間中は無保険状態となるため、万が一事故を起こしても補償を受けることができません。

そのため、他社への乗り換えを検討する際は、現在の保険の解約日と新しい保険の契約開始日を同日に設定し、空白期間を作らないよう細心の注意を払って手続きを進めることが重要です

「中断証明書」の発行を覚えておく

車を廃車にする場合や譲渡する場合、また海外転勤などで長期間車に乗らなくなる場合は、「中断証明書」の発行を忘れずに行いましょう

中断証明書があれば、最長10年間は現在の等級を維持できます。

中断証明書の発行条件は保険会社によって異なりますが、一般的には7等級から20等級の契約で、車の廃車・譲渡・車検切れ・海外渡航などの理由がある場合に発行可能です。

発行には費用がかからず、解約日から5年以内であれば後から申請することも可能です。

将来的に再び車を購入する可能性がある場合は、新規契約の6等級からスタートするよりも、中断証明書を利用して以前の等級を引き継いだ方が保険料を大幅に節約できるため、必ず発行しておくことをおすすめします。

仮に中断証明書を発行して忘れていた場合には、解約日の翌日から起算して5年以内に申し出ることで、さかのぼって発行してもらえます。

満期でも解約手続きが必要かを確認

満期日に合わせて保険会社を切り替える場合も、現在の契約内容を確認し、必要に応じて解約手続きを行う必要があります。

特に「自動継続特約」が付帯されている場合は、満期を迎えても自動的に契約が更新されるため、更新しない旨を事前に保険会社に連絡しなければなりません

解約手続きを怠ると、新しい保険と現在の保険が重複契約となり、片方の契約が無効になるなど、手続きが複雑になる可能性があります。

また、二重契約の状態では無駄な保険料を支払うことになるため、乗り換えを検討する際は、現在の契約が自動継続かどうかを保険証券で確認し、必要であれば保険会社や代理店に直接問い合わせて、適切な手続き方法を確認することが大切です。

一般的に満期のお知らせが満期日の約2ヶ月前に加入している保険会社から届きます。現在の契約内容を確認し、余裕を持った手続きを行いましょう。

自動車保険の解約手続きの仕方

自動車保険の解約手続きの仕方

一般的な自動車保険の解約手続きの仕方には、電話で行う方法とインターネットで行う方法があります。ここでは、それぞれの手続きの流れについて解説します。

電話による解約手続きの流れ

電話による解約手続きの流れは以下のとおりです。
■電話による解約手続きの流れ
1. 契約者本人が保険会社または代理店に電話で解約の意向を連絡
2. 保険会社から解約申込書などの必要書類が郵送される
3. 書類に必要事項を記入し、保険証券と一緒に返送
4. 書類に不備がなければ解約手続き完了

インターネットによる解約手続きの流れ

インターネットによる解約手続きの流れは以下のとおりです。
■インターネットによる解約手続きの流れ
1. 保険会社のWebサイトにログイン
2. マイページから解約手続きを選択
3. 画面の指示に従って必要事項を入力
4. 手続き完了

保険会社や契約状況によってはインターネットでの解約手続きができないケースもあります。その場合は電話による手続きになりますので、事前に確認しておきましょう。

解約返戻金に関するよくある質問

解約返戻金に関するよくある質問

ここでは、解約返戻金に関するよくある質問について個別に解説します。よくある質問については、以下のとおりです。

よくある質問

Q:途中解約のデメリットはありますか?

A:途中解約をすると、満期まで契約した場合に比べて等級の進行が遅れる可能性があります。また、年払い契約に基づく返戻金は未経過期間の全額が戻るわけではなく、短期率に基づいて一部のみ返金される点にも注意が必要です。

Q:返戻金はいつ振り込まれますか?

A:多くの保険会社では、解約手続きが完了してから10日〜3週間ほどで指定口座に振り込まれます。書類の不備や保険会社の処理状況によって遅れる場合もあるため、2週間を過ぎても入金がない場合は保険会社に確認しましょう。

Q:満期でも解約手続きは必要ですか?

A:現在の契約に「自動継続特約」が付いている場合は、満期を迎えても自動更新されるため、解約手続きが必要です。更新を希望しない場合は、満期日より前に保険会社や代理店へ「解約の意思」を伝えておきましょう。

Q:廃車や売却をする場合はどうなりますか?

A:車を廃車・売却した場合は、自動的に保険が終了するわけではありません。車の引き渡しや抹消登録が完了した時点で、保険会社へ解約の連絡を行う必要があります。また、一括払いの場合は返戻金が発生するケースもあります。

Q:解約後に新しい保険に入らないとどうなりますか?

A:解約日から次の契約開始日まで8日以上空くと、等級がリセットされて6等級からのスタートになります。また、その期間中に事故を起こしても無保険状態となり補償を受けられないため、空白期間を作らないよう注意しましょう。

Q:返戻金に税金はかかりますか?

A:自動車保険の返戻金は、支払済み保険料の一部が返還される性質のため、原則として非課税です。ただし、特殊な契約などで支払額を上回る返戻金が発生した場合は、一時所得として課税される可能性があります。

自動車保険の解約は慎重に判断しよう

自動車保険の解約返戻金は、一括払いの場合に短期率による計算で返還されますが、未経過期間の全額が戻るわけではありません。

解約時には等級の引き継ぎや空白期間に注意し、必要に応じて中断証明書を発行することが重要です。

また、解約手続きは契約者本人が行う必要があり、車の処分タイミングに合わせた計画的な手続きが求められます。

解約を検討する際は、デメリットを十分に理解した上で、満期での乗り換えも含めて慎重に判断しましょう。
トータルマネーコンサルタント/新井 智美

監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員

公式サイト:https://marron-financial.com/

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