【自動車保険】個人から法人、親から子へ。契約者変更におけるメリットとは?
契約者変更には、保険料の負担軽減などのメリットがあります。例えば子どもの保険料を親が負担するケースや、事業主が営業用に使用している車の保険契約者名義を法人に変更し、保険料を法人の損金として計上するようなケースです。
ここでは、自動車保険の契約者を変更するための基礎知識と、変更することで期待できるメリットを紹介します。
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契約者と記名被保険者について
記名被保険者賠償責任保険などの補償を受ける中心となる人。生命保険の「被保険者」のように補償の対象となる人。契約の車を主に使用する人。使用する正当な権利を有する人。
自動車保険における個人向け・法人向けの違い
法人向けの自動車保険とは
なお、一般的に法人向けの自動車保険料は、必要経費として損金への算入が認められるケースが多くなっています。
個人契約と法人契約の違い
・ 保険料
・ 特約の補償内容
・ 加入対象となる自動車の種類
法人所有の自動車は多くの従業員が運転する可能性があることや、走行距離が長くなりやすいことなどから、個人向けの自動車保険と比べてリスクが高い分、保険料も高めに設定されていることが多いようです。
また、個人向け自動車保険では加入できないような特約を付加できるのも法人向け自動車保険の特徴です。例えば「積載貨物賠償特約」のような、事故により運送中の荷物を破損してしまった場合の補償に加入することもできます。
さらに、個人向け自動車保険に加入できるのは基本的に「自家用8車種」のみですが、法人向け自動車保険ではそれ以外のタクシーやトラックなど「業務専用車」も加入対象となっています。
フリート契約とは
これら2つの契約には、以下のような違いがあります。
フリート契約 | ノンフリート契約 | |
割増引率の適用単位 | 契約者単位 | 自動車1台単位 |
割増引率の決定方法 | 契約台数・保険料・支払われた保険金・前年度のフリート割引率など基に決定 | 前契約の契約期間・ノンフリート等級別料率・事故件数および事故内容などを基に決定 |
保険証券 | 1枚 | 台数分 |
つまり、フリート契約では契約者単位で割引率が決定されるため、例えば10台のうち1台が事故を起こして補償を受けていたとしても、契約全体としては割引を受けられる可能性があるのです。ただし、損害額が大きい場合は、全ての自動車に高い保険料が適用されてしまうリスクがある点には注意してください。
また、ノンフリート契約では自動車1台ごとに契約をするため、多くの場合、保険の開始日・満期日にはばらつきが出ます。一方、フリート契約では、全ての自動車に同じ保険開始日・満期日が適用されます。保険証券が一枚で済むため、多くの車両を所有している場合は管理が楽に感じられるでしょう。
ノンフリート契約の等級制度について、詳しくはこちらにまとめています。
【ケース別】契約者変更におけるメリット
(1)個人から個人へ(親→子、妻→夫など)
(2)個人から法人へ
(3)法人から個人へ
(1)個人から個人に契約者を変更する場合
これに対し契約者変更は、あくまで保険料を支払う人が変わるだけであるため、等級を引き継ぐ場合のような経済的なメリットはありません。しかし、親が独立した子どもを経済支援してあげたいなどの理由で、子どもの保険料を負担する場合などは、変更する意味があるでしょう。
また、夫婦が離婚する際は、自家用車も財産分与の対象となります。夫と妻の間でマイカーを分与するのであれば、自動車保険の契約者または被保険者も実情に合わせて変更しておくことで、後々の保険料負担を巡るトラブル回避に役立ちます。
等級の引き継ぎ方と注意点について、詳しくはこちらにまとめています
(2)個人から法人に契約者を変更する場合
この場合、記名被保険者の変更がないもの(代表者が記名被保険者を続ける)とすると、原則的には保険会社や保険契約そのものを、個人から法人へ引き継ぐことが可能です。もちろん、個人から法人へ等級を引き継ぐことも可能です。
先述したように、自動車保険は個人向けと法人向けの補償内容に大きな違いがあるため、補償を手厚くしたい場合は、個人から法人向けの自動車保険に変更して加入するメリットがあるでしょう。
また、冒頭でご紹介したように、法人契約の自動車保険料は損金処理できることから、事業主の個人負担を減らせるほか、法人の節税にもつながります。
(3)法人から個人に契約者を変更する場合
したがって、法人を解散した事業主が、個人事業主として事業を継続する場合に等級を引き継ぐことができますが、個人で事業を継続しないのであれば、新規に加入しなければなりません。
自動車保険の法人契約と個人契約の違いを理解するのが大切
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