個人向けテレマティクス保険、4社6商品の違いを徹底比較

テレマティクス保険は、年々注目が高まっている新しい仕組みの自動車保険です。運転データを車載端末から取得してスコア化し、安全運転であるほど保険料が安くなるなどの特徴があります。実は、国内でも選択肢が増えつつあるテレマティクス保険。ここでは、4社6商品について、保険料の仕組みや独自のサービスを比較します。

テレマティクス保険とは?

そもそもテレマティクス保険とは、どんな特徴を持った自動車保険なのでしょうか?  まずはテレマティクス保険の基本と国内の状況について紹介します。

実際の運転データと連携、”安全運転をサポートする”自動車保険

テレマティクス保険は、実際の走行距離データや運転特性(アクセルの踏み出しやブレーキのかけ方など)に関するデータが大きく関わってくる保険です。ドライバーが運転データを保険会社に提供し、保険会社がそのデータを取得・分析することで保険料の割引などの特典が付与されたりするといったメリットがあります。

保険料に関する特典以外にも、運転データと連携した「安全運転をサポートするサービス」を各商品提供しています。

安全運転を心掛ける機会が大幅に増えるため、社会全体として見た場合に事故率が低減する可能性が高まることも期待されています。

国内でもテレマティクス保険の選択の幅が広がっている

ドライバーの運転データを活用するテレマティクス保険としては、2015年にソニー損保が提供を開始した「やさしい運転キャッシュバック型」です。小型計測器で計測した加速・減速の発生状況データを基に保険料に反映させるキャッシュバック型保険として注目を集めました。

現在、国内でのテレマティクス保険の加入状況は、自動車保険全体の5.3%(2021年)となっています(矢野経済研究所調べ)。スマートフォンによるアプリ連携やドライブレコーダー、手軽な専用車載デバイスの普及といった影響を受け、各自動車保険会社が多様なサービスを提供できるようになりました。

例えば運転診断レポートで安全運転への意識を高めたり、安全運転をすることでポイントをためて特典がもらえたりするといったサービス展開もあり、今後ますます市場が拡大していくことが期待されています。

4社6商品を比較、選ぶポイントは?

2022年9月現在、個人向けにテレマティクス保険を提供している自動車保険会社には、「あいおいニッセイ同和損害保険」「イーデザイン損害保険」「ソニー損害保険」「損保ジャパン」の4社があります。

運転データの保険料への反映の仕組みや提供サービスは各社異なるので、比較して自分に合った自動車保険を選びたいところです。では、実際にテレマティクス保険が気になり始めたら、どういった点を見ていけばよいのでしょうか。ここでテレマティクス保険を比較・検討するにあたり、押さえておきたいポイントを紹介していきます。
>> テレマティクス保険(国内個人向け)各社比較表をすぐに見る人はこちら

ポイント1 運転スコアによる特典反映(保険料割引・キャッシュバック、ポイント付与)

テレマティクス保険は、実際の走行距離データに応じて保険料を算出するPAYD型(PAY AS YOU DRIVE)と、運転特性データに応じて保険料を算出するPHYD型(PAY HOW YOU DRIVE)に大別できます。

保険料割引型では、これらのデータに基づいて保険料が算出され、契約する保険によって翌月の保険料が割り引かれるもの、翌年の保険料が割り引かれるもの、払った保険料からキャッシュバックされるものなどがあります。

ポイント付与型の場合、保険料の割引は行われませんが、安全運転スコアや保険会社が設定している取り組みに応じて”ポイント”を獲得できます。たまったポイントはプレゼント特典などと交換することが可能です。

特に運転特性にPHYD型では、急発進や事故回避のための急ブレーキや急ハンドルといったデータに基づいて安全運転スコアが算出され、保険料割引、キャッシュバック、ポイント付与に反映されるので、常日頃から安全運転を意識する人が増えるでしょう。

なお、「イーデザイン損害保険」はポイント制度を、「ソニー損害保険」はキャッシュバック制度を、「損保ジャパン」は保険料割引制度を採用しています。また、「あいおいニッセイ同和損害保険」ではタイプ別に3つの保険を提供しており、いずれも保険料割引とポイント制度が採用されています。

保険料割引やキャッシュバックなど直接的に反映するタイプがいいのか、保険料に直接的には影響しないが安全運転に特典が付与されるポイント型がいいのかが選ぶ際のポイントになってくるでしょう。

ポイント2 テレマティクス技術を活用したサービス・機能

テレマティクス保険では、専用のスマートフォンアプリとの連携で幅広いサービスを受けることができるものが多いです。

例えば、日頃の運転において収集されたデータを基に運転傾向を分析し、その結果をレポートとして確認できます。ドライバーの特性に合わせてどのような運転を心掛ければ安全運転スコアが向上するかを知ることができるので、安全運転技術の向上にも期待を持てます。

また、万が一事故を起こしてしまったとき、混乱してしまう場面も想定されるでしょう。テレマティクス保険では、緊急時に心強いサポートの提供も充実しているものが多いです。

例えば、車載センサーが衝撃を検知し、専用アプリからワンタップで保険会社のオペレーターとつながったり、修理希望までサジェストしてくれたりと、迅速な対応をサポートしてくれる保険商品もあります。なかには、スマホアプリを介さずに専用のドラレコを通じてコールセンターに自動通報してくれるものも。

このほか、自動車保険会社によっては、事故時に初期対応状況を事前登録した家族へ自動通知サービスを提供するなど、テレマティクス技術を活用したサービスは各社さまざまです。自分に合ったサービス内容を提供する保険商品を見つけるのもポイントになってくるでしょう。

提供サービスの例
●運転傾向を分析したレポート作成
●衝撃検知による自動通報、ワンタップ通報
●事故時の初期対応サポート
●家族への事故時の自動通知サービス

ポイント3 従来型保険に「特約」として付けるタイプも

テレマティクス保険は従来型の保険を解約して契約し直さなければならないのかというと、そうでもありません。保険によっては従来の自動車保険に該当する「特約」という形で付帯させることができるものもあります。

例えば「損保ジャパン」の「つながるドラレコ Driving!(旧称:DRIVING!)」の場合は、特約として付帯されるサービスとなっています。

独自路線で選ぶテレマティクス保険

テレマティクス保険は、これからの自動車保険として注目されています。対象となるコネクテッドカー専用の自動車保険や、特典こそ付かないものの従来型保険の特約として付帯できるものが登場するなど、テレマティクス保険は多角化の一途をたどっています。

“事故のない社会”に貢献する 新しいコンセプトの自動車保険

テレマティクス保険は、運転データを提供することで自身の保険料割引やポイント特典を受けることを目的として加入するというケースも多いでしょう。個人が安全運転を心掛けることで事故は少なくなりますが、それでも完全に無くすとなると難しいでしょう。

イーデザイン損害保険が提供する「&e」では、“事故のない社会”の実現のために運転データを活用したプロジェクト「SAFE DRIVE WITH」が展開されています。

収集したデータから事故が起きやすいエリアを分析するなどの、事故予防に活用する取り組みが行われており、同社のテレマティクス保険は社会貢献性が高いものとなっています。

このほかにも、「&e」ではウェアラブル端末との連携による心拍・睡眠などの計測データや、気圧・天候データとの組み合わせで運転に影響が出るような体調の変化を知らせるなど、健康面からも事故を予防する取り組みが行われています。

コネクテッドカー対応 自動車メーカー提供のテレマティクス保険

自動車メーカー各社は、コネクテッドカーを対象とするテレマティクス保険を、保険会社と協同で続々と展開し始めています。

トヨタの場合は、あいおいニッセイ同和損保との協同で「トヨタコネクティッドカー保険」(取り扱い開始当時の名称は、「運転挙動反映型テレマティクス自動車保険」)を2018年より提供していましたが、2021年10月より新たに東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパンで取り扱いを開始しました。

ホンダの場合は、Hondaコネクト保険を損保ジャパン・東京海上日動・三井住友海上と協同で、日産においては損保ジャパン・東京海上日動との協同の「日産カーライフ保険プラン」におけるテレマティクス保険を、それぞれ2022年秋から提供開始します。

いずれも、車載通信機から走行距離や運転特性を把握することで運転データをスコア化し、そのスコアに応じて保険料の割引が適用されるといったメリットがあります。

従来型保険の“特約”で、テレマティクス技術活用サービスを体感

テレマティクス保険を契約する場合、必ずしも現在契約しているいわゆる従来型自動車保険からの乗り換えである必要はありません。運転データを利用した保険料などの特典こそないものの、ドライブレコーダーと連携した事故対応サービスや安全運転サポートを提供する「特約」という形で従来型自動車保険に付帯させることのできるサービスもあります。

東京海上日動火災保険の「ドライブエージェントパーソナル」や日新火災海上保険の「ドライビングサポート24プラス」、三井住友海上火災保険の「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」などが該当し、事故発生時に自動で保険会社のオペレーターと通信したり、事故映像を自動で送信したりすることで、事故対応をスムーズに行うことが可能となります。

事故への対応だけでなく、ドライブレコーダーを活用して、車線の片寄り警告や車両接近警告といった事故を未然に防ぐための安全運転サポート機能が提供されています。

各社のテレマティクス保険を比較

保険会社名 あいおいニッセイ同和損害保険 あいおいニッセイ同和損害保険 あいおいニッセイ同和損害保険 イーデザイン損害保険 ソニー損害保険 損保ジャパン
商品名 タフ・つながる車の保険(※) タフ・見守る車の保険プラス
(ドラレコ型)
タフ・見守る車の保険プラスS &e(アンディー) 安全運転でキャッシュバックプラン
(旧:GOOD DRIVE)
つながるドラレコ Driving!(※)
(旧:DRIVING!)
保険料割引・特典 保険料割引、ポイント制度 保険料割引、ポイント制度 保険料割引、ポイント制度 ポイント制度 保険料キャッシュバック 保険料割引
・走行距離と運転特性に応じた保険料。
・安全運転スコアにより、【運転分保険料】が最大80%割引(運転特性毎月割引)。さらに契約2年目以降の加入者は、前年の運転スコアにより【基本保険料】が最大5%割引(運転特性割引)。
・安全運転の取り組みでたまるポイント制度「ADテレマイレージ」
・契約2年目以降の加入者は、前年の運転スコアにより最大8%割引(運転特性割引)。
・安全運転の取り組みでたまるポイント制度「ADテレマイレージ」
・契約2年目以降の加入者は、前年の運転スコアにより最大8%割引(運転特性割引)。
・安全運転の取り組みでたまるポイント制度「ADテレマイレージ」
安全運転の取り組みでたまるポイント制度「ハート」 安全運転スコアに基づいて、保険料のうち、リスクに応じた部分について最大30%のキャッシュバック 過去1年分の走行情報を基に翌年度に割引適用。適用される場合は5%
デバイス 専用スマホアプリ 専用ドラレコ
専用スマホアプリ
専用の通信車載機
専用スマホアプリ
専用IoTセンサー
専用スマホアプリ
専用デバイス
専用スマホアプリ
専用ドラレコ
専用スマホアプリ
主な提供サービス【事故対応】
衝撃検知による
コールセンターへの自動通報

検知した衝撃の大きさにより、自動または手動通報

検知した衝撃の大きさにより、ドラレコを通じて自動または手動通報

検知した衝撃の大きさにより、車載器、またはスマホを通じて自動または手動通報

衝撃検知の際に、スマホから1タップで事故連絡

専用デバイス付属の緊急ボタンをプッシュ

検知した衝撃の大きさにより、ドラレコを通じて自動または手動通報
事故情報のAI分析
コネクテッドカーから得られる走行データなどを活用しデータ分析

ドラレコ映像のAI分析
×
センサーの情報、GPSから事故状況再現動画を作成
× ×
事故時に登録家族への
情報メール自動送信
× × ×
主な提供サービス【安全運転サポート】
運転レポート作成
危険運転検知アラート × × ×
安全運転の取り組み
によるポイント付与

特典を獲得できるポイント「ADテレマイレージ」

特典を獲得できるポイント「ADテレマイレージ」

特典を獲得できるポイント「ADテレマイレージ」

特典を獲得できるポイント「ハート」
× ×
その他 安全運転を支援する脳トレをスマホで提供 安全運転を支援する脳トレをスマホで提供 安全運転を支援する脳トレをスマホで提供 ・専用アプリに安全運転テーマを定期配信
・蓄積した加入者の運転データの分析を”事故のない社会”を目指す「SAFE DRIVE WITH」プロジェクトに活用
  ドラレコとスマホの連携による、駐車位置の把握機能
備考 (※)契約する車が、同社指定の車載通信機が装備されたコネクテッドカーであり、運転特性情報などが自動で送信できる状態にあるなどの条件を満たした車種が対象         (※)「ドライブレコーダーによる事故発生時の通知等に関する特約」を適用する加入者が対象となる。

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※各社公式サイトに掲載される情報を基づいて作成されています。情報は、2022年8月31日時点のものになります。商品・サービスを検討される際には、必ず公式サイトをご確認ください。

まとめ

テレマティクス技術を活用するサービスによって「事故が起きた場合の補償・サポート」に加え、「事故を起こさないための運転サポート」を提供するテレマティクス保険。そのため、従来型の自動車保険では、特約や選択できる補償内容と、保険料が比較の中心でしたが、テレマティクス保険では提供されるサービス内容や、安全運転による保険料の仕組みなどサービス内容は各社で特徴が異なります。

興味を持った人はぜひ、各社の保険内容を比較して、自分のカーライフにあった自動車保険を検討してみましょう。
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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

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