自動車保険の加入率の現実
自動車保険には、強制的に加入をしなければならない強制保険と、保険自体への加入が任意の任意保険の二種類の保険があります。
本来、自分の身を守ってくれるはずの自動車保険ですが、事故の加害者が任意保険に加入していなかった場合には、被害者が十分な補償を受けられないという理不尽なケースもあります。自分は事故を起こさないから、保険料が払えないから、と保険に入っていない方も少数ですが存在するのが実際のところです。
ここでは、そんな任意保険の加入率と加入の必要性について解説していきます。
任意保険の加入率、都道府県によって大きな違いが
任意保険の加入者の推移を見てみると、対人・対物補償のある任意保険の加入率は2012年では78.3%、2015年で79.0%となっています。約7年間で任意保険の加入率は微増してはいるものの、未だに20%近くの方が任意保険に未加入の状態で自動車を運転しているということになります。
また、任意保険の加入率は都道府県によっても大きな差があります。2015年度の任意保険の加入率の上位3県は、1位が大阪で88.2%、2位が名古屋で85.3%、3位が84.8%で神奈川と東京などとなっています。やはり大都市圏の都道府県ほど任意保険の加入率は高くなっています。
それでは、任意保険の加入率のワースト1位はどこかというと、加入率がわずか56.5%の沖縄県となっています。沖縄県で事故に合ってしまうと、加害者から任意保険による十分な補償を受けられない可能性があります。
これから任意保険に加入しようか考えている方へ
法律で加入が義務付けられている強制保険では、自分が加害者になってしまった事故の相手に対する対人補償の最高3,000万円までの補償しか受けることができません。万一の事故の際に、強制保険ではカバーしきれない補償を補てんするのが任意保険に加入する目的となっています。
自動車事故を起こしてしまった際には、事故の当事者同士はもちろんのこと、自動車に同乗していた家族や友人、そして恋人にも損害を与えてしまう可能性があります。任意保険では、搭乗者傷害保険を付帯しておくことで、万一の事故の際の同乗者の補償もカバーすることができます。
任意保険の中でもとりわけ加入率が低いのが車両保険です。事故で車が損傷してしまった際に修理代などを補償してもらえる車両保険は、とくにローンで購入した新車などには付けておきたい補償です。
任意保険に加入しておくことで初めて、事故の被害者、加害者のどちらの立場になった時にも十分な補償を受けることができるのです。
任意保険に未加入で自動車を運転していた際に考えられる最悪の結末
任意保険に未加入の場合では、事故を起こしてしまった際に補償をうけることができるのは、強制保険で補償される対人補償の最高3,000万円までです。
最高3,000万円と言う補償金額を聞くと、十分な補償のように錯覚してしまうかも知れませんが、相手が死亡してしまった場合の補償金額としては全く足りません。ですので、任意保険に未加入の場合に相手を死亡させてしまった場合には、数千万円の補償を自分自身で支払うことになるのです。また、自動車同士の事故の場合の軽微な事故の場合も、相手の車の修理代金は自賠責保険では補償されませんので、自分自身で支払う必要があります。
任意保険に未加入で自動車を運転することは、万一の事故の際に莫大な損害賠償を支払うことになるリスクを抱えていることになるのです。
任意保険では、強制保険の最低限の補償をカバーするとともに、自分の車や同乗者を守る補償を付帯することもできます。必要な補償を取捨選択することで、毎月、毎年の保険料を上手に節約することも決して不可能ではありません。