自動車保険の「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害保険」はどう違う?
搭乗者傷害保険の場合…保険金は定額払い
比較的簡単に保険金の支払いが行われるが、すべてのケースで払われるわけではない。搭乗者傷害保険の補償範囲は、「正規の乗車用構造装置のある場所に搭乗中の者」。飲酒運転や無免許運転、暴走行為、車から身を乗り出すといった違法な乗り方をしていた場合などは、保険金は支払われない。
人身傷害補償保険の場合…保険金は実損払い
過失割合に関係なく補償される“完全補償型”の保険という点も大きな特徴だ。通常、事故の過失が自分50%:相手50%のケースで怪我をした場合、相手から支払われる治療費は50%分のみで、残りは自己負担となる。この自己負担分まで補償して、契約者の負担を軽減させる自動車保険が、人身傷害補償保険である。
両方の保険に加入するメリットとは?
パターンA
人身傷害補償+搭乗者傷害
パターンB
人身傷害補償のみ
パターンC
搭乗者傷害のみ
コスト面ではC<B<Aとなる。パターンAは保険料が最も高くなるが、死亡時だけでなく様々な状況において人身傷害保険と搭乗者傷害保険の両方から保険金を受け取れるというメリットがある。例えばケガをした場合、人身傷害補償保険からは実損分の保険金を、搭乗者傷害保険からは定額の保険金が受け取れる。
コストと補償のバランスを考え、どちらか一方だけに加入するというのも選択肢のひとつといえるだろう。いずれを選ぶかは契約者次第だが、万全の補償を得るのであれば、やはり両方に加入しておくのが間違いないだろう。