自動車保険の重複とは?主なケースと対処法について解説
本記事では、自動車保険の重複に関する基礎知識や、重複が起こりやすいケース、重複がわかったときの対処法について解説します。
目次
自動車保険の重複は、損害に対する補償が重なっている状態
自動車保険自体は1台につき1契約と決まっているため、重複することは基本的にはありません。
自動車保険で重複が起きてしまう可能性があるのは、人身傷害や個人賠償、弁護士費用などに関する特約です。これらの特約は、契約範囲が記名被保険者だけでなく家族に及ぶ場合が少なくありません。例えば、夫婦と子ども1人という家庭で、夫と妻の両方が「自分と家族の個人賠償特約」に加入していると、補償が重複してしまいます。
損害に対する補償額は、あくまでも損害額が上限です。自動車保険が重複していたとしても、倍の保険金が受け取れるわけではありません。反対に、保険料が無駄になってしまうため注意が必要です。
自分や家族が加入している自動車保険の種類と具体的な補償内容、補償範囲を理解しておきましょう。
自動車保険が重複する可能性がある主なケース
また、現状重複がなかったとしても、今後自動車保険を乗り換えたり、新規契約したりする際は注意が必要です。
長期契約をしている
このような自動車保険では、契約内容の確認や更新手続きなどの頻度が低くなることから、加入していることを忘れてしまったり、補償内容を覚えられなくなってしまったりするかもしれません。
例えば「12月31日で満期になるから、更新せずに別の自動車保険に切り替えよう」と考えた場合、その自動車保険が長期契約だとすると、実際の満期は1年後だったというケースが起こりえます。
このことを認識しないまま新たな自動車保険に契約すると、古い契約は継続しているため、重複になってしまう可能性があります。
家族で自動車を2台以上所有している
自動車を2台以上所有していれば、多くの場合、台数分の自動車保険を契約することになります。補償の重複を防ぐためには、それぞれの契約内容を再確認して、特約を含む補償内容が重複していないかをチェックすることが大切です。
中には、別居している独身の子どもなども補償範囲に含まれる特約もあります。同居家族だけでなく、別居家族の加入している自動車保険と補償内容についてもチェックしておくことをおすすめします。
なお、家族で2台以上の車を持っている場合、2台目以降の車の自動車保険を1台目の保険会社と一緒にする必要はありません。2台目も同じ保険会社で契約すると割引になるケースがありますが、別の保険会社の保険料が安価であれば、割引を利用するよりも得になる可能性があります。
2台目以降の車につけたい自動車保険の補償内容を把握した上で、複数の保険会社で比較検討することをおすすめします。
自動車保険が重複した場合、先に契約したほうが有効になる
ただし、保険会社がすべての契約を漏れなく確認できるとは限りません。何らかの理由によって重複が見逃され、二重に契約してしまう可能性もあります。そのような場合は、最初に契約した自動車保険が有効になり、後から契約した自動車保険は無効になります。
なお、後で契約した自動車保険ですでに保険料を支払った場合は、重複がわかった後で解約したとしても、保険期間が経過した分の保険料は返金されません。
未経過分の保険料や解約返戻金は支払われますが、計算方法は保険会社によって異なります。
自動車保険の重複がわかったときの対処法
後で契約した自動車保険を解約する
先に契約した自動車保険を解約し、後で契約した自動車保険を残すことはできません。自動車保険の等級は、重複契約をしてしまうと先の契約のほうが有効となり、後の契約の等級は無効となるため、後で契約した自動車保険は継続ができないのです。
なお、先に契約した自動車保険を解約した後であれば、等級を引き継いで新しい自動車保険に契約することができます。
家族も補償の対象となる契約は1つに絞る
ただし、特約を外す際は、対象範囲をよく確認しておく必要があります。補償が不足する事態にならないよう、注意しましょう。
自動車保険の重複がわかったら、すみやかに解消しよう
万一、補償が重複していたときは、すみやかに保険会社に連絡し、重複を解消してください。不要な重複をなくすことは、保険料の節約にもつながります。
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