自動車のエンジンがかからない原因は?対処法やトラブルへの備えを解説
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このような状況では、原因の素早い特定と適切な対処が重要です。
しかし、エンジンがかからない原因にはさまざまな要因があり、状況に応じた対応が求められます。
本記事ではエンジンがかからなくなるおもな原因から、具体的な対処法、そしてトラブルを未然に防ぐための予防策まで解説します。
電気系統の問題やセルモーターの故障といった専門的なトラブルについてもわかりやすく説明し、万が一の際に役立つ保険やロードサービスの利用方法もご紹介します。
目次
エンジンがかからないときの原因
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実は、エンジンが始動しない原因の多くは、運転者自身で対処できるケースが少なくありません。
エンジンが始動しない場合は、慌てて何度もエンジンをかけ直すのではなく、落ち着いて状況を確認することが大切です。
エンジンが始動しないおもな原因は以下のとおりです。
車のエンジンがかからない主な原因
燃料が切れている
ガソリンや軽油などの燃料がタンクに十分残っていない状況では、セルモーターを回してもエンジンは始動しません。
燃料が少ない状態で傾斜のある場所に駐車すると、タンク内の燃料が偏ってしまい、正常に供給されずエンジンが始動できないケースもあります。
燃料残量警告灯が点灯している場合、タンク内には5〜10リットルほどしか残っていない危険な状態です。
この状態でエンジンを停止すると、次回の始動が困難になる可能性があるため、警告灯が点灯したら早めの給油を心がけましょう。
バッテリーが上がっている
エンジンを動かすには電気が必要で、ライトやパワーウインドウ、カーステレオなど、さまざまな機能にバッテリーの電力が使用されています。
これらの使用量がバッテリーの蓄積量を上回ると、バッテリー上がりの状態となります。
症状としては、ブレーキが固くなる、エンジン始動時に音がまったく鳴らないといった特徴があらわれます。
この場合、ブースターケーブルを使用して他の車から電力を分けてもらうか、ジャンプスターターで一時的に充電することで対処できます。
バッテリーが劣化している
使用期間が長くなるとバッテリーの性能は徐々に低下し、十分な電力を蓄えられなくなるため注意が必要です。
特に、寒冷地や気温の低い時期は、バッテリーの性能がさらに低下しやすく、エンジンの始動に支障をきたす可能性が高まります。
頻繁にバッテリー上がりが発生する場合は、バッテリーの寿命が近づいているサインかもしれません。
早めの交換を検討し、突然のエンジン始動トラブルを防ぎましょう。
スマートキーの電池が切れている
電池が切れると車両がキーを認識できず、エンジンがかかりません。
ただし、多くの車種では電池が切れた状態でもエンジンを始動させる方法が用意されています。
スマートキーに内蔵されている物理的なキーでドアを解錠し、スマートキーをエンジンスタートスイッチに近づけることで始動が可能です。
使用頻度により異なりますが、電池の寿命は1〜2年程度のため、定期的な交換を心がけましょう。
ハンドルロックがかかっている
気付かぬうちに自分でハンドルを操作してロックをかけてしまうことがありますが、ハンドルを左右どちらかに軽く操作しながらエンジンを始動すれば解除できます。
キーシリンダー車の場合、無理にキーを回すとキーが折れてしまう可能性があるので、力の入れすぎには注意が必要です。
プッシュスタート車であれば、スマートキーを携帯した状態でハンドルを動かしながらエンジンスイッチを押すと始動できます。
シフトレバーの位置が間違っている
エンジンをかけるには、駆動力が伝達されないP(パーキング)もしくはN(ニュートラル)の位置に入れる必要があります。
前回の停車時にD(ドライブ)やR(リバース)のまま停めてしまうと、次回のエンジン始動ができません。
シフトレバーの位置を確認し、必ずPポジションに入れてからエンジンを始動するようにしましょう。
ブレーキペダルを踏んでいない
ペダルの踏み込みが浅いと、エンジンが始動しない場合があります。
マニュアル車でも、2000年以降に製造された車種の多くは、クラッチペダルを床まで踏み込まないとエンジンが始動しないようになっています。
エンジン始動時は、必要なペダルを確実に踏み込むことを心がけましょう。
セルモーターが故障している
セルモーターが故障すると、エンジンが始動しません。始動時に「ガガガ」という異音が発生する場合や、バッテリーが正常であってもエンジンが回らない場合は、セルモーターの故障が疑われます。
基本的にセルモーターは故障しにくい部品ですが、一度故障すると現場での対処は難しく、整備士による修理が必要です。
セルモーターの寿命は、走行距離によっても変わるため、定期的な点検が望ましいでしょう。
電気系統のトラブルが起きている
ヒューズ自体が異常をきたすと、電装品が作動せず、エンジンの始動にも影響を及ぼす可能性があります。
長期間使用しているヒューズがある場合は、トラブルを未然に防ぐために定期的な点検や交換を検討しましょう。
また、ライトは点灯するもののセルモーターが動かない場合は、電気系統の不具合を疑う必要があります。
エンジンオイルが不足している
特に、寒冷時は、オイルが固くなってエンジンの回転がスムーズにいかない場合もあります。
エンジンオイルの量と状態を定期的に確認し、不足している場合は補充が必要です。
季節や車の仕様に合った適切なオイルを使用し、定期的な交換をおこなえば、エンジンの寿命を延ばせるでしょう。
エンジンがかからないときの原因の突き止め方・対処法
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適切な手順で確認をおこなえば、自力で解決できるケースも多くあります。
エンジンが始動しないトラブルに遭遇した際の、具体的な確認手順と対処方法は以下のとおりです。
車のエンジンがかからない時の確認手順
エンジンキーを挿入して車の状態を確認する
プッシュスタート式の車両では、エンジンスイッチを押してACCモードにします。
このとき、メーター内の表示が点灯し、パワーウインドウやオーディオが作動するようであれば、バッテリー上がりではないことがわかります。
逆にACCモードでもメーター内表示が点灯しない、あるいはパワーウインドウが動かないケースでは、バッテリーの不具合を疑う必要があります。
バッテリーの不具合の場合、ブースターケーブルやジャンプスターターを使用した応急処置、もしくはバッテリー本体の交換を検討しましょう。
シフト位置やペダルの踏み込みを確認する
AT車の場合、安全機構の働きでシフトが「D」や「R」の位置にあるとエンジンは始動しません。
シフトレバーを確実に「P」ポジションに入れ直してから、再度エンジン始動を試みましょう。
ブレーキペダルの踏み込みが不十分な場合も、エンジンは始動しません。
AT車では誤発進を防ぐため、ブレーキペダルをしっかりと踏み込む必要があります。
また、MT車では多くの場合、クラッチペダルを床まで確実に踏み込まないとエンジンは始動しないようになっています。
セルモーターに異常がないか確認する
また、「ガガガ」という異音が続く場合は、バッテリーからの電力が不足してセルモーターが正常に回転していない可能性があります。
セルモーターの寿命は、走行距離によって変わるため、特に長年走行している車は定期的な点検が大切です。
セルモーターの故障が疑われる場合、その場での対処は難しいため、整備士による点検・修理を受けましょう。
その場で対処できない場合の対応方法
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そのような場合は、無理に自己解決を試みるのではなく、専門家のサポートを受けましょう。
エンジンが始動せず、その場での対処が難しい場合の具体的な対応方法は以下のとおりです。
車の取扱説明書を確認する
特にスマートキーが電池切れを起こした場合の対応方法は、メーカーや車種によって手順が異なるため、事前の確認が重要です。
スマートキーシステムを採用している車両では、電池切れの際にメカニカルキーでドアを開錠し、スマートキーをエンジンスイッチに近づければ始動できます。
取扱説明書には、緊急時の操作手順が詳しく説明されているため、まずは説明書の内容を確認しましょう。
JAFのロードサービスを利用する
専門的な知識を持ったスタッフが現場に駆けつけ、適切な対処をおこなってくれるため、安心して任せられるでしょう。
トラブル発生時は、JAFのロードサービス専用電話番号に連絡すれば、迅速なサポートを受けられます。
現在地や車両の状態、トラブルの症状を詳しく伝えれば、より的確な対応へとつながります。
任意保険の付帯サービス内容を利用する
保険会社のロードサービスでは、現場での応急処置から最寄りの整備工場へのレッカー搬送まで、さまざまなサポートを提供してくれます。
加入している保険会社のロードサービスを付帯していれば、24時間体制でサポートを受けられるため安心です。
保険会社によってサービス内容や補償範囲が異なるため、自分が加入している保険のサービス内容と連絡先を確認しておきましょう。
近くの整備工場やガソリンスタンドを探す
バッテリーの充電や交換、簡単な点検であれば、多くの施設で対応可能です。
出張サービスに対応している施設もあるため、車が動かせない場合でもその場で修理してもらえる可能性があります。
営業時間や対応可能なトラブルの範囲は施設によって異なるため、状況に応じて適切な対応先を選びましょう。
エンジン始動トラブルに備えるための予防策
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日頃からの備えと定期的なメンテナンスをおこない、突然のトラブルに見舞われるリスクを減らしましょう。
具体的な予防策は以下のとおりです。
車のエンジン始動トラブルに備える対策
ブースターケーブルやジャンプスターターを準備しておく
ブースターケーブルがあれば、周囲の車からバッテリーの電力を分けてもらい、その場での対処が可能になります。
救援側の車両がケーブルを持っていないケースも多いため、常に車載しておきましょう。
また、小型のバッテリー充電器であるジャンプスターターを用意しておくと、他車の助けを借りずに自力で対処できます。
いずれも、エンジンルームやトランクに収納しておけば、いざというときにすぐに使用できるでしょう。
定期的にバッテリー点検やエンジンオイルの交換を行う
たった一本のホースの緩みでも、エンジン始動に影響を及ぼす可能性があるため、エンジンルーム内の点検は、整備工場で専門家に依頼しましょう。
セルモーターの音やアクセル操作時の反応など、普段の車の状態を把握していれば、調子の変化にいち早く気付けます。
早期にトラブルの兆候を発見できれば、深刻な故障を未然に防げます。
スマートキーの電池残量に注意する
特に磁気を発する家電製品の近くに置くと消耗が激しくなるため、電池の残量には注意が必要です。
スマートキーの電池切れは事前に予測可能なトラブルなので、定期的な交換を心がけましょう。
予備の電池を用意しておくことも有効な対策です。スマートキーの電池は特殊なものが多く、一般の量販店では入手しづらい場合があります。
事前に適合する電池の種類を確認し、予備を準備しておきましょう。
ロードサービスの契約・確認をする
状態チェックから修理作業、必要に応じたレッカー移動まで、さまざまな支援を提供してくれます。
加入したロードサービスの連絡先は、車内にメモを保管するかスマートフォンに登録しておきましょう。
トラブル発生時に迅速な救援依頼が可能になります。また、サービス内容や対応可能な範囲は契約内容によって異なるため、事前の確認が重要です。
車のエンジン始動トラブルに関するよくある質問
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ここでは、エンジン始動トラブルに関するよくある質問とその対処法について解説します。
電気はつくのにエンジンがかからないのはなぜ?
これは、バッテリー以外の箇所に問題がある可能性が高いです。
セルモーターやオルタネーターの故障、あるいは電気系統のトラブルを疑う必要があります。
ヒューズが切れていても、このような症状があらわれる場合があります。
車には電気回路や電装品を保護するためのヒューズが内蔵されており、過電流が流れるとヒューズが切断して電気を遮断します。
長い期間使用している古いヒューズを使用している場合は交換を検討しましょう。
キュルキュル音がするのにエンジンがかからないのはなぜ?
この音が聞こえているのにエンジンが始動しない場合、以下の原因が考えられます。
・セルモーターは動作しているものの、点火がうまくいっていない
・電力不足でクランクシャフトがスムーズに回転していない
このような状況では、スパークプラグの交換やバッテリーの充電が必要になる可能性があります。
特に気温の低い冬場は、バッテリーの性能が低下しやすく、キュルキュル音が長引いたりエンジンの始動が困難になったりする場合があります。
その場合は5〜10分ほど間隔を空けて、再度エンジン始動を試みましょう。
ただし、何度も立て続けにセルを回すことは、部品への負担が大きくなるため注意が必要です。
車のエンジントラブルに備えて保険会社に加入しよう
特にロードサービスを必要とするような重度のトラブルの場合、レッカー移動費用や修理代など、想定以上の費用負担が発生する可能性があります。
そのため、エンジントラブルへの備えとして、充実したロードサービスが付帯された自動車保険への加入を検討しましょう。
多くの保険会社では、24時間365日対応の緊急サポートや、現場での応急処置、最寄りの整備工場までのレッカー移動など、手厚いサービスを提供しています。
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