自動車保険の無駄を省くなら、補償の重複をチェック!

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 決して安くはない自動車保険の保険料。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容や保険料を見比べて、最善の選択をしたいと考えている人も多いでしょう。しかし、そんな賢いユーザーでも忘れがちなのが「補償の重複」です。これは、1つの補償内容に対し、複数の保険が掛けられている状態で、その分の保険料は請求されていますから、無駄な出費がかさむことになります。このような補償の重複を避けることで、保険の無駄が減り、その人にとって最適な補償内容となるのです。ここでは、自動車保険の補償の重複について考えていきましょう。
 「補償が重なっていたら、事故などのときに保険金を多くもらえるのでは?」と思う人もいるかもしれません。ですが、自動車保険は基本的に実損てん補の損害保険であり、生命保険とは性格が異なるのです。重複に関する、生命保険と損害保険の違いについて見てみましょう。

・生命保険
 契約時に定めた所定の要件を満たすと、保険契約に応じた保険金が支払われる保険です。複数の契約が重複しているときは、契約している分だけの保険金が各社から支払われます。ただし生命保険により不当な利益を得ることを防ぐため、契約内容を生命保険協会に登録する、契約内容登録制度が設けられています。

・損害保険
 他人への賠償や、契約者自身が受けた損害を補填するための保険です。複数の保険契約が重複していても、実際に支払われる賠償額や損害の額を超えて支払われることはありません。

 自動車保険は損害保険ですから、たとえ複数の契約が重複していても、損害額以上に保険金が支払われることはないのです。複数の保険会社で契約している場合には、「損害額を各社で案分して支払う」ということが行われます。ですから自動車保険では、できるだけ補償の重複が起こらないように契約内容を決めると経済的です。
 補償の重複を避けるには、なぜそうしたことが起こるのかを知っておくことが肝心です。とはいえ、その原因はあまり多くはありません。

・自動車保険以外の損害保険特約との重複
 火災保険や傷害保険の特約が、自動車保険と重複してしまうケースです。ありがちなのは、他人にけがをさせてしまったり、損害を与えてしまったりしたときに使える「個人賠償責任特約」です。火災保険や傷害保険に加入している人は、この特約が重複していないかチェックしてみましょう。

・複数台の車で契約している自動車保険同士の重複
 家族それぞれが車を所有していると、自動車保険もそれぞれに契約することになります。詳細は後述しますが、こうした複数契約の場合、補償の重複が起こりやすくなります。

 いずれにせよ、まず契約している保険を全て挙げてみて、その内容を確認するところから始めるべきでしょう。
 複数台の車で契約している自動車保険同士の重複について、もう少し詳しくお話ししましょう。この場合、補償が重複しやすいのは次の4つです。それぞれ概要をご説明します。

・人身傷害補償保険
 記名被保険者や同乗者が死傷した場合、過失の有無に関係なく、実際の損害額が補償される保険です。この契約は、契約車両に乗っているときだけ補償する「搭乗中のみ」と、そうでない場合でも補償する「一般」があります。
 「一般」の場合、記名被保険者だけでなく、その家族も補償対象とされることがほとんどです。ですから、家族で複数の自動車保険を契約している場合には、その中の1台だけ人身傷害補償保険を「一般」としておき、ほかは「搭乗中のみ」にしておくと無駄がなくなります。

・個人賠償責任特約
 火災保険や傷害保険との重複について紹介した個人賠償責任特約も、自動車保険では補償対象者を「記名被保険者とその家族」としているのが一般的です。人身傷害補償保険と同じく、これも1台だけ加入しておき、ほかの車にはセットしないでおけば重複を避けられます。

・弁護士費用等補償特約
 停車しているところに車が突っ込んできたといった、自分に過失がない事故の場合には、相手との示談交渉で保険会社が間に立つことができません。もし自分ではできないとなると、弁護士を立てることになり、その費用を補償してくれるのが弁護士費用等補償特約です。この特約も補償対象を「記名被保険者とその家族」としていることがほとんどですから、重複しやすい特約といえます。

・ファミリーバイク特約
 125cc以下のバイクで、運転中の事故による損害を補償してくれる特約です。ここでご紹介している保険や特約と同じく、これも記名被保険者とその家族が補償対象としているのが一般的です。

上記保険や特約の補償内容は保険会社によって異なることがあります。また記名被保険者によって家族の範囲が決まるため、補償の範囲はよく確認しましょう。

 複数の損害保険に加入している場合は、保険や特約が重複している可能性があります。加入している保険を見直してこうした無駄を省いていけば、より経済的に保険を利用できます。ただし、保険は具体的な補償内容やその条件については細かく規定されていますので、安易に切り捨てず、保険会社と相談しながら進めていくのが安全かもしれません。

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