古い車は車両保険に入れない?加入できないケースや注意点を解説

古い車は車両保険に入れない?加入できないケースや注意点を解説

車両保険は、万が一の事故に備えて加入するものですが、古い車では入れない可能性があります。どれくらいの年式の車を「古い車」と呼ぶかは、車種などによって解釈が異なり、明確な基準はありません。

一般的には10年を超えるあたりから古い車という印象になりますが、車両保険に入れなくなるのは、通常15年を超える頃からでしょう。
本記事では、車両保険に入れない具体的なケースや、古い車でも車両保険に加入したほうが良いパターン車両保険に加入する際の注意点などについて解説します。

mokuji目次

  1. 車両保険に加入できないケース
    1. 車が古い場合
    2. 過去に何度も保険金を請求した場合
    3. 車両料率クラスが高い場合
    4. 車両保険金額が高額の場合
  2. そもそも古い車に車両保険は必要?
    1. 事故への備えが十分でない場合
    2. カーローンの残額が多い場合
  3. 車両保険はいつまでつけるべきか?
  4. 古い車で車両保険に加入する際の注意点
    1. 保険料が高くなりやすい
    2. 故障には車両保険は使えない
    3. 保険金をもらうと損をする可能性がある
  5. 古い車でも、必要なら車両保険に加入しよう

車両保険に加入できないケース

車両保険への加入を断られる理由は、ひとつではありません。まずは、車両保険に加入できないケースを4つご紹介します。
なお、実際の対応は保険会社によって異なります。1社で断られたとしても、別の保険会社であれば加入できる可能性がありますので、複数の保険会社で確認してみましょう。

車が古い場合

車が古いと、車両保険に加入できないことがあります。車両保険の保険金額は、車の時価をもとに算出するため、時価が設定できないほど古い車は車両保険に加入できない可能性があるからです。
具体的な年数は保険会社によって異なりますが、初度登録後、15〜20年程度経つ車は断られるおそれがあります。

過去に何度も保険金を請求した場合

過去に何度も保険金を請求した場合も、車両保険の加入を断られる可能性があります。車両保険はあくまでも、万一の事態に備えるためのものです。頻繁に利用すると、保険会社側の負担が大きくなってしまい、保険会社にリスクの大きい利用者とみなされ、加入している車両保険の更新を断られる場合もあります。

更新を断られてしまった場合は、ほかの保険会社であらためて加入しなくてはなりません。ただし、保険金を請求すると、保険料の割増引率を定める等級が下がります。過去に何度も保険金を請求して等級が1等級にまで下がっていたりすると、問題があるとみなされ、他社でも断られることがあるため注意が必要です。

等級は通常、保険会社を変えても引き継がれるため、事故が多いと加入できる車両保険が少なくなってしまいます。車両保険の有無にかかわらず、慎重な運転を心掛けてください。

車両料率クラスが高い場合

車両料率クラスが高いと、車両保険に加入できない可能性があります。車両料率クラスとは、損害保険料率算出機構が設定した、保険料の目安となるクラスです。
事故実績が多い車ほどクラスが高くなり、保険料も高額になります。事故のリスクが高い車は、保険会社にとってもハイリスクとみなされるため、車両保険の加入を断られるかもしれません。また、スポーツカーなどの高級車も基本的にクラスが高く、車両保険に加入しにくくなるでしょう。

具体的にどのクラスから断られるかは、保険会社によって異なります。車両保険に加入する際に、保険会社に確認してください。

車両保険金額が高額の場合

車両保険金額が高額になる車は、それだけ事故発生時の保険会社の負担が大きくなるため、車両保険に加入できない可能性があります。
車両保険金額が高額といえるかどうかは、1,000万円がひとつの目安です。なお、車両保険金額は市場価格から算出されるため、時価が高い車ほど車両保険金額も高くなります。

なお、具体的な対応は保険会社によって異なりますが、複数の保険会社に相談してすべて断られてしまった場合は、車を購入したディーラーに相談してみてください。加入できる車両保険を紹介してもらえる可能性があります。

そもそも古い車に車両保険は必要?

そもそも古い車に車両保険は必要?

古い車は車両保険に加入できないことがありますが、そもそも、古い車に車両保険は必要なのでしょうか。
古い車であっても、できれば車両保険に加入したほうが良いケースがあります。下記に該当する場合は、車両保険への加入を検討しましょう。

事故への備えが十分でない場合

事故が起こったときに、自費で修理したり買い替えたりするのが難しく、なおかつ車が故障すると生活に困るといった場合は、車両保険に加入しておくことが大切です。

車がないと生活や仕事に支障をきたす場合、事故で故障した車をそのままにしておくことはできません。すみやかな修理または買い替えが必須です。
そのための費用を捻出するのが難しい場合は、万一に備えて車両保険に加入しておいてください。

カーローンの残額が多い場合

カーローンの残額が多い場合も、事故への備えとして車両保険に加入しておくほうが良いかもしれません。

事故があっても、カーローンの支払いが止まるわけではありません。毎月の返済に加え、修理費用まで自己負担しなくてはならないとなると、大きな出費になります。車両保険に加入して、修理費用をカバーできるようにしておきましょう。

車両保険はいつまでつけるべきか?

車両保険をいつまでつけるべきかは、運転者や乗っている車によって異なります。一般的には、初度登録から約10年のあいだはつけておく必要性が高いと考えられており、初度登録後10年を超えるような車は、車両保険の必要性が下がっていく傾向にあります。

初度登録からの経過年数が少ないほど車両保険の必要性が高いのは、事故に遭ったときに受けられる補償が大きくなるからです。また、その後乗り続ける期間が長いため、しっかり修理を行う必要性が高いことも、車両保険が必要となる理由といえます。

一方、古い車は時価が低く、車両保険に加入しても十分な補償を受けられないかもしれません「すでに長く乗っていて、買い替えを検討している」ということも多いでしょう。このような場合は、事故が起こった際に車両保険を使って修理するよりも、買い替えるほうが効率的です。
なお、車両保険は車を買い替えた場合でも損害分の補償を受けられますが、古い車は時価が低いため、補償額も低くなります。

古い車で車両保険に加入する際の注意点

古い車で車両保険に加入する際の注意点

古い車で車両保険に加入する際には、注意すべきことがあります。車両保険の特徴を踏まえて、本当に加入するメリットがあるかどうか検討してみてください。

保険料が高くなりやすい

古い車は故障のリスクが高いことから、車両保険の保険料が高くなる傾向があります。一方で、保険金額は低く設定されがちです。受けられる補償に対して保険料が割高になってしまうと、車両保険のメリットが減ってしまいます。保険料が補償と見合っているかどうかは、必ずチェックするようにしてください。

なお、古い車は、そもそも車両保険に加入できないこともあります。複数の保険会社で相談し、加入可否と保険料を確認しましょう。

故障には車両保険は使えない

車両保険は、故障の修理代には使えないことにも注意が必要です。古い車は不具合も多くなり、事故を起こさなくても故障したりして、何かと修理代がかかります。
しかし、車両保険で補償される修理代は、あくまでも事故によるもののみです。「車が古くなってきて修理代がかさむから車両保険に入ろう」といった考えで車両保険に加入しないようにしてください。

なお、車両保険の補償対象は、一般的に車との接触、台風による被害、盗難、飛び石などです。事故以外を理由とした故障でも、偶発的に起こったものであれば補償の対象となります。
ただし、単独事故については契約内容によって補償される場合とされない場合があるため注意してください。

保険金をもらうと損をする可能性がある

古い車で車両保険に加入する際のもうひとつの注意点は、車両保険を利用して保険金をもらうと、損をする可能性があることです。

車両保険を利用すると等級は下がり、保険料が高くなります。そのため、車両保険を利用する場合は、翌年以降の保険料を確認して、メリットがあるかどうかを検討することがポイントです。
特に少額の損害では、保険料の差額のほうが大きくなる可能性があります。翌年以降の保険料を、車両保険を利用した場合と、利用しなかった場合で比較して、損をしないほうを選びましょう。

等級が下がると翌年だけでなく、翌々年以降の保険料にも影響が出ます。安易に利用せず、冷静に判断することが大切です。

古い車でも、必要なら車両保険に加入しよう

古い車は車両保険に入れない可能性があり、入る必要性も低くなります。しかし、古い車はすべて車両保険が不要というわけではありません。
事故が起こった場合に修理代を支払えないおそれがあるときや、ローンが残っているときは、車両保険への加入を検討することをおすすめします。保険会社によっては加入できる場合もあるため、まずは保険会社に問い合わせてみてください。

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