雹(ひょう)による車の損害は車両保険で補償できる!注意点も解説

雹(ひょう)による車の損害は車両保険で補償できる!注意点も解説

雹(ひょう)に降られて自動車に傷やへこみ、フロントガラスの割れなどが生じた場合、車両保険に入っていれば修理費用の補償を受けられます。ただし、雹による被害の中には、車両保険の対象外になるものもあるため、注意が必要です。
雹の被害に備えるための基礎知識や、雹による損害で車両保険を使う場合の注意点などについて解説します。

mokuji目次

  1. 雹による自動車の損害は車両保険の補償対象
  2. 雹以外の自然災害で、車両保険の補償対象となるのは?
  3. 雹による車内の人や物への損害は車両保険の補償対象外
  4. 車両保険で雹の損害を補償する際の注意点
    1. 免責金額によっては保険金が出ない
    2. 翌年度の等級が下がる
  5. 雹から自動車を守るには?
    1. 車庫や屋根のある駐車場を利用する
    2. 布団や毛布で保護する
    3. 低地の道路から離れる
  6. 雹による損害を抑えるために、車両保険に加入しよう

雹による自動車の損害は車両保険の補償対象

雹が降ってきて、自動車に傷ができたり、ガラスが割れたりした場合、車両保険による補償を受けられます。

そもそも雹とは、発達した積乱雲から落ちてくる直径5mm以上の氷の塊のことです。

自然現象であるため、被害に遭うリスクを完全に避けるのは容易ではありません。

雹が自動車にぶつかると、ボディのへこみ、フロントガラスの割れなどが生じる可能性があります。
大きい塊になると落下速度が早くなり、ぶつかったときの衝撃も大きくなるでしょう。

なお、5mm未満の氷の粒は「霰(あられ)」と呼ばれます。

雹とは違うものですが、車両保険の補償上の区別はありません。

車両保険に加入していれば、車にぶつかったのが雹であっても霰であっても、損害が生じれば補償を受けられます。

雹以外の自然災害で、車両保険の補償対象となるのは?

車両保険では、雹以外にもさまざまな自然災害による被害の補償を受けられます。
車両保険の補償対象になる雹以外の自然災害は、主に下記のとおりです。
<車両保険の補償対象となる雹以外の自然災害の例>
・台風による大雨で車が浸水した
・竜巻や暴風で飛ばされてきた看板が車にぶつかった
・洪水や高潮で車が水没した
・豪雨によって土砂崩れが起こり、車が全損した
上記のように、台風、竜巻、洪水、高潮などによる被害は、車両保険の対象です。

ただし、地震、津波、噴火は、通常の自動車保険の対象にはなりません。
これは、どの自動車保険であっても同様です。

地震、津波、噴火は、発生時期や頻度が予測困難である上、発生時の被害が甚大になる可能性が高いことから、車両保険の補償対象外になっています。

補償を確保したい場合は、一時金が支払われるタイプの特約をつけましょう。

なお、車両保険は補償内容を限定した「エコノミー型」と、幅広い補償を受けられる「一般型」といった2タイプに分けられることが多いですが、地震、津波、噴火を除く自然災害については、どちらのタイプも補償に含まれます。

雹による車内の人や物への損害は車両保険の補償対象外

雹による車内の人や物への損害は車両保険の補償対象外

雹で、自動車に傷やガラスの割れといった損害が生じた場合は、車両保険で補償可能です。

ただし、雹が落下してきたことで、自動車の中にいた人がケガをしたり、車の中の荷物が損害を受けたりした場合は、車両保険の補償対象にはなりません。

「雹が落ちてきてフロントガラスが割れ、運転者や同乗者がケガをした」といった場合は、「人身傷害保険」の補償対象になります。

人身傷害保険とは?補償内容と搭乗者傷害保険との違いを解説

このようなケースに備えたい場合は、人身傷害保険や人身傷害特約に加入しましょう。
治療費の実費や、ケガで働けないあいだの収入といった損害額の実費が支払われます。

また、雹が落ちてきたことによって、車内に置いていた荷物が壊れるといった損害を被った場合は、「身の回り品特約」や「身の回り品補償特約」などと呼ばれる特約で補償を受けられます。

身の回り品特約は、車内の荷物が何らかの原因で損害を受けたり、車上荒らしによって盗まれたりした場合に、損害額が補償される保険です。

一般的に、車両保険の特約として付帯できます。

車両保険は必要?加入を検討するポイントについて解説

車両保険で雹の損害を補償する際の注意点

雹による被害で車両保険を利用する際や、車両保険への加入を検討する際は、下記の2点に注意してください。
保険の仕組みを理解した上で、最もメリットの大きい対応をとることが大切です。

免責金額によっては保険金が出ない

雹による損害額が車両保険の免責金額を下回った場合は、保険金を受け取ることができません。

免責金額とは、車両保険を利用する際に自己負担になる金額のことです。

例えば、免責金額5万円の車両保険に加入していて、雹による車の傷を直すのに12万円かかった場合、受け取れる保険金は7万円です。
しかし、修理金額が4万円だった場合は、免責金額以下となるため、保険金は支払われません。

免責金額は、車両保険の加入時に、一定の範囲の中から選択可能です。

免責金額を高く設定すればそれだけ保険料が安くなりますが、受け取れる保険金が減ります。

反対に、免責金額を低くすると保険料が上がります。家計状況や、備えたいリスクに応じて選択してください。

ただし、雹によって自動車が全損した場合は、免責金額が引かれることなく、あらかじめ設定した車両保険金額(保険金の限度額)が支払われます。

翌年度の等級が下がる

車両保険を利用すると、翌年度の等級が1等級ダウンします。

さらに、事故有係数適用期間も1年加算され、翌年度の保険料が上がるため注意が必要です。

車両保険を利用した場合の翌年度の保険料と、利用しなかった場合の保険料の差額を計算して、受け取れる保険金の額と比較してみてください。

免責金額を反映した後の保険金の支払額が保険料の差額を下回るようであれば、保険を利用しないほうがいいかもしれません。

保険を利用したときの保険料は、加入している保険会社に問い合わせれば教えてもらえます。
保険金の請求をする前に確認しておくことをおすすめします。

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雹から自動車を守るには?

雹が降ってきたときは、できる限りの対処をすることで被害を抑えることが可能です。
雹が降ってきたときや予報されたときは、下記の対処をすることをおすすめします。

車庫や屋根のある駐車場を利用する

車庫のように屋根のついた駐車場を利用すれば、車を停めているあいだに雹が降った場合、被害を防げます。

雹が比較的よく降る地域で自動車を所有する場合は、屋根付きの駐車場を利用するほうがいいでしょう。

また、運転中に雹が降ってきたときは、取り急ぎ近隣の屋根のある駐車場に避難してください。

屋根のある場所に移動することで、車に雹がぶつかるのを避けられます。「雹が予想される天気のときは外出を避ける」といった対処も効果的です。

布団や毛布で保護する

自宅の駐車場に屋根がない場合は、布団や毛布を車にかぶせることで、雹の被害を抑えられます。

フロントガラスやボディなど、雹がぶつかる危険性が高い部分を、厚手の毛布や布団で覆ってください。

ただし、車にかぶせた毛布や布団は、雨や雹が降ると濡れて汚れてしまいます。

普段使っていない、古い布団などを利用するのがおすすめです。

低地の道路から離れる

雹が降るとき、大気の状態は不安定になっています。

激しい雨や雷などとともに雹が降り注いでいるといった悪天候のときは、低地の道路を利用しないように気をつけてください。

低地の道路は冠水する危険性があるためです。

冠水した道路を通ると、雹による損害とは別に、車に大きなトラブルが起こる可能性があります。

可能であれば、走行自体をやめて屋根のある場所などに避難するのがおすすめです。
天候が不安定な場合は無理をせず、安全第一に行動してください。

雹による損害を抑えるために、車両保険に加入しよう

雹による損害を抑えるために、車両保険に加入しよう

雹による自動車への被害に備えるためには、車両保険への加入がおすすめです。

車両保険では、雹を含むさまざまな自然災害や盗難のほか、事故などによる車両の故障、トラブル、全損に備えられます。免責金額や等級が下がるといった注意点はありますが、高額な損害が生じた際には大きな助けになるでしょう。

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