自動車保険料が決まる仕組みとは
算出項目は「参考純率」をチェック
具体的に同機構が設けている項目は次の7つとなる。
(1)用途・車種
(2)型式別料率クラス
(3)新車・新車以外
(4)保険金額および免責金額
(5)年齢
(6)等級
(7)運転者限定
とはいえ、保険会社は参考純率の通りに計算しているのではなく、「○○を安くしよう」「○○タイプの契約者は優遇しよう」と独自の料率を作成して用いていることは覚えておこう。
年齢との関係
たとえば、
・全年齢補償
・21歳以上補償
・26歳以上補償
・30歳以上補償
などがある。
35歳以上など、もっと上の年齢層も細かく設定している保険会社もある。この年齢条件が保険料に与える影響は大きく、全年齢補償と30歳以上補償とでは、保険料が3倍近く変わってくる場合もある。
このため、記名被保険者がある一定の年齢以上であれば、できるだけ記名被保険者に近い年齢条件で自動車保険を契約したほうが保険料を安くできるだろう。ただし、記名被保険者の子どもが運転する可能性がある場合などは、実際に運転する可能性のある人すべての年齢を補償してくれる保険が必要となる。
等級との関係
「ノンフリート契約」と「フリート契約」
フリート契約は自動車保険を契約している「所有・使用自動車」が10台以上ある契約をいう。9台以下の場合はノンフリート契約となる。なので、個人で契約する人の大多数が「ノンフリート」と考えていいだろう。フリート契約の割増引率は、総契約台数や保険料、保険金、前年のフリート割増引率によって決まる。
ノンフリート契約の場合、等級は通常1〜20等級に分かれているが、保険会社によっては23等級まで設定している会社もある。等級は1年に一度決められ、高いほど保険料が安くなり、低いほど高くなる。新規契約の場合は6等級(2台目の場合は7等級からの場合も)から始まり、1年間保険を使わなければ翌年の等級が上がって保険料は安くなる。逆に、事故を起こして保険を使えば等級は下がり保険料は高くなる。割増引率は、前契約の契約期間、ノンフリート等級別料率、事故有係数適用期間、事故件数および事故内容によって決まる。なお、この等級は保険会社を切り替えても引き継がれることになっている。
等級は、1年間で一度でも保険を使えば下がってしまうので、事故での修理費用と翌年に払う保険料を比較して、保険を使用しない手もある。どちらにしても、損をしないように注意する必要があるだろう。
走行距離との関係
車種や型式との関係
たとえば、コンパクトカーやミニバンなどに比べ、SUVやスポーツカーなどのほうが若干保険料は高くなる傾向がある。これを車両料率クラスという。また、同じ車種でも形式(年式)によっても保険料は異なり、一般的には新型の車ほど保険料が安くなる傾向がある。
なぜこのように保険料が変わってくるのかというと、車種や型式の事故の統計から設定された「車価設定」というものがあり、これによって保険料の範囲が決まっているからだ。例えばスポーツカーなどの事故率が高い車種、型式は事故を起こしやすいとの理由から保険料が高く設定されている。この数字は統計学からきており、損害保険料率算出機構が出している。いわゆるビッグデータの活用のひとつだ。
毎年見積りを取って確認を
ちなみに、参考純率はその時々の事故率や損害率により大きく変化し、それに伴い保険会社独自の料率も変わる。つまり昨年保険料が高かった保険会社でも、今年は安くなる可能性があり、その逆もあり得るということだ。面倒だと思わず、毎年見積もりをとって金額を確認することをおすすめしたい。