台風の損害で自動車保険は使える?補償対象や備えに役立つ特約を解説
ここでは、台風によって車が被る可能性がある損害とどのように備えればいいのか、備えとして車両保険を利用する場合に知っておきたいポイントについて解説します。
目次
台風による車への損害はどのようなものがある?
強風が原因の飛来物による損傷
強風による横転
道路の冠水や川の氾濫などによる水没
土砂崩れによる被害
台風による自分の車への損害は、車両保険で補償される
車両保険は、契約車両が受けた損害を補償する保険です。事故で自分の車が壊れたときのほか、火災や爆発、台風、竜巻、洪水などによって損害を受けた場合も補償の対象となっています。
車両保険には、補償範囲の広い「一般型」と、補償範囲を限定する代わりに保険料を抑えた「エコノミー型」の2種類があります。両タイプの補償範囲は、保険会社によって多少の違いがありますが、台風による損害については、一般型とエコノミー型のどちらであっても補償対象です。
車両保険で台風に備える上で知っておきたいポイント
他人への車の損害は補償の対象にならない
<車両保険の補償対象外となる例>
- 駐車していた自分の車が台風の強風にあおられて、ほかの車両にぶつかって傷をつけた
- 自宅の屋根瓦が台風の強風で飛んで、ほかの車両にぶつかり傷をつけた
- 自宅のガレージの屋根が台風の強風で飛んで、人にぶつかりケガをさせた
損害の度合いによって保険金額が変わる
損害の度合いは、「分損」と「全損」に分けられます。分損とは、車の修理が可能で、修理代金が車両保険金額の支払限度額を下回る状態です。一方、全損とは、車の修理が不可能な状態か、修理しても修理代金が車両保険金額の支払限度額を上回る状態を指します。
・分損の場合
分損の場合、支払われる保険金は、実際の修理費用から車両保険契約時に設定した自己負担金(免責金額)を差し引いた額になります。例えば、修理費用が50万円、自己負担金が10万円の場合、支払われる保険金は50万円−10万円=40万円です。
・全損の場合
全損の場合は自己負担金額にかかわらず、車両保険金額の全額が支払われます。
例えば、車両保険金額が100万円、修理代金が150万円の場合、自己負担金にかかわらず、支払われる保険金は車両保険金額の全額である100万円です。
車両保険を使うと等級が下がる
初めて自動車保険に加入する場合は、原則6等級からスタート。自動車保険の契約期間中、自動車保険を使わずに過ごせば翌年に等級が上がり、自動車保険を使った場合は事故内容に応じて等級が下がるという仕組みです。
また、7等級以上で自動車保険を使った場合は、事故内容に応じて「事故有係数適用期間」が1〜3年間追加されます。同じ等級でも事故有係数適用期間は、保険料が割り増しになるのです。
台風による損害で車両保険を使った場合、翌年のノンフリート等級が1等級下がり、1年間の事故有係数適用期間が追加されるので、翌年の保険料が上がります。
例えば、現在20等級で事故有係数適用期間なしの人が台風による損害で車両保険を使った場合、等級と保険料の割引率は次のように変化します。
■台風による損害で車両保険を使った場合の等級・保険料割引率の変化
等級 | 保険料割引率 | |
現在 | 20等級・事故有係数適用期間なし | 63% |
1年後 | 19等級・事故有係数適用期間1年 | 50% |
2年後 | 20等級・事故有係数適用期間なし | 63% |
なお、保険料の負担増を懸念して車両保険を使わなかった場合、修理費や保険料の額によっては、車両保険を使った場合よりも自己負担額が大きくなることもあるので注意が必要です。
車両保険を使うか自費で修理を行うか、どちらが負担を軽減できるのかしっかり確認しましょう。
台風に備えて入っておくと安心な自動車保険の特約
レンタカー費用特約
車内手荷物等特約
全損時諸費用保険金特約
車両保険と特約で、台風による車の損害に備えよう
また、車両保険と特約で万が一の事態に備えられるとはいえ、台風による車の損害が出ないに越したことはありません。強風による横転や冠水場所に入り込んでの水没リスクを避けるためにも、台風が来ているときは、運転を控えるのが一番です。河川の氾濫などのおそれがある場合は、できる限り早い段階で車を高台に移動させておきましょう。
なお、車両保険やその特約の内容は保険会社によって異なるため、保険会社をしっかりと比較検討することが大切です。
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