株主優待、自分にあった銘柄の選び方と購入前のチェックポイント
株を買う前に必ず確認したいチェックポイント
株主優待を受け取る条件@ 権利確定日
というのも、株主は配当や株主優待を受け取る権利も持っているが、この権利を確定する「権利確定日」が決められている。優待を受け取りたい場合には、「権利確定日」までに株主として名簿(株主名簿)に登録されていることが条件なのだ。
つまり最終売買日とは、この権利確定日までに株主名簿に登録される最終タイミングというわけだ。
最終売買日権利確定日に間に合うための最終売買日。
そして最終売買日は権利確定日の2営業日前に設定されている。そのため土日を挟んだ場合や、連休や祝日がある場合などは注意が必要なので、証券会社のサイトなどで確認しよう。
ちなみに最終売買日の翌日は「権利落ち日」と呼ばれ、この日にさっそく株を売ってしまっても優待や配当は受け取れる。
株主優待を受け取る条件A 最低保有数
まず株保有数については、多くの銘柄が株の売買単位(単元株)である100株以上の株を保有する投資家を対象に、株主優待を実施している。だが中には、500株以上等の株保有者を対象に株主優待を実施している銘柄もある。
そのほかにも、株の保有期間についても条件が設定されている銘柄もあるので注意が必要だ。例えば、銘柄によっては「100株以上保有」という条件に加えて、「6カ月以上継続保有」 や「1年以上継続保有」 といった株の保有期間を条件としているものもある。
また、株主優待を「もらえる/もらえない」だけではなく、株保有数や保有期間によって優待の内容がグレードアップされたり、特別優待が追加されたりする銘柄もあるので購入の際には確認しておきたいところだ。
銘柄選びのポイント
各社サイトでは、「株主優待付き銘柄」だけを集めた検索ページを提供している。さらに「金券」「食品・お食事券」など優待内容別、優待権利確定月別、予算別、こだわり条件、優待利回り別など、さまざまな視点から銘柄を探し出せる機能も付いている場合もあるので、積極的に活用したいところだ。
では、実際にどのように銘柄を選べばいいのか。下記に選ぶ際のポイントを紹介しよう。
選び方@ 「優待内容」を基準に選ぶ
また、「定期的に使っている商品・サービス」を基準に選ぶのもいいだろう。日常生活で利用できる優待であれば、どんな優待も無駄にはならない。食品メーカーや外食チェーン店、鉄道・航空会社などの幅広いジャンルがあり、自社製品や割引券をもらえる場合もあれば、生活必需品である米や飲み物、金券系などの場合もあるので、自分好みの優待を見極めよう。
選び方A 「予算」から選ぶ
ただし「ミニ株」などの単元未満株は、1万円程度で購入できる代わりに、株主優待がもらえない場合がほとんどなので注意しよう 。
選び方B 「優待利回りの高さ」で選ぶ
優待利回りの計算の仕方は次の通り。もらえる優待品を一般的な金額に換算し、株の購入金額で割って求める。
優待品の一般的な金額(円)/株の購入金額(円)×100
=優待利回り(%)
100株保有で2,000円相当の自社製品がもらえる銘柄で、100株の購入金額が10万円の場合
2,000円(優待品の相当額)/100,000円(株購入金額)×100
=2%(優待利回り)
選び方C 「今後の値上がり益」で選ぶ
“PBR”とは、企業の株価の割安さを示す指標の1つ。「1株当たりの純資産/株価」から算出される。PBRが低いほど割安とされる。1倍割れとは、株価底値の目安の一つにもなっている。
“PER”とは、「株価収益率」のことで株価の割安を示す指標の1つに用いられる。株価が適正水準であるか否かを判断する際の指標とされる。株価を1株当たりの当期純利益(予想)で割ったもの。
選び方D 「優待品の送付スケジュール」から選ぶ
注意したいのは、3月に権利確定を迎える企業でも、権利確定後すぐに優待品が届くわけではないということ。あくまで、その企業の決算日ベースのために、後の株主総会で承認してもらう必要がある。そのため、6月くらいに優待品を届ける企業が多い。
送付時期は、各社サイトにある優待情報ページやIRページなどで確認してみよう。
株主優待は、優待品を待つという楽しみも提供してくれる。さまざまなものをもらえる喜びを含めて、新たな投資のテクニックとして始めてみるのもいいだろう。各証券会社のサイトにまとめられた優待付き銘柄を調べるだけでも楽しめるので、興味がある人はまずはチェックしてみよう。
この記事の監修者:市川雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP(R)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。1969年生まれ。グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、金融機関の職員や顧客に対する講義や講演も行う。「日本経済新聞」「日経ヴェリタス」「朝日新聞」「東洋経済」「週刊ダイヤモンド」などへの原稿執筆・コメント提供のほか、ラジオ日経などのメディア出演も多数。主な著書に『投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え』(日本経済新聞出版)がある。
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