「株主優待付き銘柄」、買う前にチェックしておくべきポイントは?

 投資初心者にも魅力いっぱいの「株主優待」。銘柄選びの時や、購入前に確認しておきたい重要なチェックポイントは何か。初めての投資でつまずきやすい疑問点なども、併せてチェックしてみよう。

チェックポイント1:“最終売買日”と“権利確定日”を確認しよう

 株自体は基本的にいつ買っても良いが、株主優待付き銘柄には「最終売買日」が設定されているので注意しよう。

 優待付き銘柄には“権利の確定日”が決められていて、優待を受け取りたい場合には、「権利確定日」までに株主として名簿に登録されていることが条件だ。最終売買日は権利確定日の3営業日前に設定されているので、この日までに購入しておく必要がある。ちなみに最終売買日の翌日は「権利落ち日」と呼ばれ、この日にさっそく株を売ってしまっても優待や配当金は受け取れる。

 最終売買日は連休や祝日、曜日の並びで日にちが変わってくるので、慣れるまでは証券会社などで情報をチェックしよう(詳しくは「優待のもらい方」STEP.3を参照)。なぜ権利確定日の3営業日前に設定されているかというと、株主名義の書き換えに要する事務処理期間にあてられているから。「名義書換」とは、株を発行している企業に対して、自分が株主になった旨を報告し、株主名簿に株主として記載してもらうための手続きのこと。紙券で株券が発行されていた頃は、株主名義欄に投資家自身が名前を書いて、証券会社へ持って行って受け渡しをして…など、手間も時間もかかっていた。現在、株券は電子化されているので、事務処理時間が短縮されただけでなく、投資家自身は特に何もしなくてよくなった。以前に比べ、手軽に投資ができる環境になっているといえる。

 権利確定日は月末に設定されている場合が多いが、15日や20日などもある。また、月によって権利確定を迎える銘柄数は大きく異なる。例えば、3月は650銘柄以上あり、年間最多だが、翌4月は20銘柄ほどしかない。

チェックポイント2:優待品が受け取れる“単元数”を確認しよう

 株の売買は、その会社が定めた単元数で行う。単元数はその企業の株を買うために最低限必要な数のことで、1単元=1株の場合もあれば、1単元=100株や500株、1000株など企業によってさまざまだ。金融ビッグバン以降、個人株主獲得のために単元株数を減らして、少額で取り引きできる企業が増えている。現在は100株単位の企業が多く、少額投資、分散投資にも向いている。

 ただし、単元株数と優待品を受け取れる最低保有数が異なる企業もあるので注意したい。例えば、多くの優待族から“ナンバーワン銘柄”と支持されている「コロワイド」は、単元株数は100株以上だが、優待に必要な最低保有数は500株以上になっている。

 また、「SBI証券」や「マネックス証券」、「カブドットコム証券」などで扱っている「単元未満株(端株)」や「ミニ株」で購入した場合も、優待品を受け取れない場合がほとんどだ。ただ、単元株数ごとに優待を定める企業が多い中、単元未満株にも優待を付けてくれる企業もあるそうで、未公表企業だが100社程度あるともいわれている。

チェックポイント3:“使い勝手が良い”優待品であることが大切

 せっかく優待品をもらうのであれば、“使い勝手の良い”優待を選びたい。この“使い勝手が良い”の基準は人それぞれで、映画が好きな人なら映画観賞券、お酒が好きな人は酒造メーカーの自社製品、よく足を運ぶ飲食店があるなら店舗で使える優待券など、趣味・嗜好、ライフスタイルによって異なる。

 最近増えている優待品はコンビニやドラッグストア、ガソリンスタンドなどでも使える「クオカード」。デパートで使える商品券やギフトカード、図書カードなどと並び、利用範囲が広く、使い勝手はバツグンだ。飲食店で使える優待割引券も便利だが、職場の近くや自宅周辺で利用できる場合と、自分の生活圏で利用できない場合があるので、購入前に店舗をチェックしてみよう。

チェックポイント4:オトク度にこだわるなら“優待利回り”が高い銘柄

 優待利回りとは、優待品のお得度を数値化したもの。例えば、購入金額10万円で、年2回1000円分のQUOカードがもらえる銘柄の場合、優待利回り=2000円÷10万円=2%になる。株価は常に変動するので、割合は一定しないが、およその目安にはなるだろう。

 さらに、配当金がある場合は配当利回りも確認してみよう。1株あたりの配当が30円なら、100株で3000円になり、総利回りは、優待利回り+配当利回り=(3000円+2000円)÷10万円=5%にもなる。

 優待品も、配当金も業績に左右されて変わるが、購入時に複数の銘柄で迷った場合、優待利回りが高い銘柄を選んで投資するという方法もある。

チェックポイント5:企業の“業績チェック”は重要!

 投資と貯金は「元本保証がない」点で大きな違いがある。投資は株を保有している会社がつぶれると価値がなくなってしまうので、業績チェックが大切になってくる。指標の一案として、“今年を含めた3年間程度の決算が黒字になっている企業”を候補にする方法がある。新規公開株などで、1〜2年目は業績も伸びるが、3年目にひずみが出て落ち込む企業があるからだ。業績が落ち込むと優待が廃止されたり、倒産という最悪のケースもある。

 投資先を決める際には、企業のIRページで発表されている過去3年間の業績をチェックしてみよう。例えば、(1)売上高からコストを引いた「営業利益」が増えて本業が儲かっている、(2)一株当たりの儲けである「1株利益」が増えて業績が向上しているのであれば、この2項目から業績が順調に伸びているのでは、という判断材料になるだろう。ほかにも<表1>のような項目も業績チェックに役立つといわれている。

<表1>

売上高

業務での収入すべてを合計したもの。事業規模を表す。

経常利益

【売上高】−【売上原価】−【販売費】−【一般管理費】=営業利益に営業外損益を加減したその期の利益。

当期純利益

税引き前当期純利益から、法人税などの利益にかかる税金を差し引いたもの。

業績予想

企業の業績の予想。良い修正を発表すると株価が上がり、悪い修正には株価が下がることが多い。

配当

企業の利益の一部を株主に還元するもの。経営方針で変動し、株主総会で承認されて決定する。

PER
(Price Earnings Ratio)

「株価収益率」のことで、株価の割安指標に用いられる。株価を1株当たりの当期純利益(予想)で割ったもの。2015年3月の東証1部平均PERは約18倍。

PBR
(Price Book-value Ratio)

「株価純資産倍率」のことで、株価の割安指標に用いられる。計算式は【株価÷1株当たり株主資本(BPS)】。会社の純資産と株価の関係を表し、1倍以下は割安状態を表す。

ROE
(Return On Equity)

「自己資本利益率」のことで、企業の収益性を測る。計算式は【当期純利益÷自己資本×100】。機関投資家は、ROE8%以上を投資の目安にしているとされる。

チェックポイント6:“NISA”なら節税対策になる場合も

 “少額投資”“長期保有”に向いている株主優待付き銘柄は、2014年から始まった「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」での運用とも相性がいいといわれている。

 通常、株式投資や投資信託などで生じた値上がり益や配当金には、年20%の税金がかかるが、NISAは年間100万円までの値上がり益や配当金が5年間非課税になる制度だ(詳しくは「NISA特集」を参照)。優待付き銘柄は10万円以下、20〜30万円台で買えるものが多く、長期保有ですることで優待内容がアップする銘柄も多数。長く保有する予定なら、NISA口座で運用することで節税対策になるだろう。

 NISAは始まったばかりの制度で、新聞などで内容変更の話題を目にしている人も多いはず。「非課税枠の拡大」や「子ども版NISAの導入」、「非課税期間の延長」なども検討されていて、今後もチェックしていこう。
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