デイトレードとは?銘柄の選び方や取引のコツを解説

デイトレードとは?銘柄の選び方や取引のコツを解説

デイトレードとは、株式や為替などの金融商品を短期で売買し、1日で取引を完結させる投資手法です。 短期間で利益を狙える一方、リスクも伴うため、事前の準備や知識は欠かせません。

本記事では、デイトレードの基本的な概要からメリット・デメリット、初心者に適した銘柄の選び方や取引のコツをわかりやすく解説します。

また、成功するための心構えやリスク管理の重要性についても触れているので、デイトレードを始めたいと考えている方、自分に合った投資スタイルを見つけたい方はぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. デイトレードとは
  2. デイトレードのメリット
    1. 短期間で利益を得られる可能性
    2. 資金を効率的に使える
    3. 市場の動きを素早く反映できる
  3. デイトレードのデメリット
    1. 配当などを得られない場合がある
    2. 短期間で大きな損失を被る可能性がある
    3. 精神的な負担が大きい
  4. デイトレードを始めるための準備
    1. 必要な資金の目安
    2. 証券口座の開設
    3. 初心者が試せる練習方法
  5. デイトレードに適した銘柄の選び方
    1. 出来高が多い銘柄
    2. ボラティリティ(価格変動)が高い銘柄
    3. ニュースサイトや決算情報を参考にする
  6. 初心者が避けるべき銘柄の特徴
    1. 流動性が低い銘柄
    2. 突発的な要因で値動きが読みにくい銘柄
  7. デイトレードで成功するための取引のコツ
    1. テクニックを活用する
    2. リスクを抑えるための損切りと利益確定
    3. 自己資金の範囲内で投資する
    4. 感情をコントロールするための心構え
    5. 損切りルール、利食いルールを決めて守る
  8. デイトレードの知識を深め、自分に合った投資スタイルを見つけよう

デイトレードとは

デイトレードとは

デイトレードは、その日のうちに売買を完了させる投資手法です。1999年に日本国内のマーケットに導入 されて以来、多くの個人投資家に活用されてきました。一般的な株式投資では、長期的な値上がり益や配当収入を期待して保有を続けますが、デイトレードはその対極に位置する取引スタイルといえるでしょう。

デイトレードは、同じ日に買付と売却を行い、日をまたいで株を保有しないのが特徴です。マーケットが開いている時間内で完結する取引を行うため、overnight(一晩)のリスクを避けられます。

デイトレードに似た短期売買の手法として、数秒から数分単位で取引を行う「スキャルピング」 や、数日間ポジションを保有する「スイングトレード」 などがあります。

これらと比べると、デイトレードは1日という時間軸の中で、相場の変動を捉えて利益を得る手法だと位置づけられるでしょう。

デイトレードのメリット

デイトレードのメリット

デイトレードには、従来の投資手法では得られない独自の魅力があります。デイトレードのメリットは以下の通りです。

短期間で利益を得られる可能性
資金を効率的に使える
市場の動きを素早く反映できる

以降では、それぞれについて解説します。

短期間で利益を得られる可能性

デイトレードの特徴は、値上がりや値下がりのタイミングを捉えて、短期間で売買を繰り返す点です。1回の取引での利益は控えめかもしれませんが、その利益を次の投資に活用すれば複利効果が期待できます。

さらに、1日の取引時間内で完結するため、長期保有と比べて予期せぬ大きな損失のリスクも抑えられるでしょう。

相場全体のトレンドや企業業績への依存度が低い点も、デイトレードの特徴といえます。日本のマーケットが閉まっている時間帯に発表される経済指標や海外市場の影響を受けにくいため、より安定した取引ができるでしょう。

資金を効率的に使える

デイトレードのメリットの一つに挙げられるのは、効率的な資金運用が可能な点です。1日のうちに取引が完了するため、同じ資金で複数回のトレードが行えます

例えば、朝に株式を購入して午前中に売却し、その資金を使って午後に別の銘柄の取引を行うといった運用が可能です。

短期間で取引を完結させれば、限られた投資資金を最大限に活用できるでしょう。長期投資では資金が固定されてしまいますが、デイトレードでは資金を何度も回転できるため、少額からでも複数の取引機会が得られるのです。

市場の動きを素早く反映できる

デイトレードは、市場の短期的な変動に柔軟な対応ができる投資手法です。1日中ずっと上昇や下降が続くケースは少ないため、売買するタイミングの見極めが重要になります。相場環境が大きく変化した際にも、すぐに対応ができるので、機動的な投資判断を行えるでしょう。

マーケット全体のトレンドや企業の業績といった長期的な要因にとらわれることなく、その日の相場状況に応じた取引が可能なのも、デイトレードならではの特徴といえます。

デイトレードのデメリット

デイトレードのデメリット

デイトレードには魅力的な特徴がある一方で、投資初心者が特に注意すべき課題もいくつか存在します。主なデメリットは以下の通りです。

配当などを得られない場合がある
短期間で大きな損失を被る可能性がある
精神的な負担が大きい

それぞれ解説します。

配当などを得られない場合がある

デイトレードは、その日のうちに売買を完了させる取引手法であるため、通常の投資で得られる配当金などのインカムゲインを受け取れない可能性があります。

株式投資における配当金は、決められた基準日に株式を保有しているのが条件です。デイトレードでは短期売買が基本となるため、この条件を満たすのが難しくなるでしょう。

短期間で大きな損失を被る可能性がある

デイトレードでは、値動きの大きな銘柄を扱う場合が多く、短時間で大きな損失を被るリスクが存在します。株価が急激に下落した時は、わずかな時間で予想以上の損失が発生するかもしれません。

長期投資と比べて1回あたりの損失は限定的かもしれませんが、取引頻度が高いため、累積すると大きな損失につながる可能性があるのを認識しておく必要があります。

精神的な負担が大きい

デイトレードでは、マーケットが開いている時間帯は常に株価の動きを注視し続ける必要があります。一瞬の判断の遅れが損益を大きく左右する可能性があるため、継続的な緊張状態を強いられるでしょう。

売買を繰り返すストレスや、判断の難しさから生じる心理的プレッシャーは、デイトレーダーにとって大きな課題となります。

また、ルールに従って淡々と売買を繰り返す必要があるため、単調な取引の繰り返しに耐えられる強い忍耐力や精神力が必要不可欠です。

デイトレードを始めるための準備

デイトレードを始めるための準備

デイトレードを始めるには、いくつかの準備が必要です。適切な投資資金の準備から、証券口座の開設、そして実践的な練習まで、段階的に準備を進めることで、より安全に取引を開始できるでしょう。

ここでは、初心者が特に押さえておくべき準備のポイントを解説します。

必要な資金の目安

デイトレードは、まず少額から始めるのが賢明です。投資経験が浅い段階から大きな資金を投じるのは、予期せぬ損失のリスクを高めてしまうかもしれません。デイトレードは短期間で売買を繰り返す手法であるため、少ない元手でも取引を始められます。

取引に慣れていない初心者は、まずは投資の仕組みを理解し、実際の相場の動きを体感するのが重要です。小さな利益を確実に積み重ねながら、徐々に取引金額を増やしていく方法が、安全な投資の第一歩となるでしょう。

証券口座の開設

デイトレードを始めるためには、まず証券会社に口座を開設しなければなりません。証券会社を選ぶ際の重要なポイントは、取引手数料の水準です。

デイトレードは1日に複数回の売買を行うため、取引にかかる手数料が安い証券会社を選択するのが望ましいでしょう。一般的にネット証券は、従来の証券会社と比べて手数料が安く 設定されています。

取引金額によって手数料も変動するため、各証券会社のウェブサイトで詳細な手数料体系の確認をお勧めします。また、取引ツールやアプリケーションの使いやすさも、重要な選択基準の一つとなるでしょう。

初心者が試せる練習方法

デイトレードを始める前に、まずは証券会社が提供しているツールやアプリの活用をおすすめします。各社で提供されているサービスには多少の違いがありますので、比較検討のうえ、自分が使いやすいものを選びましょう。

実際のトレードを始める際は、最初は少額で取引を行い、売買するタイミングのルール化が重要です。

例えば、5%の値下がりで損切りするなど、具体的な数値で判断基準を設定すれば、感情的な判断を避けられ、ポジションを持ち越してしまうリスクを軽減できるでしょう。

デイトレードに適した銘柄の選び方

デイトレードに適した銘柄の選び方

デイトレードの成功には、適切な銘柄選びが重要な鍵です。短期の売買で利益を上げるためには、取引が活発で適度な価格変動がある銘柄を選ぶ必要があります。

以下では、初心者がデイトレードを始める際に押さえておくべき銘柄選びのポイントを解説します。

出来高が多い銘柄

デイトレードでは、取引の活発さを示す出来高が銘柄の重要な選定基準です。出来高が多い銘柄は、売買が頻繁に行われており、取引の流動性が高いのを意味します。これにより、取引したいタイミングで迅速に売買を執行するのが可能になるのです。

流動性の高い銘柄では、売りたい時に売れない、買いたい時に買えないといった状況を回避できるでしょう。このため、デイトレードで銘柄を選ぶ際は、時価総額が1,000億円以上の銘柄が推奨されます。

出来高の多さは、取引の機会を確保し、スムーズな売買を可能にする重要な要素といえるでしょう。

ボラティリティ(価格変動)が高い銘柄

デイトレードで利益を得るためには、適度な価格変動(ボラティリティ)のある銘柄を選ぶのが重要です。流動性が高くても、株価がほとんど動かない銘柄では利益を得る機会が限られてしまいます。

ただし、新規公開株(IPO)や、上場したばかりの銘柄は、株価が乱高下しやすく、初心者には向いていません

トレンドが明確な銘柄を選べば、売買のタイミングを判断しやすくなるでしょう。ボラティリティが高すぎる銘柄は、予期せぬ価格変動のリスクが高まるため、適度な変動性を持つ銘柄の選択が賢明です。

ニュースサイトや決算情報を参考にする

銘柄選びの際は、企業の基本的な情報収集も重要です。マーケット全体のトレンドや企業業績は、デイトレードにおいても無視はできません。企業の決算発表やニュースリリースは、短期的な株価変動に影響を与える可能性があります。

特に日本株の場合、豊富な銘柄数と情報量があり、投資判断の材料を得やすいのが利点です。また、権利確定日に向けた株価の動きなど、イベント要因による変動も取引機会として活用できます。

ただし、過度な情報収集に時間を取られすぎないよう、必要な情報を効率的に集めるのを心がけましょう。

初心者が避けるべき銘柄の特徴

初心者が避けるべき銘柄の特徴

デイトレードを始めたばかりの投資家にとって、銘柄選びは特に慎重を要する部分です。初心者が安全にトレードを行うためには、避けるべき銘柄の特徴を理解し、リスクの高い銘柄の除外が重要になります。初心者が避けるべき銘柄の特徴は以下の2つです。

流動性が低い銘柄
突発的な要因で値動きが読みにくい銘柄

それぞれについて解説します。

流動性が低い銘柄

出来高が少なく、売買が活発ではない銘柄は、デイトレードには適していません。流動性の低い銘柄では、売買の際に希望する価格で取引できない場合が多く、予期せぬ損失を被るリスクが高まります

デイトレードでは取引のタイミングが重要ですが、流動性の低い銘柄は、注文を入れても約定するまでに時間がかかる場合も少なくありません。

また、時価総額が小さすぎる銘柄も、少額の注文でも株価が大きく変動する可能性があり、安定した取引が難しくなります。特に初心者は、時価総額1,000億円以上の銘柄から選ぶのが良いでしょう。

突発的な要因で値動きが読みにくい銘柄

上場したばかりの銘柄や、新規公開株(IPO)は、株価が乱高下しやすく、突然トレンドから外れた値動きをする可能性があり、初心者には向いていません

これらの銘柄は、短期間で大きな価格変動を示す場合があり、経験の浅い投資家にとっては予測が難しい展開となりやすいでしょう。

バイオ関連IT関連などの銘柄も、新薬の開発状況や新製品の発表など、予期せぬニュースによって株価が大きく変動する場合があります。

予測困難な値動きは、デイトレード初心者にとって大きなリスクとなるため、取引経験を積むまでは避けたほうが良いでしょう。

デイトレードで成功するための取引のコツ

デイトレードで成功するための取引のコツ

デイトレードで継続的な利益を上げるためには、適切な分析手法の活用とリスク管理が不可欠です。成功するトレーダーは、明確なルールを設定し、それを厳格に守ることで、感情に流されない取引を実現しています。

ここでは、デイトレードで成功するために重要なポイントを解説していきます。

テクニックを活用する

デイトレードでは、長期的な企業業績や市場トレンドよりも、その日の値動きを見極めるのが重要です。

チャートを活用したテクニカル分析や、企業のニュースなどを基にしたファンダメンタル分析を組み合わせれば、より精度の高い投資判断が可能になるでしょう。

マーケット全体の動向は、デイトレードの判断材料としてさほど重要ではありませんが、1日の中での売買タイミングを見極める技術は必要不可欠です。相場の短期的な動きを分析し、適切なタイミングで売買を行うスキルを磨いていくのが重要といえるでしょう。

リスクを抑えるための損切りと利益確定

デイトレードでは、損切りのタイミングをあらかじめ決めておくのも大切です。例えば、5%の値下がりで損切りするなど、具体的な数値で基準を設定すれば、感情的な判断を避けられるでしょう。

予想と違う方向に相場が動いた場合は、早めに損切りを行い、損失の拡大を防ぐのが賢明です。利益確定においても同様に、事前にルールを決めておけば、過度な欲を抑え、着実な利益確保が可能になるでしょう。

自己資金の範囲内で投資する

デイトレードは短期間で大きな損失を被るリスクがあるため、自己資金の範囲内で投資を行うのが重要です。投資可能な資金を明確に定め、その範囲内でポジションを取れば、資金管理の面からもリスクを抑制できるでしょう。

投資初心者は、まずは少額から始めて、取引に慣れていくのが大切です。経験を積みながら徐々に取引金額を増やしていけば、安全な投資を実現できるでしょう。

感情をコントロールするための心構え

デイトレードでは、マーケットが開いている時間帯は常に緊張状態が続きます。この状況下で冷静な判断を維持するためには、感情のコントロールが重要です。過去の損失や利益にとらわれず、その時々の相場状況に応じた適切な判断を心がける必要があります。

取引にストレスを感じる場合は、一度取引を休止するなど、自身の精神状態に合わせた調整も必要です。忍耐力を持って、単調な取引を継続できる精神力を養うのが、長期的な成功につながるでしょう。

損切りルール、利食いルールを決めて守る

デイトレードでは、売買するタイミングのルール化が重要です。損切りや利益確定の基準を具体的な数値で設定し、それを機械的に実行すれば、感情的な判断を排除できるでしょう。

ルールは、自身のリスク許容度や投資スタイルに合わせて設定し、一度決めたルールは必ず守るという姿勢が重要です。特に損切りのルールは厳守し、「もう少し様子を見よう」という誘惑に負けないのが、デイトレードでの成功につながるでしょう。

デイトレードの知識を深め、自分に合った投資スタイルを見つけよう

デイトレードは短期間で利益を狙える魅力的な投資手法ですが、同時に大きなリスクも伴います。成功するためには、適切な銘柄選びと確固たるルール作り、そして感情をコントロールする能力が必要です。

まずは少額から始めて、取引の経験を積み重ねながら、自分に合ったトレードスタイルを見つけていくのが重要になります。デイトレードの基本を理解し、リスク管理を徹底すれば、安定した利益を目指せるでしょう。

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