優待の達人“桐谷さん”が厳選! 株主優待で選ぶ『タイプ別注目銘柄25』
狙い目は!? 桐谷さんチョイスの厳選25銘柄をチェック!
※銘柄に関する情報はすべて2014年10月1日現在のものです
タイプ1:まずは少額投資からスタート!「3万円未満株」
タイプ2:利益もしっかりほしい!「高配当株」
タイプ3:誰もが知っているメジャー企業に投資!「日本代表株」
タイプ4:急成長&大化けにも期待!? 割安な「新興株」
タイプ5:お得に買える「割安株」
株主優待とは? 基本のしくみと5つのメリット、銘柄選びのポイントまで
◆まずは少額投資からスタート!「3万円未満株」
<どんな銘柄?>
桐谷氏:3万円以下の少額投資で買える分、無配当という場合も多いのですが、優待内容が魅力的な銘柄も多いです。購入額が少額なだけに、優待をもらうだけで利回り10%以上というお得な場合もありますよ。
【銘柄】(コード) | ココに注目! |
【フェヴリナホールディングス】 | 8月に優待内容の変更が発表されました。 |
【スクロール】 | カタログ通販を展開する会社です。 |
・東海運(東1・9380/267円/100株/1.88%)/100株保有でQUOカード500円分、QUOカードの金額は保有株数によって異なる
・山喜(東2・3598/268円/100株/1.53%)/山喜グループで使える優待券2000円分×年2回、優待券の枚数は保有株数によって異なる
・メガネスーパー(JQS・3318/50円/100株/0%)/メガネスーパー各店での買い物時に利用できる30%割引優待券×年2回、優待券の枚数は保有株数によって異なる
◆利益もしっかりほしい!「高配当株」
<どんな銘柄?>
桐谷氏:日経平均が2%弱という点で考えると、3%以上の配当がある銘柄は高配当といえます。ただ株価が上がると配当利回りはその分下がってしまうため、相場が活況のときは少し目減りしてしまうので注意を!
【銘柄】(コード) | ココに注目! |
【シーボン】 | 株主を非常に大事にしている会社で好印象です。 |
【三栄コーポレーション】 | 優待内容が変更され、今年から保有数100株以上で優待が受けられるようになりました。保有期間と保有株式数に応じて2000〜30000ポイントが付与され、好きな商品と交換できます。 |
・ウェッズ(JQS・7551/1200円/100株/4.20%)/500株保有でQUOカード3000円分、QUOカードの金額は保有株数によって異なる
・リベレステ(JQS・8887/671円/100株/4.49%)/星野リゾート裏磐梯ホテルの宿泊優待券、優待券の枚数は保有株数によって異なる
・ユニーグループ・ホールディングス(東1・8270/583円/100株/4.12%)/100株以上保有でユニー、サークルKサンクスなどで使える商品券1000円分、優待券の枚数は保有株数によって異なる
◆誰もが知っているメジャー企業に投資!「日本代表株」
<どんな銘柄?>
桐谷氏:大手有名企業は投資家からの安定した人気もあり、株価は高めという場合が多いです。そんなメジャー企業株の狙い時は、悪材料が出て株価が下がっているとき! 本当に良い企業ならいずれ復活するので、株主優待で楽しみながら、じっくり保有しておきましょう。
【銘柄】(コード) | ココに注目! |
【日本マクドナルドホールディングス】 | 言わずと知れた人気株です。 |
【ANAホールディングス】 | こちらもかなりの人気を誇る株で、配当も悪くないですね。 |
・吉野家ホールディングス(東1・9861/1319円/100株/1.52%)/100株以上保有で吉野家やはなまるうどんで利用できる300円券×10枚(年2回、合計6000円分)、優待券の枚数は保有株数によって異なる
・イオン(東1・8267/1117.5円/100株/2.53%)/保有株数に応じて、買い物時に3〜7%のキャッシュバックが受けられる優待カード
・パルコ(東1・8251/900円/100株/2.01%)/パルコでの買い物が5%引きになる優待カード、大丸・松坂屋のお買い物券、保有株数に応じてシネマ招待券2〜12枚×年2回
◆割安な「新興株」
<どんな銘柄?>
桐谷氏:大化けするのか、しないか…先読みが難しい「新興株」。どんなに投資歴が長くてもこれから急成長する銘柄は分かりませんが、ジャスダックやマザーズなど「新興市場」に上場している銘柄で、かつ割安に放置されている銘柄を、チャートや証券会社の分析レポートを参考に判断してみましょう。
【銘柄】(コード) | ココに注目! |
【シダックス】 | 保有株数が100株以上500株未満で、ルーム代金、飲食代として使える540円分の優待券が5枚もらえます。消費税8%引き上げに伴い、優待券の金額も引き上げてくれる親切な企業で、今はあちこちに店舗があり、非常に手堅い優待の一つですね。 |
【ノジマ】 | 家電量販店で使える10%引きの優待券が10枚ずつ、年2回もらえます。この優待券は金券ショップでも高く取引されることが多く、また配当もなかなかの高さがあるのでお得です。 |
・タカショー(JQS・7590/499円/100株/3.41%)/保有株数100株でカレンダー、200株以上保有の場合は保有株数に応じた自社製品
・川辺(JQS・8123/157円/1000株/3.25%)/1000株保有で自社製品2000円分、優待品は保有株数によって異なる
・福山コンサルタント(JQS・9608/479円/100株/3.15%)/1000株保有で図書カード3000円分
◆お得に買える「割安株」
<どんな銘柄?>
桐谷氏:「割安株=配当利回りが高い銘柄」といえますね。わたしはPBR(純資産倍率)が1倍以下、PER(株価収益率)が15倍以下を割安株の参考指標としています。
【銘柄】(コード) | ココに注目! |
【THEグローバル社】 | 非常に割安感がある銘柄です。今年からQUOカード1000円分の優待が新設され、配当+優待利回りを合わせた総利回りもとても良く、お得感がアップしましたね。 |
【イオン北海道】 | イオン、マックスバリューなど各店で購入金額1000円ごとに1枚使える100円割引券が、保有期間と保有株式数に応じて、2500円〜10000円分もらえます。長く無配が続いていましたが、昨年から復配された点も注目です。 |
・アサヒペン(東2・4623/161円/1000株/3.40%)/ハウスケア用品1500円分、優待品は保有株数によって異なる
・タナベ経営(JQS・9644/824円/100株/3.89%)/自社製品の革手帳(3000円相当)
・ハークスレイ(東1・7561/898円/100株/3.71%)/米券1枚(1kg分、440円相当)、米券の枚数は保有株数によって異なる
ここがスゴイ! 優待名人が語る『株主優待の魅力』
魅力1:少額投資家に有利
株主優待は少額投資に有利な仕組みです。たとえば株主優待がない銘柄の場合、通常、配当が1円増えると、100株保有している投資家は100円、100万株保有している投資家は100万円増と、持ち株数が多いほど有利になります。しかし、株主優待がある場合、極端にいえば、100株持っていても、100万株持っていても、優待品は同じ。保有株数に応じて優待内容が変わることもありますが、最小単位で持っていても高い優待利回りで恩恵を受けられます。
魅力2:分散投資に向いている
“卵はひとつの籠に盛るな”という格言があるように、投資の基本は分散投資! 高額銘柄の1点買いは株価暴落時に大損につながります。前述のとおり、株主優待は少額投資家に有利ですので、少額の分散投資にも向いています。
最低単元でいろいろな企業に幅広く投資したら、その分、優待もたくさん届くので楽しいですね。『株は値下がりするから怖い』と敬遠する人が多いですが、50万円あって10銘柄持つと、その中の1銘柄が仮に暴落しても、他のどれかで損失を補えることがあります。分散投資だからこそ、“大損”を回避することは可能ですよ。
魅力3:株価の値動きに左右されず、心穏やかに投資に取り組める
私は、株価が下がっても、いわゆる“塩漬け”をしてそのまま保有するタイプです。塩漬け状態の期間でも株主優待品が届いたり、配当も受け取れますから、毎年続けていればそれなりにコツコツと損失分を回収できますし、そのうち何かのきっかけで株価が再び上がったりするものです。
株主優待付き銘柄が株価下落に強いという特長も踏まえ、値動きするたびに『上がった!』『下がった!』と一喜一憂せず、中長期的に投資に取り組めますよ。
魅力4:企業理解が深まる
優待品は多様化していますが、自社商品や新商品が届くことも多いです。送られてきた商品や食料品を実際に使ったり、食べてみたりすることで商品理解につながり、その企業のファンになることもあります。
また優待チケットでいろいろな店に足を運ぶことで、企業の意外な魅力を発見できますよ。牛丼で有名な『吉野家』が経営する、十割そばをメインに扱った『そば処吉野家』という店がありますが、本格的なそば屋さんと変わらないおいしいそばが食べられます。吉野家の違う面に触れ、応援したくなりました。
魅力5:新しい発見が増え、世界が広がる
コンビニ『ポプラ』の株も保有しているので、先日、新宿にある『ヒルトン東京』の地下にある店舗『生活彩家』に初めて行ってみました。店内はとても豪華なのですが、ここでもポプラの優待券が使えます。地下街にはほかにも書店などさまざまな店が並び、ホテルの地下とは思えないほど賑わっていました。こんな新しい体験や発見にワクワクできるのも、株主優待の魅力ですね。
桐谷氏の“イチオシ”株主優待付き銘柄を毎回ご紹介します! 今月末に権利確定を迎える中から桐谷氏が選んだのはこの銘柄!
【東日本ハウス】
桐谷氏コメント: 10月の権利確定銘柄は22銘柄ほどと少ないのですが、その中で東日本ハウスはダントツで高配当ですね。PERも4.7倍で、これは驚異的に割安な指標といっていいでしょう。1000株保有すると優待品として地ビールの『銀河高原ビール』がもらえ、飲みやすくおいしいので、ぜひチェックしてみてください。
必要最低投資金額:約5万2000円/上場市場:東証1部/コード:1873/売買単位:100株/株価:524円(10月1日時点)/配当利回り:3.29%(2014年10月1日時点の年間配当予想にもとづく)
※株価は該当日終値
【プロフィール】
桐谷広人(きりたにひろと)
1949年生まれ。広島県出身。元プロ棋士七段で、2007年に引退。その後は、所有する優待銘柄をやりくりして生活費をまかなうという“異色のライフスタイル”と、明るい人柄がテレビなどで取り上げられ話題に。著書に『桐谷さんの株主優待生活』(KADOKAWA角川書店)、『桐谷さんが教える はじめての株主優待』(総合法令出版)などがある。4月下旬よりガチャガチャアイテム『桐谷さんの株主優待生活 クリーナーストラップ』(タカラトミーアーツ)が販売されている。
※今回の特集内で紹介している株価データや企業情報は2014年10月1日現在のものです。変更されている場合もありますので、ご注意ください。