ライフステージでこんなに違う!? タイプ別“おすすめ投資テク”診断
学生、社会人、主婦に自営業の人も必見! タイプ別“投資銘柄診断”
そこで、桐谷さんがライフスタイル別に、オススメ銘柄と銘柄選びをアドバイス。桐谷さん独自の目線で、桐谷さんの強みを生かした株主優待付き銘柄の中からチョイスしてもらいました。
タイプ
(想定ライフステージ・職業など)
投資予算
おすすめ銘柄
(上場市場/コード)
【1】学生型
(大学生など)
少ない
日本和装ホールディングス(東2/2499)、TOKAIホールディングス(東1/3167)、スクロール(東1/8005)
【2】若手社会人型(1)
(一人暮らしの独身社会人など)
少なめ
きょくとう(JQS/2300)、シダックス(JQS/4837)、八洲電機(東1/3153)
【3】若手社会人型(2)
(実家暮らしの独身社会人など)
少なめ
オンリー(JQS/3376)、あかつきフィナンシャルグループ(東2/8737)、リックコーポレーション(JQS/3147)
【4】資産形成世代型
(ベテラン社会人、働き盛りの30〜40代、共働き夫婦など)
やや多め
星野リゾートリート(東1/3287)、信金中央金庫(東1/8421)、ジャパン・ホテル・リート(東1/8985)、大和ハウスレジデンシャル(東1/8984)
【5】子育て世代型
(専業主婦など)
少なめ
ニチイ学館(東1/9792)、SHO-BI(東1/7891)、ビックカメラ(東1/3048)
【6】自営業型
(自営業者など)
やや少なめ
ヤーマン(東1/6630)、ミサワホーム(東1/1722)、明光ネットワークジャパン(東1/4668)
【7】セミリタイア世代型
(50代〜定年前の人など)
多め
コロワイド(東1/7616)、昴(JQS/9778)、日本マクドナルドホールディングス(JQS/2702)
【8】リタイア世代型
(定年を迎えた人)
やや少なめ
パルコ(東1/8251)、セントラルスポーツ(東1/4801)
アドバイス
オススメ銘柄
投資資金が少ないので、クオカードや金券のような優待+配当がもらえる5万円以下くらいの銘柄から始めてみましょう。
・『日本和装ホールディングス』は投資資金2万円台で、クオカード500円&配当が得られます。
・通販会社『スクロール』は、通販利用時に使える500円割引券(年2回)と日本茶などの優待がもらえます。株主優待券を使って買い物をすると送料も無料になりお得です。
アドバイス
オススメ銘柄
一人暮らしの社会人は、投資資金5万円前後を目安に、交際費や生活費を株主優待で補える銘柄を選ぶのはどうでしょうか。食品がもらえるところなら食費が浮いて助かりますよね。
・『シダックス』は保有株数に応じた枚数の540円分カラオケチケットが届きます。
・『きょくとう』は1000円分のクオカード、『八洲電機』はカタログギフトまたは1000円分のクオカードをもらうことができますよ。
アドバイス
オススメ銘柄
実家暮らしの社会人はタイプ2よりも予算があると考え、投資資金を10万円程度に広げて探してみましょう。
・1000円分の買い物優待券がもらえる紳士服店『オンリー』は、都内に店舗がいくつかありますし、アウトレット店もあり使いやすいですよ。
・500円分のクオカードが年に2回もらえる『あかつきファイナンシャルグループ』、2000円分のギフトカードがもらえる『リックコーポレーション』なども狙い目ですね。
アドバイス
オススメ銘柄
“J-REIT”という不動産投資信託なら、複数の不動産へ分散投資が効率良くできます。J-REITはNISA(少額投資非課税制度)でも運用が可能です。
・『星野リゾートリート』は最低購入金額が70万円以上しますが、あの星野リゾートで利用できる優待チケットがもらえます。
・『ジャパン・ホテル・リゾート』も株主優待の条件が10口以上なので50万円以上かかりますが、東京や大阪、広島など全国で使える5割引優待チケット冊子が1冊、『大和ハウスレジデンシャル』は利回り3.5%+ロイヤルホテルの優待チケットがもらえます。
アドバイス
オススメ銘柄
子育てに出費がかさむ世代は予算10万円以下で選んでみましょう。また、紙おむつや美容商品会社の化粧品を狙うなど、生活に密着した優待グッズを探してみては?
・『ビックカメラ』は年間3000円の買い物優待券がもらえ、1年以上2年未満の長期保有者はさらに1000円、2年以上で2000円がプラスされるのでお得です。ビッグカメラはお酒でも薬でも何でも売っているので便利ですね。
・『ニチイ学館』はいろいろなプレゼントから1つを選ぶタイプの優待で紙オムツなどもあります。
・美容商品会社『SHO-BI』は毎年3000円相当の自社商品が届きます。
アドバイス
オススメ銘柄
自営業で生計を立てている人は、予算20万円以下を目安に、クオカードや金券など生活費の補てんにできるような優待を選んでみましょう。
・『ミサワホーム』はクオカード2000円分で利回りにしたら3%以上、『明光ネットワーク』は3000円分のクオカード+配当利回りも約2.5%ありお得です。
・金券系以外なら、『ヤーマン』は1万円相当の化粧品が届きますので、奥さんにプレゼントしたら喜んでくれるのでは(笑)。
アドバイス
オススメ銘柄
子育ての出費も減り、ローン返済なども終わっている人が多いと思いますので、予算30万円前後の銘柄が候補に挙がると思います。もし投資額に余力があれば予算額を引き上げも検討してみては? 自分で使える優待のほか、家族で分け合えるものもチェックしてみましょう。
・『日本マクドナルドホールディングス』のイチオシポイントは、ハンバーガーのチケットセットが半年に1度もらえるところです。使い勝手も良いですし、プレゼントしても喜ばれる優待です。
・鹿児島の塾『昴』は、5000円分の学習塾のチケット+リンゴ3kg分が毎年届きます。お子さんやお孫さんが塾に通う予定があれば持っていて損はないですね。
・最低投資金額約64万円と少し高くなりますが、『コロワイド』は株主優待ファンなら誰もが勧める優待利回りNo.1銘柄です。500株以上が対象なので注意が必要ですが、1万円相当の優待お食事ポイントが年4回もらえます。6%を超える利回りになりお得!
アドバイス
オススメ銘柄
リタイア層は現在ある資金を減らさずに運用することが最優先です。定期的に分配金がもらえ、20万円以下で購入できる銘柄で、生活に彩りを添えられる優待が手に入ると、老後も楽しくなると思いますよ。
・『パルコ』は株主優待カードでパルコでの買い物が通年5%引きになるほか、ホテル宿泊割引、シネマ招待券(年4枚)、大丸と松坂屋の優待券など盛りだくさんの内容です。
・『セントラルスポーツ』は1回2人まで利用できる無料体験券が年6枚もらえます。
先人たちが伝える投資術! 投資初心者が覚えておきたい「アノマリー&格言」って!?
「“二日新甫”というのは、1日が日曜日や祝日で、2日から取引が始まる月のことで、その月は荒れるという意味です。そこで、1991年から2012年までの二日新甫を全部調べてみたところ34回ありましたが、月末に株価が高くなったのは16回、反対に安くなったのは18回……結果から見るとあまり荒れていません。今は月曜日の祝日も多いですし、二日新甫も珍しいことではなくなったからでしょうか」
2)節分天井、彼岸底
「前年末の反動で値上がりした株価が節分頃には天井を迎え、彼岸の頃に底値になるという法則ですが、チャートを見ると違うことが分かります。これは日本人だけで株式取引をやっていた頃、正月に株を買った人が節分頃に売っていたのかもしれませんが、最近は外人投資家が多いこともあり変わってきているのかも」
3)4月効果
「『4月高値』『新年度相場』とも呼ばれるもので、実際にチャートを見てみると、4月は日本株が上昇しているのが確認できるはずです。4月までに仕込んで、4月になったら売るという投資手法もあるほどです」
「株価が上がり高い山に成長すればするほど、下がり方も大きく深い谷になります。この格言を忘れて、何度大損したか分かりませんし、思い出す銘柄もたくさんあります。たとえば『船井電機』の場合、私は株価1万2000円のころに購入しましたが、2007年に1万円まで下がった際に“ナンピン買い(※)”をしました。しかし株価は回復せず、さらに買い下がりましたが、2014年にはとうとう1000円前後に……。価格は購入時の10分の1にもなってしまいました。これでも痛手ですが、最高値を付けていた2000年頃に購入していた人だと30分の1になっています!」
※自分が買った株価よりも安くなったときに再購入して、平均買い付け単価を下げること
5)利食い八分 売り買いは腹八分
「『頭としっぽは猫にやれ』とも言います。頭も尻尾も全部おいしく食べるというのは、株を底値で買い、最高値の天井で売ることを指します。“欲張ってもなかなかうまくいかないよ、売りも買いも腹八分で様子をみよう”ということですね」
6)人の行く裏に道あり 花の山
「例えばお花見時期に、人気の花見スポットは混んでいますが、裏道ならゆっくり花見ができますよね。投資にも同じようなことが言え、新聞などで好材料が紹介されている銘柄は、その時点で既に高値圏にあるというのは常識です。それよりもバッドニュースが出ている銘柄で、本当は実力のある会社が狙い目だと思いますよ。例えば最近(5月末取材時)なら『三陽商会』はバーバリーとの提携を解消して、会社としては苦しいかもしれませんが、常にアパレル業界を引っ張ってきた会社ですから、また何かやってくれるのではないでしょうか」
7)知ったら終い(しまい)
「上でも解説しましたが、良い材料でも世の中に出て知られてしまったら、それ以上は上がりません。ただ、私は『損切りしない主義』ですので、悪材料が出ても売ったりはしません。この格言も“何か情報が出たからといって、むやみに売ったり買ったりするな”という戒めの一面もあるかもしれませんね」
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桐谷さんお手製の“株価グラフ”
「どんなに苦しい状況が続いても、我慢していればまた良い転機が訪れます。例えば以前『ラオックス』の株が267円のころ、26万7000円で購入しました。それがなんと10円まで値を下げました…つまり26万7000円が1万円になってしまったんですね。だいたいの投資家はここで諦めるものなのですが、私は手放さずに辛抱し続けました。その結果、連日ストップ高になる好機が訪れ、なんと1株450円まで回復! 45万円くらいで売った経験があります」
9)暴落はチャンス
「暴落=チャンスと思って安く買えということです。人気のある銘柄はついつい買いたいと思い、高値掴みになることが多いのですが、人気がないときは誰も興味を持ちません。でも、人が見向きもしないときこそチャンス! みんなが買っているときは手を出さず、誰も見向きもしなくなったときに買えば、失敗も少ないのではないでしょうか」
桐谷氏の“イチオシ”株主優待付き銘柄を毎回ご紹介します! 今月末に権利確定を迎える中から桐谷氏が選んだのはこの銘柄!
【タカショー】
桐谷氏コメント:5万円程度で購入でき、配当利回りも3.3%と高めですので気軽に購入できます。100株だとカレンダーがもらえますが、200株以上あると自社製品がプレゼントされます。私もガーデニングのグッズなどもらいました。
必要最低投資金額:5万1500円/上場市場:東証1部/コード:7590/売買単位:100株/株価:515円(7月2日時点)/配当利回り:3.33%(2014年4月末時点の年間配当予想にもとづく)
※株価は該当日終値
【プロフィール】
桐谷広人(きりたにひろと)
1949年生まれ。広島県出身。元プロ棋士七段で、2007年に引退。その後は、所有する優待銘柄をやりくりして生活費をまかなうという“異色のライフスタイル”と、明るい人柄がテレビなどで取り上げられ話題に。著書に『桐谷さんの株主優待生活』(KADOKAWA角川書店)、『桐谷さんが教える はじめての株主優待』(総合法令出版)などがある。4月下旬よりガチャガチャアイテム『桐谷さんの株主優待生活 クリーナーストラップ』(タカラトミーアーツ)が販売されている。
※今回の特集内で紹介している株価データや企業情報は2014年7月現在のものです。変更されている場合もありますので、ご注意ください。