自損事故をカバーする保険はどれ?任意保険の選び方を解説

自損事故に備えて加入すべき任意保険は?

自損事故は自動車賠償責任保険(自賠責保険)では補償されない場合もあるため、任意保険で備える必要があります。任意保険を選ぶとき、自損事故は任意保険のどの保険でカバーすればよいのでしょうか。ここでは、自損事故の定義から自損事故をカバーする保険、具体的な事例まで解説します。

自損事故は単独事故だけじゃない!相手に過失のない事故に注意

まず、自損事故とはどのような事故なのでしょうか。

■相手がいない単独の事故
自損事故は、ドライバーが単独で起こした事故を指します。例えば、次のような相手のいない事故です。
・ドライバーが運転操作を誤り、電信柱にぶつかった
・自宅の駐車場で運転操作を誤り、壁にぶつかった
・走行中に運転操作を誤り、ガードレールにぶつかった
いずれの事故も、ドライバーが運転操作を誤り、単独で事故を起こしています。この場合、ドライバー本人がけがをしても自賠責保険の対象とはなりません。
■相手に過失のない事故も自損事故に含まれる
事故で相手がいる場合も、相手に過失がなければ自損事故に含まれます。ドライバーが単独で事故を起こしていると考えられるからです。例えば、以下のケースなどは自損事故に含まれる可能性があります。
・停車中の自動車に追突した
・センターラインを越えて走行し、反対車線を走行中の自動車と衝突した
たとえ事故で相手がいても、相手に過失がなければ、相手が加入する自賠責保険や任意保険の対人賠償保険、対物賠償保険から保険金は支払われません。

自損事故保険だけではカバーできない

自損事故と任意保険の必要性

自損事故を起こしたときに使えるのが、任意保険契約時に自動的にセットされることもある損事故保険です。自損事故保険は、自損事故特約と呼ばれることもあります。万が一の時に頼れる保険ですが、補償内容や補償範囲には注意が必要です。

■人身傷害保険より補償範囲は狭い
自損事故保険は人身傷害保険とよく似た保険です。ただし、補償範囲や補償内容は異なります。例えば、人身傷害保険は契約車に搭乗中の自損事故以外によるけがなども補償の対象としますが、自損事故保険は契約車に搭乗中の自損事故によるけがなどしか補償の対象としません。
また、人身傷害保険は実損害額を保険金として支払うのに対し、自損事故保険は定額の保険金を支払うことが一般的です。

■物への補償は受けられない
物への補償は受けられない点にも、注意が必要です。自損事故で自分の自動車や他人の所有物を破損した場合、自損事故保険の対象にはなりません。自損事故を起こしたときに、本人の傷害に対してのみ補償を行う保険だと考えるべきでしょう。補償を手厚くしたい方は、車両保険や対物賠償保険に加入しなければなりません。

【事例別】自損事故で適用になる任意保険

自損事故で適用になる任意保険

任意保険には、自損事故をカバーする保険が複数用意されています。事例別に補償対象となる可能性がある保険をご紹介します。

■事例1 ドライバーが死傷
自損事故でドライバーが死傷した場合、以下の保険を使える可能性があります。

人身傷害保険
搭乗者傷害保険
・自損事故保険

■事例2 同乗者が死傷
自損事故で運転者以外の同乗者が死傷する場合もあります。このようなケースでは、以下の保険を使える可能性があります。

・人身傷害保険
・搭乗者傷害保険
・自損事故保険
対人賠償保険

なお対人賠償保険は、家族は補償範囲外です。また補償するのは賠償責任を負ったケースです。

■事例3 自分の自動車が破損
自損事故で自分の自動車が破損した場合は、次の保険を使える可能性があります。

車両保険

ただし、限定型の車両保険は自損事故に使えません。自損事故に備えたい方は、一般型の車両保険に加入しましょう。

■事例4 車以外の所有物を破損
自損事故で、自宅の車庫などを破損した場合に使える任意保険はありません。対物賠償保険を使えると思われがちですが、同保険は自動車事故で他人の財産に損害を与えたときに使える保険です。よって、自分の所有物を破損しても、保険金は支払われません。

■事例5 他人の所有物を破損
自損事故で他人の所有物を破損した場合は、次の保険を使える可能性があります。

対物賠償保険

例えば、自損事故で電信柱やガードレールなどを破損した場合に、保険金が支払われます。

■人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い
人身傷害保険、搭乗者傷害保険は、契約自動車に乗っていた方が事故で死傷したときに保険金が支払われる保険です。ただし、両保険には以下のような違いがあります。

・人身傷害保険
被保険者の過失の有無にかかわらず、保険金額を上限として実損害額が示談の成立を待たずに支払われます。

・搭乗者傷害保険
契約で定めた金額が、入院日数、通院日数、後遺障害の程度などに応じて定額で支払われます。

人身傷害保険は実損害額を保険金として支払うので、必要最低限の補償となります。また、実損害額を算出しなければならないので、保険金を支払うタイミングは搭乗者傷害保険より遅くなります。補償を手厚くしたい方は、人身傷害保険に搭乗者傷害保険をプラスするとよいでしょう。

自損事故で保険を使うと等級は下がる?

自損事故と等級の関係

自損事故で保険を使うときに気になるのが、等級への影響です。等級は、下がる保険と下がらない保険に分けられます。

■等級が下がる保険
自損事故で、対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険を使うと等級(ノンフリート等級)は下がります。具体的には、3等級または1等級下がります。基本的に、自分の自動車や他人の所有物を破損した場合などに保険を使うと、3等級下がります。いずれにせよ、翌年以降の保険料が高くなるので十分な注意が必要です。

■等級が下がらない保険
自損事故で人身傷害保険、搭乗者傷害保険を使っても、等級は下がりません。保険を使っても翌年の等級は1等級上がります。等級に影響のないこのような事故をノーカウント事故といいます。安心して保険金を請求するとよいでしょう。

■保険を使わない方が良い場合もある
自損事故で保険を使って等級が下がると、翌年以降の保険料が高くなるため、結果的に損をすることがあります。自損事故を起こしたときは、保険会社へ保険金を請求する前によく検討しましょう。

等級に影響を与えない人身傷害保険、搭乗者傷害保険は無条件で使えます。等級に影響を与える対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険は、賠償額や損害額と保険料を比べて利用を検討しましょう。

もし自損事故を起こしたら注意すべきこと

自損事故を起こしたときの注意点

安全運転を心掛けていても、自損事故を起こすことはあります。自損事故を起こしたときは、以下の点に注意が必要です。

■警察にすぐ連絡する
自損事故を起こしたときは、相手がいなくても警察へ連絡しましょう。警察が発行する交通事故証明書がないと、任意保険を使える自損事故であっても補償を受けられないからです。また、他人の所有物を破損した場合などは物損事故となるため、警察への報告義務があります。

■報告義務を怠ると違反点数を加点される
自損事故で警察を呼んでも、違反点数を加点されることや罰金を科されることはありません。ただし、警察への報告義務を怠ると当て逃げとなり、違反点数を加点される恐れなどがあります。自損事故を起こしたときは、保険を使う、使わないにかかわらず警察へ連絡しましょう。

自損事故を想定して任意保険に加入しましょう

安全運転を心掛けていても、一定の確率で交通事故は起こります。ケースによっては、相手のいない自損事故ということもあります。自損事故でドライバーがけがなどを負った場合は、任意保険の自損事故保険を使えますが、補償内容や補償範囲は限定的です。万が一に備えて、人身傷害保険や搭乗者傷害保険への加入も検討しましょう。
また、自損事故保険では、物に対する補償を受けられません。対物賠償保険はもちろん、車両保険に加入することも検討が必要です。任意保険を比較検討中の方は、自損事故への備えもしておきましょう。

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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