「車両保険」には入るべき?

  • 【画像】個人賠償責任特約

車両保険は、被害者を想定した自賠責保険や一般的な任意保険とは異なり、自分の車に対して補償をかける保険です。車両保険に入っておけば安心ではあるものの、その分、保険料が高くなりますので悩む人も多いはず。ここでは、車両保険に関する基本事項を紹介しながら、どのような場合に入るべきかを解説します。

車両保険とは?

 車両保険とは、契約している車両が損壊した際に、その修理代金を補償してもらうための保険です。ただし、あくまでも事故やいたずらなどによって起こった故障の修理が対象ですから、通常の使用で劣化したタイヤやバッテリーなどを交換するときには使えません。

 また、車両保険は対人賠償などを目的とした任意の自動車保険に加入する際に、オプションとしてつけることができる保険ですので、単独での加入はできません。

車両保険の代表的な2つのタイプ

 車両保険には「一般タイプ」と「エコノミータイプ(保険会社によって車対車+限定Aなどという呼び方もあります)」の2タイプがあります。

■一般タイプの車両保険

 一般タイプは、「オールマイティタイプ」「オールリスク型」ともいわれ、カバーしてくれる範囲が広い車両保険です。例えば、自動車同士の衝突・接触事故のほか、物を避けようとしたり、バックをして電柱にぶつかるケースなど、ちょっとした不注意で起こる単独事故も補償の対象です。また、当て逃げなど相手が特定できない場合も補償されます。

 ただし、すべての車両の損害に対して補償があるわけではなく、地震や噴火などが原因の破損には対応していません。地震や噴火などによる被害まで保険でカバーしたい場合は、特約をつける必要があります。

一般タイプの補償対象となる主なケース
・車同士の事故
・当て逃げ
・単独事故
・盗難
・火災、爆発
・自然災害(台風、洪水など)
・飛来中・落下中の他物との衝突(飛び石など)

■エコノミータイプ(車対車+Aタイプ)の車両保険

 エコノミータイプ(車対車+限定A)は、車同士の事故に限定した車両保険です。しかし、「当て逃げ」や「事故相手を特定できない場合」など、支払い対象にならない規定もいくつか設けられています。なお、車同士がメインの保険ですが、盗難や自然災害による破損はカバーされます。エコノミータイプは一般タイプに比べて補償範囲が限定されますが、その分保険料はリーズナブルです。

エコノミータイプの補償対象となる主なケース
・車同士の事故(相手が特定できる事故)
・盗難
・火災、爆発
・自然災害(台風、洪水など)
・飛来中・落下中の他物との衝突(飛び石など)

■エコノミータイプが適用外となるケース

 エコノミータイプで補償されない単独事故(自損事故)について、もう少し具体的に見ていきましょう。適用外となるのは、「車庫入れの時にハンドルを切り損ねて車体をこすった」「よそ見運転でガードレールにぶつかった」など、相手が車以外の事故だった場合です。

 事例をあげると、「急に道路に飛び出してきた歩行者を避けようとハンドルを切って、電信柱にぶつかった」といった場合は単独事故となり、エコノミータイプの車両保険では補償されません。また、自転車との接触事故の場合も補償されず、車の修理費用は基本的に自分で出すしかないのです(いずれも過失割合を考慮しない場合)。

 さらに事故の相手が車の場合でも、車両保険による保険金を受け取れるのはあくまで相手が特定できた場合に限られています。もし、相手が事故の直後に現場を立ち去ってしまい、連絡先などが不明なままだと相手を特定できず、車両保険で保険金が下りないことになってしまいます。

 このようにエコノミータイプは保険料が安く済む分、場合によっては保険金を受け取れない可能性があることを知っておきましょう。

車両保険の選び方

 では、具体的に車両保険を選ぶ際はどんな点に気を付ければいいのでしょうか。

 まず、新車や車価の高い車の場合、盗難時の買い替え費用や事故時の修理費用が大きくなる可能性があるため、車両保険への加入は必須といえます。その場合、一般タイプの車両保険を選ぶのがよいでしょう。補償が幅広く、単独事故もフォローしてくれて心強いからです。

 購入後、年式が経過し、車価が60万円以下になっている車の場合は、「単独事故や相手が当て逃げした事故は自腹で…」と割り切って、保険料の安いエコノミータイプを選択するのも手です。

 なお、加入の有無は、契約期間中や更新のタイミングで変更することも可能だということも覚えておくといいでしょう。

免責をつけることで保険料が安くなる

 エコノミータイプであれば、リーズナブルに車両保険に入れることをご紹介しましたが、もうひとつのポイントとして、加入の際に設定する「免責」で保険料を安く抑える方法があります。

 免責とは、補償金額のうち一定金額を契約者が自己負担することを指し、この金額は契約者自身が設定します。例えば、「補償金額が200万円で免責1回目5万円」という車が、修理で20万円かかった場合、保険会社から支払われるのは15万円で、残りの5万円は契約者の自己負担になります。この免責金額を高く設定するほど、保険料を安くすることができるのです。

 免責金額の設定に際しては、急に車の修理が必要になった場合に、すぐに用意できる出せる金額をイメージするのがよいでしょう。一般的な車同士の事故などでは対物補償が認められますので、必ずしも多額の自己負担が発生するとは限りません。軽微な故障であれば、保険を使わずに自己負担で済ませるという手もあるのです。年間保険料を安く抑えたいのであれば、免責金額を「1回目5万円、2回目以降10万円」など、高めに設定しておくのもよい方法です。

車両保険が有効なケース

 リーズナブルな車両保険があるといっても、負担が大きいことに変わりはありません。そこで、車両保険が有効なケースを参考に、車両保険が自分に必要かどうかを考えていきましょう。

【ケース1】新車を購入した場合

 数百万円の車を購入してすぐに、誰にも賠償を請求できない自損事故で大破……こういう場合、車両保険に入っていなければ車の価値は一瞬でゼロになってしまいます。それだけではありません。現金で一括購入していれば価値がゼロになるだけで済みますが、ローンで購入していると、さらに多額の出費を強いられるのです。実は、廃車にする際にはローン残債の清算が必要となります。つまり、残りのローン金額すべてを一括で支払わなければならないということです。そういう事態にならないように、ローンで購入する際は、車両保険に入るほうが安心です。

 また、一般的な車両保険は修理額が協定保険価額(契約者と保険会社が保険契約を結ぶ際に協定した車の価額)以上にならないと全損扱いにはなりませんが、「新車特約(車両新価保険特約)」などの名称で呼ばれる保険特約をつけておけば、修理額が協定保険価額の50%以上になる場合、新車購入代金相当額を受け取れます。「せっかく新車を購入したのに思わぬ事故で大破。修理すれば乗れないことはないが新車の満足感は得られない。だから修理ではなく新車に買い替えたい」というときに役立つ特約です。

【ケース2】事故発生後、過失割合の調整が難航した場合

 車同士の事故による故障・破損であれば、過失割合に応じて相手の対物賠償保険から金額が支払われる形になります。この場合、車両保険に入っていなければ、自分の過失による割合分は自己負担になります。また、相手との交渉が難航すれば、お互いの過失割合が決まらず、相手からの支払いも遅れます。結果的に、車の修理代金を一時的に全額負担しなければいけないケースもあるのです。

 しかし、車両保険に入っていれば、自分の過失割合分が補償されるのはもちろんのこと、交渉が難航した際には、「車両先行払い」として、保険会社から一時的に車両保険の支払いを受けることも可能です。交渉は長くかかってしまうこともありますから、車両保険はその精神的・経済的負担を補うものといってよいでしょう。

車両保険は新車購入時に入っておきたい保険

 車両保険は高額の新車購入時やローン購入の際、入っておきたい保険だということがいえるでしょう。新車購入時であれば、10%程度保険料の割り引きを行っている保険会社もありますので、「高いから」と思い込まず、まずは見積もりを取ってみるといいでしょう。

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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