投資の種類12選!特徴と投資を成功させるためのポイントを解説

投資の種類12選!特徴と投資を成功させるためのポイントを解説

投資に興味を持ち始めたものの、具体的にどのような方法で運用するべきか迷っている人は多いのではないでしょうか。
投資対象には、株式や投資信託、暗号資産のほか、金や不動産など数多くの種類があります。投資で失敗しないためには、それぞれの特徴を知り、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

今回は、投資に関する基本的な知識に加えて、主な投資の種類12選を紹介します。投資を成功させる上で押さえておきたいポイントや、活用したい非課税制度についても詳しく見ていきましょう。
 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 投資とは資産を増やすために資金を投じること
    1. 収益はインカムゲインとキャピタルゲインの2種類
    2. リスクとリターンの関係を知る
  2. 代表的な投資の種類
    1. 株式
    2. 投資信託
    3. ETF
    4. REIT
    5. 債券
    6. 外貨預金
    7. ファンドラップ
    8. FX
    9. 暗号資産
    10. 不動産投資
    11. コモディティ(商品)投資
    12. 先物取引
  3. 投資を成功させるポイント
    1. 余剰資金で行う
    2. 長期・積立・分散投資が基本
    3. 目標を設定する
  4. 非課税制度のiDeCoやNISAを活用して、効率的に資産形成する
    1. iDeCoは掛金が全額控除で運用益も非課税
    2. NISAは新制度がスタートして非課税効果が拡大
  5. 非課税メリットを活かすなら、投資信託への投資がおすすめ

投資とは資産を増やすために資金を投じること

資産運用には大きく分けて「預貯金」と「投資」の2種類があります。

預貯金は、銀行などの金融機関に資金を預け入れて利息を得る方法です。超低金利が続いている現在、預貯金によって資産が大きく増えることはない一方で、元本(預けたお金)が減ってしまうリスクもほとんどありません。万が一、預け先の金融機関が破綻しても、預金保険制度によって1人あたり1,000万円までの元本が保証されるからです。

一方、投資は株式や債券、不動産などに資金を投入し、資産を増やすことです。低金利下で預貯金をするよりも、効果的に資産を増やせる可能性があります。
投資の場合は値動きによっては資産を大きく増やせる可能性がある反面、元本割れのリスクがあります。例えば、株式を取得したときの価格よりも、売却したときの価格が低ければ、その分資産が減ってしまうためです。このように、投資には相応のリスクがある点に留意しておく必要があります。

収益はインカムゲインとキャピタルゲインの2種類

投資によって得られる収益には、大きく分けて「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。

インカムゲインとは、資産を保有することによって得られる収益のことです。例えば、分配金配当金利子家賃収入などがインカムゲインに相当します。

これに対してキャピタルゲインは、資産を売買することによって得られる収益です。株や投資信託、不動産などの売却益は、いずれもキャピタルゲインに含まれます。10万円で取得した株式を12万円で売却することで2万円の収益を得られるといったように、資産の売買を伴う点がキャピタルゲインの大きな特徴です。

一般的にキャピタルゲインは、インカムゲインと比べて大きな利益を得られる可能性があります。ただし、資産価値の変動によっては損失を被る場合もあることから、リスクに関してもインカムゲインよりキャピタルゲインのほうが大きくなりがちです。

リスクとリターンの関係を知る

投資を始めるにあたって、必ず理解しておきたい考え方としてリスクとリターンの関係が挙げられます。「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」といわれるように、リスクとリターンは密接な関係にあります。

多くの利益を得ようとすれば、相応のリスクを負わなくてはなりません。反対に、リスクの低い投資によって得られる利益は、限られたものになりがちです。

リスクとリターンは投資する商品によって異なります。投資におけるリスクとは、リターンの振れ幅(不確実性)のことです。リターンの振れ幅が小さいことを「リスクが低い」といい、反対に振れ幅が大きいことを「リスクが高い」と表現します。

例えば、値動きが激しい株式の場合、大きく値上がりしたタイミングで売却すれば大きな利益が期待できる反面、タイミング次第では株価が下落したときに売却してしまい、損失を被ることにもなりかねません。つまり、リスクが高いことは危険ではありますが、リターンの振れ幅が大きいと捉えるのが適切といえるのです。

代表的な投資の種類

代表的な投資の種類

実際、投資の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な12種類の投資の特徴について、詳しく見ていきましょう。

株式

株式投資とは、企業が発行する株式を取得し、配当や売却益を得る投資手法のことです。株価は各企業の業績や社会情勢、投資家の売買状況などによって常に変動しています。取得時の株価はもちろんのこと、保有期間中の値動きに関しても、銘柄ごとに大きく異なるのが特徴です。

また、企業によっては株主優待制度を設けています。通常は、一定の株式を保有している株主に対して、自社商品や割引券、特別なサービスなどを提供します。

従来、株式投資にはまとまった資金が不可欠でしたが、近年は少額から購入可能なミニ株や、買い物などで貯まったポイントを投資に回せる仕組みも登場しており、より身近な投資手法となりつつあります。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれるプロが運用し、利益を分配する仕組みの商品です。投資信託は国内外の株式や債券などで構成されており、銘柄によって投資対象や組み合わせが異なります。

個人で株式や債券に直接投資するには、多額の資金が必要です。一方で投資信託なら多数の投資家から資金を集めることで、一人ひとりは少額の資金から幅広く分散投資が可能です。分散投資により、リスクを抑えつつ効率的に利益を狙える点が、投資信託の大きなメリットです。
投資信託については、下記の記事をご覧ください。
投資信託とは?始め方やメリット・デメリット、注意点を解説

ETF

ETF(Exchange Traded Funds)とは、上場投資信託のことです。投資信託のうち、証券取引所に上場しているものを指します。証券取引所で売買されているため、誰でも手軽に購入できます。投資信託の一種であることから、分散投資がしやすい点も特徴です。

ただし、ETFは通常の投資信託ほど、商品数が多くありません。一般社団法人投資信託協会によると、投資信託の本数が2024年7月時点で約6,000本であるのに対して、東京証券取引所に上場しているETFは約300本です。よって、ETFのみを投資対象とするというよりは、ポートフォリオ(保有する金融商品の組み合わせ)のひとつとして組み込んでいくといいでしょう。

REIT

REIT(Real Estate Investment Trust:リート)とは、不動産を投資対象とする投資信託のことです。特に、日本国内で取引される不動産投資信託は、「J-REIT(Japanese Real Estate Investment Trust)」と呼ばれます。REITは証券取引所に上場しており、投資家から集めた資金を複数の不動産に投資し、賃料収入や不動産売却益を分配する仕組みです。

一般的に、個人で不動産に投資するには、多額の資金を準備する必要があります。しかし、REITであれば、多数の投資家が少額ずつREITを購入することで、オフィスビルや商業施設などの大規模な不動産にも投資が可能になるのです。

債券

債券とは、国や企業などが資金調達のために発行する有価証券のことです。発行体によって国債地方債社債などがあります。

債券の大きな特徴として、満期(償還日)が設けられている点が挙げられます。債券の購入者は、定期的に利息が受け取れるほか、償還日が来ると元本が返却される仕組みです。

資産を大きく増やせる投資手法ではないものの、発行体が財政破綻するようなことがない限り元本が保証されていることから、比較的リスクの低い金融商品と言われています。

外貨預金

外貨預金とは、外国通貨で銀行に預金することを指します。外貨預金は、日本国内の低金利に対して比較的高い金利が設定されています。そのため、金利が高い国の通貨で預金をすることで、金利差による利益が狙えるのです。

また、預け入れた時点よりも引き出しの時点で円安になっていれば、為替差益を得られる点もメリットです。ただし、預け入れ時・引き出し時には、それぞれ為替手数料がかかります。手数料は金融機関によって異なるため、利用する金融機関を慎重に選ぶことが大切です。

ファンドラップ

ファンドラップとは、投資家が運用方針やリスク許容度などを設定し、実際の投資判断や取引を金融機関のプロに一任する金融サービスです。「ラップ口座(投資一任口座)」ともいいます。

購入する金融商品や売買のタイミングなどをプロに任せられるので、手間をかけずに投資ができます。ただし、投資顧問報酬や口座管理料といった各種手数料がかかるため、ほかの投資手法と比べて手数料がやや高いケースも少なくありません。

また、ファンドラップでは、まとまった資金が必要になる可能性があります。最低契約金額は金融機関によって異なりますが、一般的には数百万円単位の資金が必要になります。

FX

FX(Foreign Exchange)とは外国為替証拠金取引のことで、外貨の売買によって差益を得ることを目指す取引です。ほかの投資手法と大きく異なるのは、証拠金(保証金)を預け入れることで、その何倍もの金額で取引できる「レバレッジ」が利用できる点です。資金が限られていても大きな取引ができることから、資産を大幅に増やせる可能性があります。

一方で、証拠金以上の損失を被るケースもあることから、ハイリスク・ハイリターンの投資になりかねない点に注意が必要です。

暗号資産

暗号資産(仮想通貨)とは、ビットコインやイーサリアムなど、インターネット上でやりとりされるデジタル通貨のことです。暗号技術を応用したブロックチェーンという仕組みによって運用されており、多くの場合、発行主体や管理者が存在しないという特徴があります。

暗号資産は、短期間に大きく価格変動する傾向があるため、数日〜数ヵ月といったごく短い期間で資産が大幅に増える可能性がある反面、下落によって大きな損失を被るリスクもある商品です。
また、預金保険制度のような補償も適用されないことから、暗号資産への投資は自己責任で行う必要があります。

不動産投資

不動産投資は、土地や建物を購入し、売却益や家賃収入を得る投資手法です。地価や物件の価値が上がったタイミングで売却してキャピタルゲインを得たり、物件を人に貸したりすることで家賃収入を得る仕組みです。

一般的に、不動産を購入する際にはまとまった資金が必要になります。購入した土地や建物の価値が将来必ず上がるとは限らないため、場合によっては資産を減らすことにもなりかねません。
また、長期間にわたって空室が続くと家賃収入が得られないというデメリットもあります。投資初心者にとっては、ハードルが高い手法といえます。

コモディティ(商品)投資

コモディティ(商品)投資とは、金・銀・プラチナなどの貴金属を購入し、価格上昇時に売却することで利益を得る投資手法です。中でも、貴金属は埋蔵量が限られており、その価値は世界共通のため、ほかの資産と比べて景気の影響を受けにくいとされています。

世界的な株価の下落などが発生した際には、安全資産として資産を貴金属に移動させる人も少なくありません。価格が安定している反面、大きな利益を得るのは難しいことに加え、売却するタイミング次第では価格変動による元本割れのリスクもゼロではない点に注意する必要があります。

先物取引

先物取引とは、将来の特定の時期にあらかじめ決めた価格で資産を売買する契約のことです。例えば、10万円で購入することを約束した商品が、将来的に20万円の価値で取引されるようになれば、その差額で利益を得られます。事前に価格を決めておけるため、価格変動に左右されにくい点が特徴です。

一方で、契約した価格よりも実際の取引価格が大きく下落した場合、損失を被るリスクもあります。ハイリスク・ハイリターンの金融商品であるため、取引内容への十分な理解が必要です。

投資を成功させるポイント

投資を成功させるポイント

投資には多くの種類がありますが、どの方法を選ぶにしても、成功させるための基本的なポイントを理解しておくことが重要です。下記3つのポイントを押さえることで、より効果的に投資を進めることができるでしょう。

余剰資金で行う

投資は、余剰資金で行うのが基本です。余剰資金とは、生活資金など当面必要な資金のほか、短中期で必要な資金を除いた資金のことを指します。

今すぐに必要な資金や近い将来必要になる可能性の高い資金を投資に回してしまうと、いざというときに資金不足になります。こうした事態を回避するには、余剰資金を投資に回すことが大切です。

まずは、現在の家計の収支を整理し、短中期で必要な資金を明確にする必要があります。その上で、余裕があれば投資に回すという考え方が大切です。投資にはリスクが伴いますので、預貯金とのバランスを考慮し、無理のない範囲で投資を行うことが重要です。

長期・積立・分散投資が基本

投資の基本的なスタンスとして、「長期」「積立」「分散」の3原則が挙げられます。これらの基本に忠実に投資をしていくことにより、複利効果などの恩恵が受けやすくなります

複利効果とは、投資によって得られた利益を再び投資に回すことです。利益がさらに利益を生む仕組みを活用することにより、効率的に資産を増やしていくことが可能です。

また積立投資を通じて、常に一定額の金融商品を定期的に購入することで平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。投資金額と購入のタイミングを一定に保つことにより、商品の価値が下がっているときには購入量が増え、価値が上がっているときには購入量が減ることになるため、平均購入単価が平準化するです。

反対に、短期間のうちに大きな金額を投資に回したり、特定の商品を集中的に購入してしまったりすると、価値の下落リスクを受けやすくなるため注意が必要です。長期・積立・分散投資によって、リスクヘッジを心掛けることが大切です。

目標を設定する

投資をする上では、いつまでにどれくらいの資産を形成したいのか、何のために資産が必要なのかといった、目標を設定することも大切です。目標金額や時期によって適した投資の種類も異なることから、自分に合った投資手法を見極める際に役立ちます。

また、目標が曖昧なまま投資を始めてしまうと、目先の値動きに目を奪われがちです。値下がりしたことを受けて保有商品を慌てて売却してしまったり、利回りの高い商品を安易に選んでしまい、結果としてハイリスク・ハイリターンの投資を行ってしまったりするケースもあります。

こうした投資判断のブレを極力なくしていくためにも、資産の目標額と具体的な達成時期を決めておくことが重要です。

非課税制度のiDeCoやNISAを活用して、効率的に資産形成する

投資を始める際には、非課税制度の活用も積極的に検討しましょう。代表的な非課税制度であるiDeCo(イデコ)NISA(ニーサ)の特徴とメリットを解説します。

iDeCoは掛金が全額控除で運用益も非課税

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、資産運用を通じて老後の資金を確保する私的年金制度です。月5,000円の掛金から始められることに加え、掛金が全額所得控除されるので、所得税や住民税の節税効果も得られます。受取時にも税制優遇が受けられる点もメリットです。

iDeCoで運用可能な商品は、投資信託が中心です。投資信託は仕組み上、投資対象を分散して運用する金融商品であるため、iDeCoと組み合わせることで長期・積立・分散投資を実践することができます

NISAは新制度がスタートして非課税効果が拡大

NISA(少額投資非課税制度)は、少額から投資をする人を対象とした制度です。2024年に新NISAが始まり、以前のNISAと比べて非課税枠が増えたり、非課税期間が無期限化されたりなど、より活用しやすくなりました。

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税投資枠があります。
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円までの投資が非課税の対象となり、両者は併用も可能です。2つの投資枠を併用した場合、総額1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)までが非課税となります。つみたて投資枠では投資信託、成長投資枠では投資信託と国内外の株式などが購入可能です。

一般的な投資では、利益に対して原則20.315%の税金がかかりますが、NISAの非課税投資枠を活用して投資をした場合、売却益や配当・分配金がいずれも非課税です。投資で得た利益に対する税金の負担が軽減されるため、手元に残る資金が増える点がメリットといえるでしょう。

非課税メリットを活かすなら、投資信託への投資がおすすめ

金融商品には多くの種類があり、特徴やメリット、リスクは商品によって異なります。大きなリターンが期待できる商品は、ハイリスクの傾向があるため、初心者のうちは特に注意が必要です。初心者には長期・積立・分散投資を実践しやすい投資信託がおすすめです。
また、非課税で少額投資を行えるiDeCoやNISAも投資を始める際の選択肢に入れておくと、効率的な資産形成が可能になります。

投資を始めるときには、金融機関選びも重要なポイントのひとつです。金融機関によって取扱商品の種類や数が異なるだけでなく、各種手数料にも差があります。手数料が低い金融機関を利用するほうが、手元に残る資金を増やせます。

特に、iDeCoやNISAは1人1口座しか開設できないことから、金融機関を選ぶ際には慎重に検討する必要があります。複数の金融機関を比較検討しつつ、実際に金融機関を利用した人の口コミや評判も参考にしながら、自分に合った金融機関を選ぶことが大切です。

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 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

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