投資の種類12選!特徴と投資を成功させるためのポイントを解説
投資対象には、株式や投資信託、暗号資産のほか、金や不動産など数多くの種類があります。投資で失敗しないためには、それぞれの特徴を知り、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
今回は、投資に関する基本的な知識に加えて、主な投資の種類12選を紹介します。投資を成功させる上で押さえておきたいポイントや、活用したい非課税制度についても詳しく見ていきましょう。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
投資とは資産を増やすために資金を投じること
預貯金は、銀行などの金融機関に資金を預け入れて利息を得る方法です。超低金利が続いている現在、預貯金によって資産が大きく増えることはない一方で、元本(預けたお金)が減ってしまうリスクもほとんどありません。万が一、預け先の金融機関が破綻しても、預金保険制度によって1人あたり1,000万円までの元本が保証されるからです。
一方、投資は株式や債券、不動産などに資金を投入し、資産を増やすことです。低金利下で預貯金をするよりも、効果的に資産を増やせる可能性があります。
投資の場合は値動きによっては資産を大きく増やせる可能性がある反面、元本割れのリスクがあります。例えば、株式を取得したときの価格よりも、売却したときの価格が低ければ、その分資産が減ってしまうためです。このように、投資には相応のリスクがある点に留意しておく必要があります。
収益はインカムゲインとキャピタルゲインの2種類
インカムゲインとは、資産を保有することによって得られる収益のことです。例えば、分配金や配当金、利子、家賃収入などがインカムゲインに相当します。
これに対してキャピタルゲインは、資産を売買することによって得られる収益です。株や投資信託、不動産などの売却益は、いずれもキャピタルゲインに含まれます。10万円で取得した株式を12万円で売却することで2万円の収益を得られるといったように、資産の売買を伴う点がキャピタルゲインの大きな特徴です。
一般的にキャピタルゲインは、インカムゲインと比べて大きな利益を得られる可能性があります。ただし、資産価値の変動によっては損失を被る場合もあることから、リスクに関してもインカムゲインよりキャピタルゲインのほうが大きくなりがちです。
リスクとリターンの関係を知る
多くの利益を得ようとすれば、相応のリスクを負わなくてはなりません。反対に、リスクの低い投資によって得られる利益は、限られたものになりがちです。
リスクとリターンは投資する商品によって異なります。投資におけるリスクとは、リターンの振れ幅(不確実性)のことです。リターンの振れ幅が小さいことを「リスクが低い」といい、反対に振れ幅が大きいことを「リスクが高い」と表現します。
例えば、値動きが激しい株式の場合、大きく値上がりしたタイミングで売却すれば大きな利益が期待できる反面、タイミング次第では株価が下落したときに売却してしまい、損失を被ることにもなりかねません。つまり、リスクが高いことは危険ではありますが、リターンの振れ幅が大きいと捉えるのが適切といえるのです。
代表的な投資の種類
株式
また、企業によっては株主優待制度を設けています。通常は、一定の株式を保有している株主に対して、自社商品や割引券、特別なサービスなどを提供します。
従来、株式投資にはまとまった資金が不可欠でしたが、近年は少額から購入可能なミニ株や、買い物などで貯まったポイントを投資に回せる仕組みも登場しており、より身近な投資手法となりつつあります。
投資信託
個人で株式や債券に直接投資するには、多額の資金が必要です。一方で投資信託なら多数の投資家から資金を集めることで、一人ひとりは少額の資金から幅広く分散投資が可能です。分散投資により、リスクを抑えつつ効率的に利益を狙える点が、投資信託の大きなメリットです。
投資信託とは?始め方やメリット・デメリット、注意点を解説
ETF
ただし、ETFは通常の投資信託ほど、商品数が多くありません。一般社団法人投資信託協会によると、投資信託の本数が2024年7月時点で約6,000本であるのに対して、東京証券取引所に上場しているETFは約300本です。よって、ETFのみを投資対象とするというよりは、ポートフォリオ(保有する金融商品の組み合わせ)のひとつとして組み込んでいくといいでしょう。
REIT
一般的に、個人で不動産に投資するには、多額の資金を準備する必要があります。しかし、REITであれば、多数の投資家が少額ずつREITを購入することで、オフィスビルや商業施設などの大規模な不動産にも投資が可能になるのです。
債券
債券の大きな特徴として、満期(償還日)が設けられている点が挙げられます。債券の購入者は、定期的に利息が受け取れるほか、償還日が来ると元本が返却される仕組みです。
資産を大きく増やせる投資手法ではないものの、発行体が財政破綻するようなことがない限り元本が保証されていることから、比較的リスクの低い金融商品と言われています。
外貨預金
また、預け入れた時点よりも引き出しの時点で円安になっていれば、為替差益を得られる点もメリットです。ただし、預け入れ時・引き出し時には、それぞれ為替手数料がかかります。手数料は金融機関によって異なるため、利用する金融機関を慎重に選ぶことが大切です。
ファンドラップ
購入する金融商品や売買のタイミングなどをプロに任せられるので、手間をかけずに投資ができます。ただし、投資顧問報酬や口座管理料といった各種手数料がかかるため、ほかの投資手法と比べて手数料がやや高いケースも少なくありません。
また、ファンドラップでは、まとまった資金が必要になる可能性があります。最低契約金額は金融機関によって異なりますが、一般的には数百万円単位の資金が必要になります。
FX
一方で、証拠金以上の損失を被るケースもあることから、ハイリスク・ハイリターンの投資になりかねない点に注意が必要です。
暗号資産
暗号資産は、短期間に大きく価格変動する傾向があるため、数日〜数ヵ月といったごく短い期間で資産が大幅に増える可能性がある反面、下落によって大きな損失を被るリスクもある商品です。
また、預金保険制度のような補償も適用されないことから、暗号資産への投資は自己責任で行う必要があります。
不動産投資
一般的に、不動産を購入する際にはまとまった資金が必要になります。購入した土地や建物の価値が将来必ず上がるとは限らないため、場合によっては資産を減らすことにもなりかねません。
また、長期間にわたって空室が続くと家賃収入が得られないというデメリットもあります。投資初心者にとっては、ハードルが高い手法といえます。
コモディティ(商品)投資
世界的な株価の下落などが発生した際には、安全資産として資産を貴金属に移動させる人も少なくありません。価格が安定している反面、大きな利益を得るのは難しいことに加え、売却するタイミング次第では価格変動による元本割れのリスクもゼロではない点に注意する必要があります。
先物取引
一方で、契約した価格よりも実際の取引価格が大きく下落した場合、損失を被るリスクもあります。ハイリスク・ハイリターンの金融商品であるため、取引内容への十分な理解が必要です。
投資を成功させるポイント
余剰資金で行う
今すぐに必要な資金や近い将来必要になる可能性の高い資金を投資に回してしまうと、いざというときに資金不足になります。こうした事態を回避するには、余剰資金を投資に回すことが大切です。
まずは、現在の家計の収支を整理し、短中期で必要な資金を明確にする必要があります。その上で、余裕があれば投資に回すという考え方が大切です。投資にはリスクが伴いますので、預貯金とのバランスを考慮し、無理のない範囲で投資を行うことが重要です。
長期・積立・分散投資が基本
複利効果とは、投資によって得られた利益を再び投資に回すことです。利益がさらに利益を生む仕組みを活用することにより、効率的に資産を増やしていくことが可能です。
また積立投資を通じて、常に一定額の金融商品を定期的に購入することで平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。投資金額と購入のタイミングを一定に保つことにより、商品の価値が下がっているときには購入量が増え、価値が上がっているときには購入量が減ることになるため、平均購入単価が平準化するです。
反対に、短期間のうちに大きな金額を投資に回したり、特定の商品を集中的に購入してしまったりすると、価値の下落リスクを受けやすくなるため注意が必要です。長期・積立・分散投資によって、リスクヘッジを心掛けることが大切です。
目標を設定する
また、目標が曖昧なまま投資を始めてしまうと、目先の値動きに目を奪われがちです。値下がりしたことを受けて保有商品を慌てて売却してしまったり、利回りの高い商品を安易に選んでしまい、結果としてハイリスク・ハイリターンの投資を行ってしまったりするケースもあります。
こうした投資判断のブレを極力なくしていくためにも、資産の目標額と具体的な達成時期を決めておくことが重要です。
非課税制度のiDeCoやNISAを活用して、効率的に資産形成する
iDeCoは掛金が全額控除で運用益も非課税
iDeCoで運用可能な商品は、投資信託が中心です。投資信託は仕組み上、投資対象を分散して運用する金融商品であるため、iDeCoと組み合わせることで長期・積立・分散投資を実践することができます。
NISAは新制度がスタートして非課税効果が拡大
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税投資枠があります。
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円までの投資が非課税の対象となり、両者は併用も可能です。2つの投資枠を併用した場合、総額1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)までが非課税となります。つみたて投資枠では投資信託、成長投資枠では投資信託と国内外の株式などが購入可能です。
一般的な投資では、利益に対して原則20.315%の税金がかかりますが、NISAの非課税投資枠を活用して投資をした場合、売却益や配当・分配金がいずれも非課税です。投資で得た利益に対する税金の負担が軽減されるため、手元に残る資金が増える点がメリットといえるでしょう。
非課税メリットを活かすなら、投資信託への投資がおすすめ
また、非課税で少額投資を行えるiDeCoやNISAも投資を始める際の選択肢に入れておくと、効率的な資産形成が可能になります。
投資を始めるときには、金融機関選びも重要なポイントのひとつです。金融機関によって取扱商品の種類や数が異なるだけでなく、各種手数料にも差があります。手数料が低い金融機関を利用するほうが、手元に残る資金を増やせます。
特に、iDeCoやNISAは1人1口座しか開設できないことから、金融機関を選ぶ際には慎重に検討する必要があります。複数の金融機関を比較検討しつつ、実際に金融機関を利用した人の口コミや評判も参考にしながら、自分に合った金融機関を選ぶことが大切です。
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。