ネット証券の口座開設は特定口座と一般口座のどちらがおすすめ?
口座開設の流れと必要な書類
【STEP1】口座開設の申し込み
・メールアドレスを入力して、認証コードを受け取る。
・認証コードを入力して、Webの申し込みフォームに住所などの本人情報を入力する ※STEP2の後に行う場合もある
・口座の開設方法として「オンライン」もしくは「郵送」が選べる場合には、どちらかを選択
【STEP2】本人確認書類の提出
口座開設・取り引きまで最短となる方法は、「スマホを使ってその場で撮影(オンライン)」。少しでも早く取り引きを開始したいという場合は、オンライン提出を選ぼう。「書類をアップロード(オンライン)」の場合、必要書類のアップロードはオンライン上で行えるが、ログインIDの情報が郵送で送られてくるため、「スマホを使ってその場で撮影(オンライン)」するよりも開設までに時間がかかってしまう。
提出書類(マイナンバーカードのみ、もしくは通知カード+運転免許証)と「本人の顔」を撮影しアップロード、もしくは「銀行照会(住信SBIネット銀行/三菱UFJ銀行)」をアップロード。翌営業日以降、取り引きが可能になる。
楽天証券の場合
提出書類(マイナンバーカード、もしくは運転免許証)と「本人の顔」を撮影してアップロード。翌営業日以降、ログインIDが送信され、取引可能になる。
「マイナンバーカード」+「本人確認書類(1種類)」、または「通知カード」+「本人確認書類(2種類)」をオンライン上でアップロードし申し込み開始。後日、「ログインパスワード」が郵送される。
楽天証券の場合
本人確認書類をオンライン上でアップロードし申し込み開始。楽天証券の場合、マイナンバーの提出は審査後となる。約5営業日後、「ログインIDとパスワード」が郵送される。
・運転免許証
・運転経歴証明書
・住民台帳カード(写真付き)
・日本国パスポート
・住民票
・各種健康保険証
・印鑑証明書
【STEP3】初期設定
【STEP4】取引開始
オンライン(郵送以外)で口座開設を申し込んだ場合、提出書類の審査完了後にメールもしくは郵送で「口座開設完了通知」が届く。この通知を受け取った後、取引が可能となる。郵送の場合は、【STEP2】のタイミングで「口座開設完了通知」が届くので、【STEP3】初期設定が完了後に取引を開始できる。
楽天証券の場合
【STEP2】で、スマホ撮影でマイナンバーカードを提出した人を除き、初期設定の完了後にマイナンバーの登録が必要となる。登録完了後、取引が可能となる。
口座の種類 「特定口座」と「一般口座」の違いとは?
口座の種類
利益の計算(年間取引報告書の作成・送付)を証券会社が行ってくれ、源泉徴収まで済ませてくれる。自動的に税金が差し引かれることになるので、原則的に個人での確定申告が必要なくなる。
特定口座(源泉徴収なし)
利益の計算(年間取引報告書の作成・送付)を証券会社が行ってくれるが、源泉徴収はされない。つまり、税金は差し引かれないので確定申告は必要だが、手続きが簡易になる。
一般口座
いわゆる昔ながらの証券口座。1年間分の譲渡益を自分で計算する必要がある口座なので、初心者には向かない。
どの口座を選べばいい? 選び方のポイント
・特別な事情がない限り、「一般口座」より「特定口座」が便利
・年間の利益が20万円を超えそうなら、「特定口座(源泉徴収あり)」
・年間の利益が20万円未満に収まりそうなら、「特定口座(源泉徴収なし)」
つまり、20万円を超える副収入がある人は税務署に申告し、それに応じた税金を納めなければならないので、投資で利益が出た人は忘れないように手続きをしなければならない。その際に、自分で年間の利益を計算しなければならない「一般口座」を利用していると、面倒が増えてしまう可能性があるのだ。
しかし裏を返すと、「年間の利益が20万円未満で、本来なら確定申告をしなくてもいいはずのところが、自動的に税金が引かれている」ということになりかねない。利益が少額にとどまりそうな人は気を付けたいところだ。年間の利益が20万円未満に収まりそうなら、証券会社が取引報告書を作ってくれて、かつ税金も引かれない「特定口座(源泉徴収なし)」を選ぶのもありだ。
ただし確定申告が不要なのは所得税のみで、住民税は20万円未満でも確定申告はしなければならない。手続きが不安だという人は、源泉徴収ありの特定口座を選ぶのがよいだろう。
なお、複数の証券会社に口座があって損益通算する場合や、損失を翌年以降、繰越控除を受ける場合にも確定申告が必要だ。
ネット証券の口座は無料で開設できるので、まずは複数の会社で口座を開設し、使い勝手がいいネット証券を見つけるといいだろう。ただし、実際に利用することを考えて、「特定口座」でも源泉徴収があるかないかなど、自分に合った口座種類を選択できるようにしておこう。
監修者 市川雄一郎
生活者目線の自由なトークが持ち味。物腰やわらかで明快な講義は、全国に多数のファンがいる。グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP(R)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。1969年生まれ。グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、金融機関の職員や顧客に対する講義や講演も行う。「日本経済新聞」「日経ヴェリタス」「朝日新聞」「東洋経済」「週刊ダイヤモンド」などへの原稿執筆・コメント提供のほか、ラジオ日経などのメディア出演も多数。主な著書に『投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え』(日本経済新聞出版)がある。
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