「間違えて一般口座で買ってしまった」ネット証券で注意したいトラブル

証券口座数が2022年に3,000万に達するという見込みが発表されるなど、ますます間口を広げている投資。中でもオンラインで簡単に取り引きができるネット証券は、手数料の安さに加えて、いつでもどこでも操作できる手軽さが大きな魅力となり、順調に口座開設数を伸ばしている。そんな気軽さゆえに、「まさか!」と思うようなうっかりミスで大きな損失につながってしまうこともある。そこでここでは、ネット証券初心者が気を付けたい“うっかりミス”と注意点を紹介する。

※この記事は、2022年8月17時点の内容となります。
市川雄一郎

監修者 市川雄一郎

保有資格:CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)

初心者がやってしまいがちな4つの“うっかりミス”

ネット証券では、株を購入する際に数字の入力とクリックで済んでしまうのがメリット。だが、その「スピーディーさ」があだとなることもある。ここでは、実際によく耳にする初心者の“うっかりミス”を紹介する。これから投資を始める人も、そろそろ慣れてきたかも……という人も注意してもらいたい。

1. 意外と多い"操作ミス" 「購入」と「売却」を押し間違えて大きな損に…

意外と多いのが、単純な操作ミス。特に注意したいのが、すでに株を持っていて買い増しするとき、または売却するときだ。例えば、A子さんが以前にB社の株を100株「450円」のときに買って保有しており、今日の株価を見てみると「400円」だったとき。B社の業績は悪くなさそうだし、この安値のチャンスにさらに100株買い増ししようとボタンを押して完了。

ところが……「購入」したつもりだったのに、なんと「売却」ボタンを押していたという事態が! 「450円」で購入し、自ら「400円」で売却してしまったという、あり得ないミスだ。ボタンの押し間違いで、大きな損失につながってしまったという話は実際に時々耳にする。超基本的なことだが、どんなに急いでいても「購入」と「売却」のボタンをしっかり確認するようにしたい。

2. 焦って思い付きで購入 「上り調子のはずが…」

ネット証券会社のサイト内にある「株価上昇ランキング」「出来高ランキング」などを見ていて、上り調子の株があると、ついつい気分が浮き足立ってしまうことがある。「その勢いに乗るぞ!」とばかりに、よく考えずに株を購入してしまうケースがこれだ。

だがこのパターンは、購入した時点ではすでに株価が上がり切っていて、その後すぐに下降していくという悲しい事態になることも多いのだ。超短期売買が目的でない人は、慌てて買うことは禁物。購入・売却がスムーズにできるからこそ注意したい。

3. 重要なお知らせを放置して…注文が間に合わない?

法改正などがあると、証券会社があらかじめ顧客から承諾を得なければならない場合がある。ネット証券では、サイトのログインページでこうしたお知らせを案内している。

だが、しばらくサイトにログインしていないと、このようなお知らせが溜まっていることも。そうなると、承諾に時間を取られてしまい、タイミングが悪ければ当日の取引相場の注文に間に合わないという事態が生じてしまう。定期的に口座のメンテナンスをしておこう。

4. 「特定口座」ではなく「一般口座」で購入、損益計算も確定申告も自分でやる羽目に

ネット証券で口座を開き、実際に株などを購入する際に、NISA口座以外なら、「特定口座」と「一般口座」の2つから選ぶことになる。「特定口座」で「源泉徴収あり」を選ぶと、証券会社が確定申告を代理でしてくれる形になるので、初心者には便利だ(ただし、損が出て、翌年利益が出た場合に相殺する“損益通算”をしたい場合は、確定申告が必要になる)。

ところが、うっかり「一般口座」を選んでしまうと、1月1日から12月31日までの1年間で売買をした際の利益と損失を自分で計算し、自分で確定申告をしなくてはならない。初心者にとっては大きなハードルになるだろう。購入する際には、「特定口座」「一般口座」についてもしっかり確認するようにしよう。


ネット証券でのミスは“損失”につながってしまうので、まずはこの4つについて十分注意するようにしたい。
損益通算の仕組みについては、下記の記事をご覧ください。
投資の“損失”は、確定申告で節税! 「損益通算」の仕組みを解説

安心・安全な取り引きをするために、普段から心掛けたい2つの注意

“うっかりミス”以外にも、インターネットで取り引きする以上、注意したいのがネットトラブル。トラブルは突然やってくるもの。ここでは、普段から心掛けておくことで、実際に遭遇しても慌てずに対処できるようにしておくための2つの注意点を紹介。

1. ネット環境のトラブルにも要注意 「バックアップサイト」は事前に確認

ここぞというときに買付や売却をしたい場合に、ネット環境の悪化により操作ができないトラブルにも注意が必要だ。例えば、急な暴落が分かり、少しでも早めに損切をしたいといった場合に、ネット環境が良くなければすぐに操作できず、焦ることもあるだろう。

そのほかにも、まれではあるが、証券会社側のサーバーの問題で操作ができなくなるケースもある。ネットが使えなければ電話取引で対応する手もあるが、サーバーダウンなどのトラブルの際には電話が集中し、つながらない恐れもある。証券会社によってはバックアップサイトを用意している場合もあるので、事前に確認しておこう。

2. パスワード・IDの管理に気を付ける 正しいサイトからログインすることも重要

IDとパスワードが盗まれるケースにも十分注意が必要。例えば、証券会社をかたるメールなどに記載されたURLからうっかりアクセスし、偽サイトにIDとパスワードを入れてしまうようなことがあっては大変だ。

メールなどに記されたURLなどからアクセスするのではなく、正しいサイトアドレスからログインすることで、そういった事態を防ぐようにしよう。

さらに、パスワードを推測されにくいものにするほか、ID・パスワードが他人に知られないように管理する防衛策も大事だ。

ネット証券は、インターネットにつながる環境があればどこでも取り引きできるという点では便利だが、使い方によってはトラブルが生じるケースもある。安心して取り引きできるように、日頃から十分に注意しよう。
ネット証券のデメリット・リスクの詳細については、下記の記事をご覧ください。
ネット証券は危険?店舗型証券との違いとデメリット・リスクを解説
市川雄一郎

監修者 市川雄一郎

生活者目線の自由なトークが持ち味。物腰やわらかで明快な講義は、全国に多数のファンがいる。グローバルファイナンシャルスクール校長。CFP(R)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。日本FP協会会員。日本FP学会会員。1969年生まれ。グロービス経営大学院修了(MBA/経営学修士)。日本のFPの先駆者として資産運用の啓蒙に従事。ソフトバンクグループが創設した私立サイバー大学で教鞭を執るほか、金融機関の職員や顧客に対する講義や講演も行う。「日本経済新聞」「日経ヴェリタス」「朝日新聞」「東洋経済」「週刊ダイヤモンド」などへの原稿執筆・コメント提供のほか、ラジオ日経などのメディア出演も多数。主な著書に『投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え』(日本経済新聞出版)がある。
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