任意保険とは 補償内容や自賠責保険との違い
任意保険の必要性と自賠責保険との違い
また、事故で発生する損害は、身体、生命に限らない。だが、自賠責保険の保険金は、被害者の身体、生命に損害を与えた場合のみ支払われる。よって、自分が加害者となり、死亡した場合に保険金は一切支払われない。
自賠責保険の保険金額は、死亡時3000万円、後遺障害時4000万円(最大)、傷害120万円(最大)と定められている。この額が十分なものなのかどうかは、昨今の自動車事故による高額賠償を見ればわかる。万が一、被害者が亡くなるようなことになれば、年齢や仕事を問わず、数千万円から1億円、ときにはそれ以上の損害を賠償するケースもあるのだ。
過去には以下のような高額賠償事例もある。
【対人事故の高額賠償例】
・5億2853万円/死亡事故(眼科開業医/41歳/男性)
・3億9725万円/後遺障害(大学生/21歳/男性)
・3億9510万円/後遺障害(大学生/20歳/男性)
人身事故で賠償額1億円を超えるケースは決して珍しくない。だが、自賠責保険から支払われる金額は死亡時で3000万円、後遺障害時は最大4000万円。つまり、自賠責保険だけでは十分な補償とはいえないのだ。
基本の補償内容
・対人賠償保険
事故を起こして、相手にケガなどを負わせてしまった場合の補償を受けることができます。これは、自賠責保険と同じ内容ですが、任意保険に加入することで、自賠責保険だけでは支払えない高額の賠償金にも対応できるようになる
・対物賠償保険
事故を起こして、相手の車や他人の家などに損害を与えてしまった場合の補償を受けることができる
・無保険車傷害保険
相手に過失がある事故に遭ったとき、相手が任意保険に加入していない場合や、加入していても補償内容が不十分な場合に補填
・搭乗者傷害保険
運転者を含む、契約車両に乗っている人をカバーする
・人身傷害補償保険
運転者を含む、契約車両に乗っている人をカバーする。自分や家族が歩行中またはほかの車に乗っているときに起きた事故を補償するタイプもある
・自損事故保険
単独で起こした事故の場合に、運転者を含む、契約車両に乗っている人をカバーする
・車両保険
契約車両を補償。事故のほか、盗難、いたずら、自然災害(地震等を除く)による破損も補償する
このほか特約をつけることで、自分の希望する内容を細かく設定することで保険料を抑えつつ、必要に応じて希望の補償内容を組み合わせて契約することができる。
足りない部分を任意保険でカバーする
対物賠償保険も、保険金額を自分で設定することになるが、以下のように1億円以上の賠償額を命じられる場合もあるので、できれば無制限がオススメだ。
【対物事故の高額賠償例】
・2億6135万円/積荷(呉服など)
・1億3580万円/店舗(パチンコ店)
・1億2037万円/電車、線路、家屋
中身をきちんと確認してから加入を
「対物賠償保険」「搭乗者傷害保険」「人身傷害保険」「車両保険」の4つに関しては、保険金の金額変更することも可能。これらは、車両の時価や車をどう使うかなどを考慮して決定していく。また、特約についても都度判断する必要があるだろう。
任意保険に加入することで、自賠責保険では対応できない高額な請求や、車両の修理費、相手が無保険だった場合の治療費などをまかなうことができる。車に乗っている以上、事故はいつ起きてもおかしくない。万一のために、しっかり備えておくことが大切だ。