ネット証券の口座は複数開設するべき?使い分けて利益を増やす方法
ここでは、ネット証券の口座を複数開設することのメリットとデメリット、上手な使い分けの方法について解説します。
■ネット証券の口座は複数開設できる
■複数の証券口座を持つメリット
各証券会社の強みに応じて使い分けができる
金融商品の選択肢が増える
各証券会社の投資情報やセミナーにアクセスできる
IPOの当選確率が上がる
システムトラブル時のリスクヘッジになる
■複数の証券口座を持つデメリット
資産・損益管理が煩雑で難度も高い
ID・パスワードの管理が煩雑になる
自身で確定申告を行わなければいけない場合がある
取引のタイミングを逃す可能性がある
■複数の証券口座を上手に使い分ける方法
メイン口座
サブ口座
■複数のネット証券口座についてよくある質問
Q. 複数の証券口座で同じ銘柄を購入した場合、証券口座ごとに株主優待をもらえますか?
Q. NISA口座も複数開設できますか?
Q. 証券口座を複数持つ際、確定申告は必要ですか?
■ネット証券の口座を複数持つことには、さまざまなメリットがある
ネット証券の口座は複数開設できる
特に、国内株式だけでなく米国株やIPO(新規公開株)などにも投資したいと考えているなら、複数の証券口座を開設することをおすすめします。
ただし、1つの証券会社で開設できるのは1口座までです。複数の証券口座を開設したい場合は、証券会社を変えて1口座ずつ申し込む必要があります。
また、NISA口座やiDeCo口座については、全証券会社を通して1人1口座までしか開設できないため注意しましょう。
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複数の証券口座を持つメリット
各証券会社の強みに応じて使い分けができる
<証券会社ごとの強みの例>
・取り扱っている銘柄の種類が多い
・手数料が他社より安い、もしくは無料である
・投資情報やセミナー情報を豊富に提供できる
・取引ツールの利便性が高い
・米国株やIPOなど、特定の商品に強い
2つ以上の証券口座を開設することにより、利用できるサービスの幅が広がり、各証券会社の強みを組み合わせた運用を行うことができます。例えば、国内株式とIPOに重点的に投資をしたい場合は、それぞれの商品ラインナップが充実している証券会社で口座を開設しておくと、投資の幅が広がります。
よく行う取引方法がいくつかある場合は、取引方法ごとに手数料が安い証券口座を開設しておくことで、利益が出やすい資産運用ができるでしょう。
複数の証券口座を使い分けることで、よりスムーズで利益の出やすい取引が実現できます。
金融商品の選択肢が増える
異なる金融商品を扱う複数の証券会社に口座を開設し、購入商品の選択肢を増やすことで、分散投資により利益を増やせる可能性が高くなります。証券取引所を通さずに夜間でも株を売買できるPTS(私設取引システム)に対応している証券会社を1つ加えれば、さらに取引の幅が広がります。
分散投資をすることで、万が一サービスに大きなトラブルが起きたり、証券会社が倒産したりした場合にも、損失のリスクを抑えて取引を継続できることもメリットです。
各証券会社の投資情報やセミナーにアクセスできる
複数の証券口座があれば、同一銘柄に対する複数のアナリストの見解や各社の分析結果を比較できるため、取引の精度を高められるでしょう。
IPOの当選確率が上がる
しかし、IPOは数に上限があり、購入者は抽選によって決定します。IPOの抽選方法は証券会社によって異なりますが、複数の口座を開設すると、抽選に参加できる機会が増え、当選確率が上がります。
システムトラブル時のリスクヘッジになる
まれにではありますが、証券会社のサーバーや回線のトラブルにより一時的に取引ができなくなることがあります。
各証券会社も対策を講じていますが、不具合やエラーがゼロになることはないでしょう。証券口座を複数持っていれば、1社でシステムトラブルが起きても、ほかの証券会社のシステムで取引を行うことで、取引のチャンスを逃さずに済みます。
複数の証券口座を持つデメリット
資産・損益管理が煩雑で難度も高い
複数の証券口座にまたがって存在する資金や金融資産の総額を把握するには、各証券口座の利益と損失をチェックし、合計額を計算しなければなりません。証券口座の数が増えるにつれて、計算する作業は煩雑になります。
また、各証券会社の特徴を踏まえ、投資する金融商品やリスクの幅、投資額を決定する必要があるため、戦略を立てる上での難度が一気に上がります。
ID・パスワードの管理が煩雑になる
セキュリティリスクを考慮すると、証券口座ごとに個別のIDとパスワードを設定するのが望ましいですが、IDとパスワードを忘れてしまったり、何度も入力を間違えてしまったりしないよう、安全な管理方法を考えておくことが大切です。
自身で確定申告を行わなければいけない場合がある
基本的に、特定口座(源泉徴収あり)を1つだけ保有している場合、証券会社が源泉徴収を行ってくれるため、確定申告は必要ありません。複数の特定口座(いずれも源泉徴収あり)を利用していても、すべての特定口座で利益が出ていれば、各証券会社が源泉徴収を行うため確定申告は不要です。
注意したいのは、複数の特定口座(いずれも源泉徴収あり)を持っていて、利益が出た口座と損失が出た口座の両方が生じてしまったときです。この場合、自身で確定申告を行う必要があります。
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取引のタイミングを逃す可能性がある
結果として、相場が急変した際などに取引のタイミングを逃してしまう可能性も否めません。
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複数の証券口座を上手に使い分ける方法
例として、メイン口座とサブ口座を1つずつ開設する場合の上手な使い分け方をご紹介します。
メイン口座
また、手数料の安さやセミナー・投資情報の豊富さなど、自分が証券会社に求める要素をできるだけ多く満たしていることも重要です。
優先順位を決めるのが難しい場合は、すべての項目をバランス良く兼ね備えた証券口座を選ぶと失敗が少ないはずです。
サブ口座
例えば、メイン口座には種類が豊富でない外国株やIPOも運用するなら、外国株の取扱銘柄数や取引手数料、IPOの取扱実績などを参考に選びましょう。取引を通じてお得にポイントを貯めたいのであれば、ポイント還元率や、自分がよく使うサービスでポイントが使えるかどうかといった観点で比較検討するのもおすすめです。
メイン口座とサブ口座を選ぶ際には、オリコン顧客満足度ランキングなどの比較サイトで人気の証券会社を比較検討してみるのもおすすめです。取引手数料、取扱商品、システムの安定性など、重視するポイントを軸にした並べ替えもできるので、ぜひご利用ください。
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複数のネット証券口座についてよくある質問
Q. 複数の証券口座で同じ銘柄を購入した場合、証券口座ごとに株主優待をもらえますか?
ただし、複数の証券口座で同じ銘柄を所有している場合、すべての証券口座の合計株数に応じて株主優待をもらうことができます。
Q. NISA口座も複数開設できますか?
NISA口座は複数開設できる?金融機関変更や二重申込の場合を解説
Q. 証券口座を複数持つ際、確定申告は必要ですか?
1つの特定口座(源泉徴収あり)で取引をした場合、証券会社が税金の計算から源泉徴収、納税まで行ってくれるため、通常は確定申告をする必要はありません。
複数の特定口座(いずれも源泉徴収あり)を利用している場合も、すべての口座で利益が出ていれば手続きは不要です。
ただし、複数の特定口座(いずれも源泉徴収あり)を利用しており、利益が出た口座と損失が出た口座の両方が存在する場合は、自身で確定申告を行う必要があります。
ネット証券の口座を複数持つことには、さまざまなメリットがある
複数のネット証券の口座を持つメリットとデメリットを理解したら、まずはメイン口座とサブ口座を開設してみてはいかがでしょうか。
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