ネット証券は危険?店舗型証券との違いとデメリット・リスクを解説
一方、ネット証券には手軽さゆえのデメリットやリスクがあることも確かです。セキュリティリスクや商品の誤発注リスクなどが不安で、利用を躊躇している人も多いのではないでしょうか。
今回は、ネット証券と店舗型(対面)証券の違いや、ネット証券のデメリット・リスクのほか、ネット証券に向いている人などについて詳しく解説します。
■ネット証券とは?店舗型(対面)証券との違い
店舗型(対面)証券
ネット証券
■ネット証券の口座を開設するには?
■ネット証券のデメリット
証券会社の担当者からアドバイスやサポートを受けることができない
注文を間違えても自己責任になる
セキュリティリスクにさらされる可能性がある
不安定な通信環境による機会損失のリスクがある
■ネット証券のメリット
手数料が安い
手軽に取引ができる
自分のペースで取引ができる
取扱商品の種類が多い
豊富な投資情報が手に入る
■ネット証券が向いている人
手数料を抑えることが最優先である
自分で投資情報を収集し、判断ができる
セキュリティ対策への意識が高い
デバイスの操作やインターネットの利用に苦手意識がない
■ネット証券のデメリットとリスクを把握して、上手に利用しよう
ネット証券とは?店舗型(対面)証券との違い
店舗型(対面)証券
また、PCやスマートフォンの操作やセキュリティ対策に不安がある人にとっても、店舗型(対面)証券は使いやすいでしょう。店舗型(対面)証券では口座開設時の手続きをはじめ、取引や資産運用に関する相談も営業担当者が対応してくれることも、心強いポイントです。
一方で、店舗型(対面)証券は店舗や営業担当者からのサポートが充実している分、ネット証券と比較して取引手数料が高くなる傾向があります。また、営業担当者から投資商品の営業を頻繁に受けることもあり、わずらわしく感じる人もいるでしょう。
なお、最近ではインターネットやスマートフォンの普及により、店舗型(対面)証券でもオンライン取引ができるケースが増えています。状況に応じて店舗とオンラインを使い分けると利便性が高くなります。
ネット証券
店舗型(対面)証券のようにアドバイスやサポートを行う営業担当者がつかない代わりに、手数料は安く設定されています。自分のペースで投資を行いたい人には合ったやり方ですが、取引の経験が浅く「どの商品を買えばよいかわからない」という人は不安を感じることがあるかもしれません。
ネット証券の公式サイトやアプリに掲載されている銘柄やサービスの詳細を確認したり、株式を購入したい企業の決算情報や株価情報などを調べたりするなど、知識を深めてから取引を行いましょう。
ネット証券とは?メリット・デメリットから窓口証券会社との違い
ネット証券の口座を開設するには?
ネット証券で口座を開設する際の一般的な流れは、下記のとおりです。詳しくは、各証券会社の公式サイトをご確認ください。
<郵送でネット証券の口座開設をする流れ>
1. 電話やWebサイトから口座開設のための申込書を請求
2. 個人情報や口座情報など、申込書に必要事項を記入し、必要書類(本人確認書類など)を添えて郵送
3. 審査完了後、郵便で口座開設完了の完了通知が届く
<Webでネット証券の口座開設をする流れ>
1. Webサイトで個人情報や住所などの必要情報を記入
2. 必要書類(本人確認書類など)のデータを提出
3. メールもしくは郵送で口座開設完了の通知が届く
このほか、スマートフォンでの口座開設に対応している証券会社もあります。一般的には口座開設から取引開始まで、郵送での申込みなら1〜2週間程度、Web申込みなら1〜3日程度かかりますが、eKYC(オンライン上で本人確認を完結できる仕組み)を導入している証券会社なら、最短即日で口座開設できることもあります。
ネット証券のシェアを比較!おすすめの人気証券会社はどこ?
ネット証券の複数口座については、下記の記事をご覧ください。
ネット証券の口座は複数開設するべき?使い分けて利益を増やす方法
ネット証券のデメリット
証券会社の担当者からアドバイスやサポートを受けることができない
また、知識が不足していると取引で収益を上げるのは困難です。投資初心者や経験が浅い場合、自己判断の投資で損をするリスクがないとはいえません。
ネット証券は、すべての取引を自己責任で行う必要があります。専門家のアドバイスが受けられないことによる資産配分のミスや、投資先の選定ミスを防ぐには、知識量を増やすことが何よりも大切です。
まずは、ネット証券の公式サイトに掲載されている投資情報に目を通したり、ネット証券が主催するセミナーに参加したりしてみましょう。正しい知識を身に付ければ、自信を持って取引ができるようになります。
注文を間違えても自己責任になる
ネット証券での失敗を防ぐため、注文画面では情報を確定させる前にしっかり確認することが大切です。移動中などに焦って注文するのは間違いの元。自宅などの落ち着ける環境でじっくり考えて投資するようにしてください。
注文完了後に間違いに気づいても、すぐにネット証券の問い合わせ窓口に相談をすれば、注文を取り消せる可能性もあります。
一方で、店舗型(対面)証券であれば、実店舗で営業担当者と対面で取引が行えるため、注文内容の誤りに気づきやすくなります。わからないことが多い投資初心者にとっては安心感があるでしょう。
なお、最近では店舗型(対面)証券でもオンライン取引を導入していることが増えてきました。店舗型(対面)証券で口座開設をしても、オンライン取引を中心に行う場合は、間違いに気づきにくくなるので注意が必要です。
セキュリティリスクにさらされる可能性がある
ネット証券を利用する場合は、セキュリティ対策をしっかり行うことが大切です。個人でできるセキュリティ対策には、下記のようなものがあります。
・IDとパスワードをブラウザに記憶させない
ネット証券のWebサイトにログインするには、IDとパスワードが必要です。ログインのたびに毎回入力するのは面倒ですが、ブラウザに記憶させて自動入力する機能を安易に使うのは避けましょう。ウイルス感染など何らかの形でデバイスに第三者のアクセスがあった場合、簡単に不正取引などをされてしまうためです。
・パスワードの使い回しをしない
ネット証券をはじめ、さまざまなサイトやアプリの認証でIDとパスワードの入力が求められますが、管理の煩雑さからすべてのパスワードを同一にしている人もいるようです。しかし、どれか1つのサイトが攻撃を受けると、芋づる式にすべてのサイトから情報が漏洩する危険があります。面倒でも、パスワードは一つひとつ変えることでリスクを回避できます。
・生体認証や二要素認証を活用する
ネット証券で利用するデバイスの生体認証や二要素認証なども活用しましょう。IDとパスワードのみの管理に比べて、セキュリティリスクを大幅に軽減できます。
不安定な通信環境による機会損失のリスクがある
適切なタイミングで取引を行えるよう、自宅の通信環境は高速で安定したものにしておくことをおすすめします。不安定な通信環境によるリスクを避けるため、公共交通機関での移動中や、カフェなどのフリーWi-Fiを使用中の取引は控えましょう。
ネット証券のメリット
手数料が安い
代表的な店舗型(対面)証券とネット証券の手数料をまとめました。
取引金額が10万円の場合 | 取引金額が100万円の場合 | |
店舗型(対面)証券 | 約2,800円 | 約1万2,150円 |
ネット証券 | 約105円 | 約570円 |
ネット証券の口座維持には手数料はかかる?費用についての解説
なお、手数料が0円のプランを提供しているネット証券会社もあります。
手軽に取引ができる
店舗に行って対面で取引を行うよりも、日々の隙間時間に取引を行いたい人にとっては、ネット証券で十分なことが多いでしょう。
自分のペースで取引ができる
営業担当者がつかないネット証券であれば、営業担当者からの営業や干渉にわずらわされずに取引を行うことができます。
取扱商品の種類が多い
豊富な投資情報が手に入る
ここまでご説明してきたネット証券と店舗型(対面)証券のメリットとデメリットをまとめると、下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
ネット証券 | ・手数料が安い | ・営業担当者からアドバイスを受けられない |
店舗型(対面)証券 | ・個別に営業担当者がついてサポートが受けられる | ・手数料が高い |
ネット証券が向いている人
手数料を抑えることが最優先である
自分で投資情報を収集し、判断ができる
株式の取引を成功させるためには、適切な情報収集が欠かせません。情報収集はネット証券のWebサイト、新聞、本のほか、証券会社が開催するセミナーでも行うことができます。集めた情報にもとづき、取引の判断をすることに抵抗を感じない人には、ネット証券の利用がおすすめです。
セキュリティ対策への意識が高い
デバイスの操作やインターネットの利用に苦手意識がない
通信トラブルやデバイスの故障などへの対処も必要になる可能性があるため、普段からインターネットを利用していて、各種デバイスの操作に慣れていることが望ましいです。
ネット証券会社を徹底比較!証券会社の選び方を4つのポイントから解説
ネット証券のデメリットとリスクを把握して、上手に利用しよう
手数料の安さや取引の手軽さといったメリットがある一方、自己責任で取引を行わなければならないことや、セキュリティリスクにさらされる可能性があることなど、デメリットとリスクもしっかり理解した上で口座を開設しましょう。
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