インデックス投資とは？メリット・デメリットをわかりやすく解説

「インデックス投資」とは、市場の値動きを示す指数（インデックス）との連動を目指して運用する投資のことです。インデックス投資は値動きがわかりやすく、運用コストが低いといったメリットがありますが、いくつかのデメリットもあるので、しっかりと知識を得てから行いたいところです。

この記事では、インデックス投資の仕組みと種類のほか、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

監修者 AFP／2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

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目次

1. インデックス投資は、指数の値動きへの連動を目指す手法
2. インデックスの種類
3. インデックス投資とアクティブ投資との違い
4. インデックス投資のメリット
   1. 値動きがわかりやすい
   2. 分散投資をしていることになる
   3. 投資信託の中でも運用コストが低い
   4. 少額からでも投資できる
5. インデックス投資のデメリット
   1. インデックスを上回るリターンは望めない
   2. 短期間ではリターンを得られる可能性が低い
6. インデックス投資を始めるなら、証券会社選びも重要なポイント

インデックス投資は、指数の値動きへの連動を目指す手法

インデックス投資とは、株式市場や債券市場の値動きを示す指数（インデックス）の動きに連動させることを目指す投資手法を指します。

そもそもインデックスとは、日本の株式市場の「日経平均株価（日経225）」や米国株式市場の「S&P500」などの値動きを示す指標のこと。インデックス投資では、これらの指数の値動きに連動した投資成果を出すことを目指します。ですから、インデックス投資という名称の投資商品は存在しません。

インデックス投資を行うには、投資信託を利用します。投資信託とは、投資家から集めた大きな資金を、投資のプロである運用会社が株式や債券に投資・運用し、その利益を投資家に還元する金融商品です。
インデックス投資の場合は「インデックスファンド」という投資信託を利用することになり、指数の動きに連動した利益を出すことを目的として運用されます。

インデックスの種類

インデックスには、さまざまな種類があります。日本とアメリカの株式市場におけるインデックスの例は、下記のとおりです。

■日本国内株式市場におけるインデックスの例

インデックス名	内容
日経平均株価（日経225）	株式会社日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場（東証プライム市場）の上場企業の銘柄から選定した225銘柄の平均株価。
東証株価指数（TOPIX）	TOPIXは「Tokyo Stock Price Index」の略称。東証プライム市場を中心とした上場企業銘柄の時価総額にもとづいて算出される株価指数。

■米国株式市場におけるインデックスの例

インデックス名	内容
ダウ平均株価（ダウ・ジョーンズ工業株価平均）	アメリカのダウ・ジョーンズ社がニューヨーク証券取引所やナスダック市場における上場企業の合計30銘柄にもとづいて算出する平均株価。「NYダウ平均」や「ダウ工業株30種平均」とも呼ばれる。
ナスダック総合指数	ナスダック市場に上場する全銘柄の時価総額にもとづいて算出される株価指数。
S&P500指数	アメリカのS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場の上場企業主要500銘柄の時価総額にもとづいて算出する株価指数。株価平均型なのが特徴。

インデックス投資とアクティブ投資との違い

アクティブ投資（アクティブ運用）とは、インデックスを上回って運用成果を出そうとする投資手法のことです。インデックス投資は、市場と同じように成長して運用成果を出そうとする受動的な姿勢（パッシブ）なため、「パッシブ投資（パッシブ運用）」ともいわれます。インデックス投資とアクティブ投資の違いは、インデックスの動きにとらわれるか否かという点です。

アクティブ投資を行う投資信託は、「アクティブファンド」と呼ばれます。アクティブファンドに投資すると大きな利益を得られる可能性があるものの、損失も高くなる傾向があります。
また、購入時の手数料や運用中の手数料（信託報酬）に関しても、アクティブファンドのほうがインデックスファンドより高く設定されているのが一般的です。

インデックス投資のメリット

インデックス投資は投資初心者向きといわれており、さまざまなメリットがあります。ここでは、インデックス投資のメリットについてご紹介します。

値動きがわかりやすい

インデックス投資は、設定したインデックスに連動した運用を行うため、投資初心者にとって動向がわかりやすいというメリットがあります。

これは、値動きが指標とする日経平均株価といった株式市場全体の動きと大きくかけ離れることがあまりないからです。ですから、インデックス投資においては株式ニュースを見ているだけで、値動きを大まかに把握することができます。

分散投資をしていることになる

指標として設定したインデックスに連動させるインデックス投資は、数多くの銘柄を組み合わせて設計されています。それは、結果として分散投資を行うのと同じ効果があり、インデックス投資を構成する銘柄のうち1つの銘柄が値下がりしても、別の銘柄が値上がりすれば、損失をカバーできる可能性があるのは大きなメリットです。

投資信託の中でも運用コストが低い

インデックス投資のメリットのひとつは、投資信託の中でも信託報酬といった運用コストが比較的低い投資手法であることです。
ハイリターンが特徴であるアクティブ投資の場合、運用するファンドマネージャーへの信託報酬も高く設定されている一方で、インデックス投資では購入時手数料がかからない「ノーロード」の投資信託も少なくありません。長期的な運用コストをできる限り抑えたい場合は、インデックス投資を選ぶべきでしょう。

少額からでも投資できる

少額からでも投資が行えるのは、インデックス投資の大きなメリットといっていいでしょう。
通常の株式投資は100株単位での購入となり、始めるにはまとまったお金が必要です。インデックス投資の場合、証券会社によっては100円程度で始められるため、投資初心者にとってハードルが低い投資手法といえます。

インデックス投資のデメリット

いくつかの種類がある投資手法ですが、どの手法でも一長一短があります。それは、インデックス投資も例外ではありません。ここでは、インデックス投資のデメリットについて見ていきましょう。

インデックスを上回るリターンは望めない

インデックス投資は、株式市場や債券市場の値動きを示すインデックスの動きに連動した運用成果を目標とする手法です。リスクは低い一方で、仕組みとして市場平均を上回るリターンを得ることはなく、アクティブ投資のように大幅なリターンは望めません。また、市場全体が値下がりした場合には、運用成果も低くなってしまう可能性があります。

投資におけるリスクとリターンは表裏一体であり、運用成果の振れ幅というリスクを小さくすれば、リターンもそれに伴って小さくなる傾向があることを理解しておきましょう。

短期間ではリターンを得られる可能性が低い

インデックス投資は長期にわたる運用に適した投資手法であり、投資の基本とされる「長期・分散・積立」には適しているものの、短期的な運用ではリターンを得られにくいデメリットがあります。

これは、市場全体での急激な値動きが短期間では起きにくいためで、大きなリターンを得たいと考える場合には、アクティブ投資の選択が適切でしょう。

インデックス投資を始めるなら、証券会社選びも重要なポイント

インデックス投資は、市場の値動きを示すインデックスとの連動を目指して運用する投資手法であり、投資初心者でも行いやすい資産運用といえます。インデックス投資の仕組みやメリット・デメリットを理解した上で、効果的に活用していくことが大切です。

なお、インデックス投資を行うには、証券会社や銀行を通じて投資信託を購入する必要があります。投資信託の購入時手数料や信託報酬などは証券会社によって異なるため、インデックス投資を行う際には証券会社選びも重要なステップのひとつといえます。証券会社ごとの特徴について、しっかり比較検討するようにしましょう。

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監修者 AFP／2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。