買い時の株を見極める方法は?覚えておきたい用語から購入する際の注意点まで
しかし、株価は様々な要因で変動するため、多くの投資家が買い時の判断に迷っているのが現状です。
本記事では、株価が上昇する可能性の高い銘柄を見つけるための具体的な方法や、買い時を判断するための指標について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
適切な投資判断ができるよう、実践的なポイントを押さえていきましょう。
目次
株の買い時を見極めるために覚えておきたい用語
その判断材料となるのが、様々な「用語」です。
これらの用語を理解することで、より深く株の動きを読み解き、投資判断に役立てることができます。
トレンドライン
主に上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)の2種類があり、前者は下降トレンド時の高値同士を結んだ線で株価の上値の壁となり、後者は上昇トレンド時の安値同士を結んだ線で株価の下値を支える目安となります。
これらの線を活用することで、株価の強さや弱さ、今後の方向性を予測する手がかりを得ることができ、投資判断の重要な指標として用いられています。
移動平均線
短期(5日や25日)、中期(50日)、長期(200日)など、様々な期間で計算され、株価がこれらの線を上回るか下回るかで、相場の強弱を判断します。
特に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けることを「ゴールデンクロス」と呼び、買いのタイミングを示す代表的なシグナルとして、多くの投資家に活用されています。
移動平均かい離率
現在値から移動平均線の値を引き、それを移動平均線の値で割って100を掛けることで算出され、数値がプラスの場合は移動平均線より上にあることを、マイナスの場合は下にあることを示します。
一般的に、かい離率が大きくなりすぎると、やがて株価が移動平均線に近づく動きが起こりやすいとされ、売買のタイミングを計る指標として活用されています。
出来高
この数値が大きいほど、その銘柄への関心が高く、活発な取引が行われていることを示します。
特に、株価が上昇・下落する際の出来高を確認することで、相場の方向性や強さを判断できます。
例えば、株価上昇時に出来高が増加する場合は強気相場の継続が期待でき、反対に出来高が少ない値動きは、その相場の信頼性が低いと判断される傾向です。
株の買い時を見極めるには?チェックポイント4つ
しかし、いくつかのチェックポイントを意識することで、より良い投資判断につなげることができます。
上昇トレンドにある銘柄かどうかチェック
具体的には、株価の安値を3点以上結ぶトレンドライン(下値支持線)が右肩上がりになっている場合や、短期・中期・長期の移動平均線が上向きで、株価がこれらの線の上を推移している状態が上昇トレンドと判断できます。
これは「順張り」と呼ばれる投資手法の基本で、上昇局面で買い、下降局面で売ることで利益を得る方法です。
特に、下値支持線から株価が反発するタイミングや、直近の高値を更新したタイミングが買い時として有効です。
上昇トレンドにある銘柄は、市場からの期待が高く、さらなる株価上昇が見込めるため、投資のタイミングとして適していると考えられています。
企業の成長が期待できるかチェック
企業のIR情報や決算短信を確認し、事業戦略、設備投資計画、海外展開の方針などから成長性を予測できます。
特に注目すべきは、過去の業績推移、新規事業への投資状況、研究開発の方向性、そして企業が属する業界の成長性です。
例えば、AI、半導体、蓄電池など、今後の発展が期待される分野に注力している企業は、「業績拡大の可能性が高い=今が買い時の株」と考えられます。
企業価値は基本的に業績に連動して上昇するため、成長が期待できる企業の株式を適切なタイミングで購入することで、長期的な株価上昇の恩恵を受けられる可能性が高まります。
移動平均線と株価の差をチェック
これは、現在の株価が移動平均線からどれだけ離れているかを示すもので、株価が移動平均線を大きく下回っている状態(マイナスかい離)は、株価が必要以上に売られている可能性を示唆します。
このような状況では、多くの投資家が「押し目買いのチャンス」と捉え、買い注文を入れる傾向があるため、株価が自律的に回復し、移動平均線の水準まで戻ることが期待できます。
ただし、企業の業績悪化や市場環境の変化など、株価下落に正当な理由がある場合は、単純な反発を期待するだけでなく、他の指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
出来高をチェック
出来高が急増している状況は、その銘柄への投資家の関心が高まり、取引が活発化していることを示します。
特に、株価の上昇と同時に出来高が増加している場合は、多くの投資家がその銘柄に投資する意欲を持っており、さらなる株価上昇が期待できるのでこれから買い時の株といえます。これは、市場参加者の需要の高まりを反映しているためです。
ただし、出来高の増加が株価の下落と同時に起きている場合は、大量の売り圧力が発生している可能性があるため、慎重に判断しなければなりません。
また、決算発表時期は特に出来高が増加しやすい傾向にあるため、この時期の変動には注意が必要です。
株を買う時に注意したいこと
損失を最小限に抑え、利益を最大化するためにも、しっかりと理解しておきましょう。
入念に情報収集する
企業のIR情報や決算短信などの公式情報に加え、経済ニュースサイト、株式情報サイト、経済専門メディアなど、複数の情報源から情報を集めることで、より正確な投資判断が可能になります。
また、経済ニュースやマーケット動向をタイムリーに把握するために、経済専門チャンネルやファイナンス系YouTuberの発信する情報もチェックすると良いでしょう。
ただし、情報の信頼性には特に注意を払い、公式発表や実績のある媒体の情報を中心に、複数の情報源で確認することを心がけましょう。
情報収集先としては、日本経済新聞やロイター、ブルームバーグなどの経済メディア、証券会社のリサーチレポートがおすすめです。
長期的な視野を持つ
日々の株価変動を見て短期売買を繰り返すことは、投資経験の浅い投資家にとって非常に難しく、むしろ損失を重ねてしまう可能性が高くなります。
また、頻繁な売買は手数料の増加につながり、利益を圧迫する要因です。
一方、優良企業の株式を長期保有することで、一時的な株価変動に一喜一憂することなく、企業の成長に合わせた株価上昇の恩恵を受けることができます。
さらに、長期保有することで売買回数が減り、取引コストを抑えることができるため、より効率的な資産運用が可能です。
このように、長期的な視点で投資を行うことは、初心者にとって精神的にも経済的にも理にかなった投資方法といえます。
複数の銘柄に投資する
特定の1銘柄や1つの業種に投資を集中させると、その企業や業界が予期せぬ問題に直面した際に、大きな損失を被るリスクがあります。
そのため、異なる業種の企業に投資したり、同じ業界でも複数の企業に分散投資したり、さらには国内株式と海外株式を組み合わせたりすることで、リスクを分散させることができます。
例えば、ある業界が不振でも他の業界が好調であれば、投資ポートフォリオ全体としての損失を抑えることが可能です。
このように分散投資を行うことで、投資リスクを軽減しながら、安定的な資産形成を目指すことができます。
投資には余剰金を使う
投資には必ず損失のリスクが伴うため、生活に必要な資金や緊急時のための貯蓄とは別に、余剰資金を使うことが大原則となります。
もし生活費や必要経費から捻出した資金で投資を行い、株価が下落して損失が発生した場合、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
投資初心者の方は、まずは楽天ポイントやdポイントなどを活用したポイント投資から始めることで、リスクを最小限に抑えながら投資の経験を積むことが可能です。
余裕のある資金で投資を行うことで、冷静な判断が可能となり、長期的な資産形成につながるでしょう。
損切りのラインを設定しておく
損切りとは、投資した銘柄が下落傾向にある際に、さらなる損失を防ぐために投資を途中で諦めて売却することを指します。
例えば「購入価格から10%下落したら売却する」といったように、具体的な数値で損切りラインを事前に決めておくことで、感情的な判断を避け、冷静な投資判断が可能です。
多くの投資家は「もう少し様子を見よう」と損失を抱え続けてしまいがちですが、明確な損切りラインを設定しておくことで、小さな損失のうちに売却でき、大きな損失を回避することができます。
株初心者におすすめの買い方3つ
それぞれの特徴とメリット・デメリットを踏まえ、ご自身の投資スタイルや目的に合った方法を選ぶことが大切です。
ここからは株初心者におすすめの買い方を紹介するので、買い時のタイミングと一緒に覚えておきましょう。
高配当や株主優待を意識して購入する
これらの銘柄は、株価の上下に関わらず、定期的な配当金の受け取りや株主優待の獲得が期待できるため、短期的な株価変動に一喜一憂することなく、落ち着いた投資を行うことができます。
特に、日常生活で利用している企業の中から、魅力的な株主優待や安定した配当実績がある銘柄を選ぶことで、企業への理解も深まり、長期保有がしやすいです。
デイトレードのような短期売買で利益を上げるのは初心者には難しい一方で、配当や優待を重視した投資なら、じっくりと投資経験を積みながら、安定的なリターンを目指せます。
少数の株を購入する
従来の株式売買は100株単位が一般的でしたが、近年はSBI証券や楽天証券など、1株から取引可能な証券会社も増えています。
1株なら数千円から数万円程度の少額で投資を始められるため、初期投資のリスクを抑えられます。
また少数での取引は、投資の仕組みや値動きの傾向を学ぶ良い機会となり、投資経験を徐々に積み重ねることが可能です。
さらに、資金に余裕が出てきた時に徐々に株数を増やしていく方法も選べるので、高値づかみのリスクの分散が期待できるでしょう。
NISAを活用する
また、NISA口座は通常の証券口座開設と同時に申し込むことができ、手続きも簡単です。
特に長期的な資産形成を目指す初心者投資家にとって、税制優遇を受けながら投資経験を積むことができるNISAは、投資を始める際の有効な選択肢といえます。
買い時の株を知って上手に資産運用をしよう
主なチェックポイントとして、上昇トレンドの確認、企業の成長性評価、移動平均線と株価のかい離率分析、出来高の確認があります。
また、投資を始める際は、入念な情報収集、長期的な視野での運用、分散投資、余剰資金の活用、損切りラインの設定が重要です。
初心者には、高配当・株主優待銘柄の購入、少数株からの投資開始、NISA口座の活用がおすすめです。これらの要素を総合的に判断することで、より良い投資判断につながります。
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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。
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